教育基本法について　2002.12　回答

２００２年12月市議会一般質問

教育長

私に対するご質問にお答えいたします。
戦後五十数年の教育の経過を踏まえて，我が国の教育の現状と課題，これからの教育の目標や在り方を見直すことは大事なことであり、そのために，教育基本法を国民全員が改めて問い直してみることは必要なことであると考えております。

今回の中間報告は，見直しの視点や方向性を示したものでありますが，教育は，国民一人一人に直結する問題でありますし，国や社会の基礎を作る重要な問題でありますことから，今回の中間報告を基に，国民の間で論議を十分に尽くすべきものであると考えております。
なお，教育長の仕事は，公でありますので，個人的な見解は差し控えなければならないものと考えております。教育長として　ご指摘の点に限って申し上げれば、この「郷土や国を愛する心」「公共の精神」は，社会の形成者全てにとって必要な資質であると考えます。
ただ，郷土や国を愛する心や公共の精神が、著しく偏りのあるものであったり，何かの目的のための道具になったりすることは厳に戒めなければならないものと考えております。
また，学問の基である哲学の自由な発想と批判的精神は，無からは生じてこないものと考えております。ことばや文字，基礎的な知識や技術、社会や国に対する関心、他人に対する思いやりや愛情などが育っている子どもは，自分なりのものの見方，考え方を身につけていくと同じように，人間として，社会の形成者として必要な資質が備わり、はじめて自由な発想や批判的な精神が生まれてくるものと考えております。いずれこれらの論議を踏まえて，教育基本法の見直しについて十分に論議を尽くしていくべきものと考えております。
以上，私に対するご質問にお答えいたしました。

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