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第5章 事業による影響の見通しおよび保全対策案
1996年度簗川環境調査結果 (岩手県作成)
5.1動植物調査結果の概要
 平成5年度〜今年度にかけて実施した動植物調査結果の概要を以下に示した。

5.1.1植物
 植物調査は平成5・6年度に実施し、落合のケヤキ林、サワグルミ林などの渓谷林、クモノスシダ群落、ヤシヤゼンマイ群落、ダイモンジソウ群落などの渓流沿いの自然植生などを確認している。植物相についても渓流の岩上に生育するシダ類をはじめ、南限、北限種など121科789種を確認している。このなかにはフクジュソウ、ヤシヤゼンマイなど27科35種の注目すべき種が含まれている。なお、注目すべき植物種については再選定をおこなったため、表 5.1.1にその一覧および図 5.1.1に確認地点位置を示した。


5.1.2 陸生動物

(1)哺乳類
 哺乳類では、ツキノワグマ、カモシカなどの大型哺乳類をはじめ、渓流環境に生息するカワネズミなどを確認している。なお、早春季調査では新たにアナグマを確認し、哺乳類の確認種数は 5目9科14種となった。

(2)鳥類
 鳥類ではクマタカ、オオタカ、ハヤプサなどの猛禽頬をはじめ、ヤマセミ、オシドリといった水辺環境に生息する種などを確認している。今年度実施した早春季陸生動物調査、猛禽類等生息状況調査により、新たにオオタカ、ハチクマなどを確認し鳥類の総確認種数は 9目27科77種となった。
 クマタカについては根田茂片貝地区において営巣木、代替営巣木および繁殖の成功を確認した。また、内沢地区についても別ペアの生息を確認した。
 オシドリ、ヤマセミについては根田茂川の上流から下流にかけてほぼ全域に生息していることが把握された。
(3)昆虫類
 昆虫類は、簗川・根田茂川の多種多様な環境を特に反映した結果となっており、確認種は、オオムラサキ、ヒメギフチョウ、ギンポシヒョウモンなどの注目すべき種を含む18目224科1280種にのぽっている。

(4)両生・は虫顆
 両生類は、渓流性のハコネサンシヨウウオ、カジカガエルなどを確認している。早春季補完調査により、新たにタゴガエルを確認し、両生類の確認種数は 2目6科12種となった。
  は虫棋はシマヘビ、ジムグリなど1目1科 5種を確認している。

(5)水生生物
 水生生物でも、簗川流域の清冽な流水環境を反映してカジカなど4目6科10種の魚顆、トピゲラ目、カゲロウ目など18目56科148種の底生動物を確認している。

 なお、動植物調査結果の一覧は表 5.1.2に示した。

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