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産業環境常任委員会視察報告

2010.05.10〜05.12
世田谷区・浜松市・町田市

 商店街活性化策について

2010.05.10 
世田谷区 産業政策部商業課

1.資料

世田谷区産業経済白書
世田谷区産業ビジョン
世田谷区産業振興計画
世田谷区産業振興基本条例
パワーアップ商店街 商店街加入促進マニュアル



09年度商店街加入促進 進捗状況(全体数)

04年度 05年度 06年度 07年度 08年度 09年度 04〜09年度累計
加入 退会 加入 退会 加入 退会 加入 退会 加入 退会 加入 退会 新規累計 退会累計
476 507 374 428 335 472 341 413 332 431 75 110 1,923 2,342


2.説明(メモ)


<世田谷区産業ビジョン・世田谷区産業振興計画>
商店街の役割の位置づけの明確化を行ったもの。
この計画によって、商店街を地域の核と位置づけることを他自治体や国が認めたと自負している。
世田谷には商店街数が140位あるが、生活支援拠点としての商店街づくりを進めており、毎年モデル商店街を指名。地域の方と話し合いを行い「地域に役立つ商店街とは何か」をテーマに活動している。

06年4月、世田谷区産業振興公社を設立。
行政は企画・立案、公社は執行という役割分担が出来た。

<取り組みと効果>
「生活支援づくり」が活性化している。
それと合わせて最近は個店支援(商店街マネジメント)に力を入れている。
具体的な成果を数値で示すのは難しいが、経営者が商店活性化への意識を持つようになったと感じる。
意識啓発が出来てきているので、店主が次の施策を考えられるようになっていると思う。

<課題>
店主の高齢化と跡継ぎ問題が一番の課題。
自分の子供に「会社勤めを辞めて店をやれ」と言えるほどの稼ぎが出ない現状がある。
だから「自分は廃業してテナントに貸そうか?」と考える人が多い。
マッチングなど考えながら空き店舗を出さない対策を取って行かねばならない。
用賀商店街では下部組織として株式会社をつくり、商店街になかった鮮魚店をアンテナショップとして出店、成功している。

<世田谷区産業振興基本条例>
強制力を持たせるため、商店会に協力しない店に罰金まで検討したが、実現は難しかった
結果として、第4条2、3項の様な形で落ち着いた。

<地域商品券の取り組み>
地域商品券への公的補助が100万円位。
波及効果は区の財源投入の5.4倍以上。
(経済関連表によって民間委託で評価してもらった結果) 

<Q&A>
Q:そもそも、商店会に加入しなかった店舗はどういう理由で加入しなかったのか。
A:イベント集客後、そのお客さんをどうやって自分の店に呼び込むか、というのは個店の意識の問題
そこが変わらなければ、商店会に加入してもお客は増えない

Q:イベントに参加するリスク 束縛の範囲が難しい
A:・地域の大学と連携して取り組んでいる商店街がある。
学生や地域の方々と連携してイベントをやるなどの形で盛り上げていく方向になっている

Q:会費は
A:・振興組合とそれ以外では大きく違う
商店連合会に加盟しているのは100団体くらい。30数団体は加盟していないが、理由は加入費が払えない

Q:共通買い物かごやバリアフリー
A:・烏山商店街で検討中 高齢化のため

Q:チェーン店の加入
A:商連役員が本部まで行って要請しているがなかなか良い返事が貰えていない

3.私の感想


何と言っても元祖「産業振興基本条例」の自治体ですもの。商店会振興に力が入っているのはよく解りました。ただし、条例の効果について、数値での検証がないのは若干不満。
「条例制定がなければ商店会数はもっと減っていたと考えられる」とのお話だったが、私としては近隣区の商店会数データが欲しいと思った。(その日の夜に盛岡市議会事務局さんにデータ収集をお願いした)

 バイオマスタウン構想について
 「商店街の活性化に関する条例」について

2010.05.11
浜松市 環境部環境企画課温暖化対策グループ
商工部商業政策課
T.バイオマスタウン構想

1.資料

浜松市バイオタウン構想




2.説明(メモ)

合併によって森林面積が非常に増えた。現在は半分以上が森林。
バイオマスタウンの構想は5年前から開始し、昨年4月に国の指定を受けた。

ペレット暖房による農業(ブランドメロン栽培)を考えている。

木材資源はガス化の方向性を目指している。
現状ではバーク材は熱源として安定せず重油の方が楽だが、ガス化にすると均質化して使いやすくなる。
技術的には手が掛かり、コストもかさむので、まだ実用化・商業化の所までは行っていない。

ペレット暖房を使った「エコハウス」を6月にお披露目する予定。
温暖な気候なのでストーブだけだとニーズがあまりないため、お湯を沸かして床などに流すという方式を取っている。
地域でのコ・ジェネレーションシステムまで考えているかと言えば「工場中心に考えるのか、地域中心に考えるのか、それとも工場も地域もなのか」という事をまだ決定しているわけではない。
とりあえず、市民の方々にこのようなエコ住宅があるということを知らせるきっかけとして、という処だ。

U.「商店街の活性化に関する条例」について

1.資料

浜松市商店街の活性化に関する条例












2.説明(メモ)

<「商店街の活性化に取り組む団体届け出書」の提出が伸びない理由>
後継者問題や商業活性化よりも、商店会活動が「地域づくり的な活動」寄りになっている。
一言で言えば「届け出て何のメリットがあるのですか?」ということ。
条例で届け出自体を努力目標にしているせいもあると思う。
ちなみに、条例の制定要望書を提出した浜松商店界の会員22店舗のうち、届け出をしているのは6店舗のみ。

<活動していない商店会があるんじゃないのでしょうか?>
活動していないということはないけれど、合併のせいもあって商店会の規模の差は大きい。
住民自体が過疎化しているところもあり、格差が出ている。
浜松も大型店が入っていて、商店街活動自体は縮小傾向にある。
そんな状況の中で、新しくお店を出してもらえる可能性は少ない。「この施策は現実的でない」という意見もある。

<商店街の温度差>
会員数は200店舗から5店舗と幅が広い。
商店会の活動は、そこにリーダーシップを取る人がいるかどうかにかかっていると思う。
商店街でのリーダー育成は必要だと思う。今年度から始まった補助制度の中にはそういう事業を行えるものもあるので、事業主の方から提案があればよいのだが。
昨年度までの展開していた商業者の育成セミナーは「個店の魅力アップ」に係るものだった。
市は事業としては直接行っていないが、いわゆる「キーマン」を別の商店街に紹介したりなどのネットワークづくりはやっている。

<チェーン店などの商店会への加入>
中心街のチェーン店が条例制定によって商店会に入った例はない。

V.感想

商店会の存在意義自体が各商店街に解ってもらえていないのでは?
っつーか、農業問題と同じだよ。それだけでは喰っていけないため後継者がおらず、空き店舗という名の耕作放棄地が増えていくってこと。
でも農業と同じで、工夫と努力によって商売すごく面白いものとして行えている人もいる。
最初あたしはこの条例を「商店会に入ってくれって言いやすくするための後ろ盾」位に思っていたけれど、いやいやどうして。今後盛岡で真面目に議員発議で成立させようと思えば(成果を上げられるような条例を作ろうと思えば、の意ですね)参考人に誰を呼ぶのかだとか、設置後の具体的な目標だとか、かなり精査しなくちゃいけないんじゃないのかな、と気づいた。
「条例によってどーのこーの」っていうより、その成立の過程も通じて「萎えちゃっている商売人をどうやってその気にさせるのか」、っつー問題だ、やっぱし。
勘違い?んじゃないよね?(若干不安)
いや、今日の浜松は、綺麗事じゃなくてすごくおもしろかった。

 商店街活性化策について
 ごみ減量・資源化の取り組みについて

2010.05.12
町田市 経済観光部産業観光課
環境資源部ごみ減量課
T.商店街活性化策について

1.資料

町田市産業振興基本条例
町田市商店街の活性化に関する条例






2.説明(メモ)

商圏人口 150〜200万人。
大型店の進出が町田の商業の推進力となった経緯がある(デパートに付随する形で商店街が発展した)
しかし、現在も営業している百貨店は小田急だけ。
シネコンを抱えた横浜ららポートや御殿場のアウトレットとの競争、という構図になっている。
昨年の小売総額 5,048億円 中心市街地だけだと2,100億円。

<チェーン店の商店会への加入について>
中央地区なんとかかんとか モディ 9商店街と12大型店の共同でつくっている団体がある。
もともと地元のお店だったところが全国チェーンのフランチャイズに入った場合は、以前からのつきあいもあったりして、商店会に入っている事が多い。
後から来た人たちが加入してくれないパターンが多い。

<小売の状況>
売り上げ額等の変化は少ない。ただし、町田市の人口が増えているので、それを考えればお客さんをどこかに取られているのではないかと考えられる。
また、個店の店主などからは「あんな安売り競争されたらオレ達は勝てないよ」という声は聞こえる。
大型店は瞬時にディスプレイや商品を変えることが出来るが、商店街は各々の店は経営が別なので、それは出来ないというのも不利。
町田の中心市街地は日用品を買うタイプの商店街ではない。非日常を買う場所。
店舗の種類では、物販は減っている(多分飲食が増えているんだろうとあたしは思う)。
時間消費型の店舗がないという欠点があるが、商店街としてそれに対応しようという検討がされる処までではない。
オーナーと商店主が別の人(賃貸)というパターンが多い。

商店会数は51団体だが、親睦会的なものもあり、実質は47〜48団体。うち振興組合は一つだけ。
条例制定によって商店会に参加する店舗が劇的に増えたわけではない。それより産業振興計画策定の方が商業活性化には力になると思う。

U.ごみ減量・資源化の取り組みについて

1.資料

剪定枝資源化センター
生ごみ処理機等補助について


2.説明(メモ)

82年 余熱利用施設 障害者施設・プール・老人センターなど
05年 ゴミ減量を目的とした有料化
06年 ゴミ0市民会議
08年 剪定枝資源化センター
     リサイクル広場まちだ
09年 イベントゴミの減量
     ・リユース食器の使用の推奨
     ・分別の徹底

<ゴミ回収の有料化>
有料化によってゴミの量は減量を維持することが出来たので、一昨年、単価の引き下げを行った。
引き下げ月だけは若干ゴミ量が増えたが、その後は減少傾向に戻った。

<剪定枝資源化センターや生ゴミ処理器で作られる堆肥について>
剪定枝資源化センターの堆肥は「どれくらい使われているか」が今後の課題。全部が販売されているわけではない。ただし、運営委託している業者が造園を行っているので、当初から買い取りをしてもらう予定だったので、余って困っているわけではない。
集合住宅で作った分の処理は課題である。現在は量自体が少ないので、市の方で堆肥化実験を行う際に利用している。

V.感想

町田市は商売では「勝ち組」なんだもん。「商売は消費者のニーズに合わせた新陳代謝によって活性化するでしょう?」というアダム・スミス的なお話をされても、あたしらにはちっとも参考にならないよぉ〜、と思った次第。
「街の機能を維持するための商店街の必要性」だとかを考える必要がないんだから仕方ないよね。
まぁ、こういう街もあるさ…


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