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防災対策特別委員会視察報告

2012.07.18〜07.20
滋賀県・三島市・長岡市

 流域治水基本方針について、
  地域防災計画(風水害等対策編)の概要について等

2012.07.18  
滋賀県 滋賀県土木交通部流域治水政策室

1.資料

滋賀県の流域治水政策について〜「滋賀県流域治水基本方針」

滋賀県流域治水基本方針 前半 参考資料前半 参考資料後半
滋賀県地域防災計画(風水害対策編)

2.説明(メモ)

120717 滋賀県流域治水政策室

○基本計画の考え方

  財政的理由で川の上流部分の整備が遅れ、内水氾濫と一般氾濫が同時に起きる可能性がある→淀川は200年確率の洪水が来ても溢れないが滋賀県内は1050年確率
  パワーポイントが良いのでそちらを見ること 特に8..1011
  地先の安全度マップによって「どこが危ないのか」についての周知をはかる

○川の中の対策
     県内の一級河川約500 総延長2000q 17p
     そのすべてに治水対策を施すまでには途方もない時間がかかる
     治水対策は県予算の中では重視されている 
     今年度の河川整備は前年度+10億円 ←県民理解があるおかげ

○地先の安全度

 県内のどこから河川整備をやっていくのか→リスク評価による決定を行う

  浸水想定区域図との違い→今までは対象河川に雨が降った場合を想定していたが、  地先安全度マップは、その周辺にも同等の降水があった場合(他の河川からの合流水や内水分も加えてあるので、現実に近くなる)を想定している23p

○土地利用・建築に関する法制度の活用

   災害建設規制法を利用した土地利用→条例のあり方について検討中

○質疑応答

Q:琵琶湖の存在をどう捉えているのか
A:琵琶湖から出る川は一本

  琵琶湖に大雨は京都大阪に先に雨が降っている
  京都大阪が降っていると、琵琶湖を閉める
  琵琶湖は水位上昇がゆるやかなので自然のダムみたいな感じになっている

Q:基本計画策定までに苦労したところ
A:職員の思考回路転換 4p

  河川のことだけではなく別の角度からも総合的に考える事が必要と考え治水政策室が出来た。治水政策室の中に様々なセクションがあり、総合的な観点から治水を考える形になっている

Q:地先の安全度マップの作り方
A:航空撮影データから計算

  作成予算は1億円程度

Q:県民の治水対策への意識が高い理由は?
A:小さい川の改修がされていない
  一級河川に比べて関心は低いけれど、小さい川の氾濫で床上浸水等の被害は例年ある

Q:土地利用についてもう少し詳しく
A:基本方針の議論の最中に東日本大震災が起きた
  災害を未然にふせぐという意味での土地利用規制というものは今まで少なかった
  しかし、津波被害の例を考えればそのような対策が必要
  地域の合意形成なくては難しいので、水害リスクの周知とともに、それに対してどういう方策をとっていくのかという話し合いが住民の中で必要と考える

Q:協議会の区割りや設定の考え方は?
A:県内6地域に分けている
  県の土木事務所の割り当てで6地域に
  予算は1事務所700万円くらい(全体で4200万円)

Q:地先の安全度マップによってリスク公開した際の市町村や市民の反応は?
A:安全度マップ(決定バージョン)を出す前に、安全対策をするべきという声も、リスクをまず公表すべきという声も両方ある、現在調整中

Q:霞堤の例で、住宅禁止地区を決定した経緯を教えて欲しい
A:行政が関与して造ったものではない
  昔からの知恵として川のそばで流されないギリギリの場所に住んだということ
  これから、行政が関与してそういう形を行うべきだと思うが、それを徹底できる法はない

Q:ダム計画はあるのか
A:4計画あったが、うち3つが中止
  残りの一つは検討中

Q:ポンプアップを行っている場所はあるか?
A:12カ所ある
  それほど力を入れていない。平成4年から実施しているが今まで2回しか動いていない
  むしろ、水が溜まるところには調整して住宅を建てないようお願いをしている

Q:東日本大震災をうけて防災計画の変更があったか?
A:地震対策の見直しの方向で検討
  水防団員の安全確保の追記など水防計画の見直し
  地域防災計画はもともと充実していたので、大きな見直しがないが、震災を受けて考えなければならなくなったのは、放射能に対する避難対策

 東海地震・富士山火山に係る防災対策、
   災害時の情報取得手段、自主防災組織について

2012.07.19
三島市 三島市企画部危機管理課
1.資料
三島市の防災対策〜市民への情報発信〜
三島市危機管理課発行チラシ

2.説明(メモ)

20p?    赤色部          富士山噴火火口になるであろう場所
           オレンジ部  溶岩が流れてくるであろう場所

三島市HPは見やすさという点で評価が高い

質疑応答

Q:防災指導員の人数・活動実態と自主防災組織の活動を詳しく

A:指導員は現在17人 完全ボランティアで予算措置なし
  防災組織は自治会数と同じだが、温度差が大きい
  備蓄等についての活動は一定の貢献をしてもらっていると考えている

Q:『わたしの防災カード』の手応えは
A:始めたばかりなのでまだ手応えというほどのものはない
  福祉の方でも援助が必要な方を募集したら1200人ほど手が上がった
  福祉との連携は考えている

Q:火山灰対策について
A:ゴーグル等の備蓄はなし
  富士山噴火についての認識はそれほどなかったが、最近の報道で今後考えねばいけないという声が大きくなった

Q:自主防災会への補助内容
A:自主防災会への補助内容:それぞれの防災会で購入したものへの2/3補助
  補助上限 基本10万円(世帯人数×200円)
  毎年補助可能
  各防災会でコンテナ等の置き場がありそこに保管している

Q:今は民生委員だが、本人の了承を得て自治会に、と考えている:災害時要援護者の情報提供は自治会の誰に
A:今は民生委員だが、本人の了承を得て自治会に、と考えている

Q:住宅耐震化の進み具合
A:88%位まで上がっている(新築建築が増えているから)

Q:火山灰避難の想定は
A:噴火対策は県対策を待っている状況

  これから取り組むこと

Q:市民メール等、市民への周知策について
A:市民メール等、市民への周知策について:市民メールは2月、チラシは2号分出した
  全戸配布は可能だが、見る率を考えて説明会等に来た方に直接渡している
  福祉部の方では全戸配布

Q:耐震事業は募集枠があるのか
A:先着制ではない
 募集が多ければ補正を組むような形になる

Q:家具転倒防止事業
A:業者に委託
  一人暮らし、障害者のみ、高齢者のみ世帯が対象
  4月から始まって20件くらい

Q:特別な火災対策はあるのか
A:火災対策は難しく、啓発をしていく事を中心に

Q:災害時の電力・ガソリンの入手に関して
A:計画停電の話もあり、市役所のコンピュータ室のバッテリを良いものに変えたり、急な停電にも備えられる形に変えている
  提携業者と提携をしっぱなしにしない
  業者との情報・意見交換をこまめに行う事
  業者のみならず各機関、たとえば自衛隊等とも

Q:ラジオに関して県補助があるのか
A:ラジオ単体ではないけれど、災害補助の枠の中での補助制度がある
  大震災以降、爆発的に普及した



 災害に強いまちづくり、防災対策、防災センターについて

2012.07.20
長岡市 長岡市危機管理防災本部
1.資料
日本一災害に強い都市を目指して

2.説明(メモ)

○火災の少なさ(24p)の理由          再通電火災(阪神大震災で多かった)に気を遣ったこと                                                                      ガスにマイコンメーターがつくようになったこと

質疑応答

Q:被災地の過疎が進んだと聞いたが、それを防ぐ方法について考えを聞かせて
A:国・県の予算措置が早く、また多く、復旧は早かった
  復興予算措置のやり方が地元を早く直すという形だった
  首都圏大規模災害が発生した場合、自分のふるさとに避難するという方法を川崎市と連携して検討中

Q:自主防災士と自主防災会の関係は?
A:直接的関係はない
  地域リーダー養成のための防災士養成なので、実際は重なっている部分があるだろう

Q:中学校を避難所として使いやすいように改修したとは?
A:そもそも改築計画があった場所の小中学校から実行
  3カ年で1億円かけて全部の学校で実施した
  耐震補助はそれとは別で、全学校が終わっている訳ではない

Q:防災ラジオについて
A:市が支給している以外に、個人でも購入できる
  その場合、65歳以上や重度しょうがい者家庭には3000円の補助あり
  市の無料支給だけでは不足だ、という声があったために実施した

 毎年1112時にテスト放送を行って、ラジオに不備があれば修理する様、業者と契約している
V.全体の感想

今回ので、防災対策特別委員会の行政視察は終了。今後、勉強会等はあると思うが、今年度末の調査報告書のとりまとめまでは、議員個々人の作業となる。

これまでの調査の中で特筆すべきは、やはりどこの自治体も『減災』という考え方を中心に置いていることだ。場所が異なっても、震災被害を被った場所では特に、そのような声が聞こえてきたように思う。

昨年度は神戸、今日は長岡でお話を聞かせてもらったが、東日本大震災の支援は、これらの経験を活かした形で行われてきたのだと改めて感じた。あの時は、思うとおりにいかなくてかなりイライラしたが、阪神大震災の時と比べると、かなり合理的でシステマチックになっていると解った。

予測によれば、日本周辺での地震はまだ続き津波被害の可能性もある。だからこそ、これらの経験を蓄積しておく場所が欲しい。出来れば、ネット等ですぐ引き出せるような形で。

どこの自治体でも他機関、および民間と連携した防災・減災を語っている。だからこそ、それぞれが得た経験を共有化し、次に備えられる何らかの形を作る必要があるんじゃないだろうか?

以前、被災された方から「伊勢さん、神戸にある『人と防災未来センター』みたいなのの津波版を三陸に造りましょうよ」と言われたことがあるけれど、本当に必要なんじゃないかと思い始めている。




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