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「子どもの権利条約」はなぜ必要なのか
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2010.04.11 仙台市 |
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1.資料 |
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2.説明(メモ) <基調報告> 「日本の子どもと子どもの権利条約−市民・自治体・国・国連の役割を考える」 喜多明人 早稲田大学教授 子供権利条約ネットワーク代表 「子どもの権利」と言った場合、「我が儘を助長する」とか「権利よりも義務を教えることが大切」などという声も聞こえるが、この様な意識を変えていくことが大切。 日本政府は今まで子どもの権利条約に熱心ではなかったが、政権交代によって変わったと思う。「子ども若者支援推進法の制定ー子ども若者ビジョンの骨子案」がパブリックコメントにかけられている。 この条約制定までは、初めは市民が活動し、次に自治体が動き、国を動かした。 「なぜ、日本の子どもに子どもの権利条約が必要か?」について話したい。 子どもの権利は不幸な子どもに必要なもの、という考えがかなり幅を利かせている。 東京シューレに通っている子どもたちが「え、僕たちは幸せなんだろうか?」という疑問を持った→そこで「日本で子どもの権利は守られているか」という学習会を積み重ねた→「不登校の子どもの権利宣言」(上記資料参照)を作成した。 子どもの権利は基本的に「子どもの側に立って考えること」。他国では学校以外の様々な学習形態を認めている。日本は頑なに「学校が良いんだ」としてきた。これは大人が良しとしたこと。 大人の良かれと思う事ではなく「その子の気持ちや意志を認めているか」というのが子どもの権利を認めているということではないだろうか。 日本の子どもはセルフエスティーム(自己肯定感)が非常に低い。 大人主導から子ども主導への切り替えが必要。子どもをお客様にしてはいけない。 肯定できる自分をつくるというのは子ども自身にしか出来ないこと。残念ながら日本の学校はこれが苦手。子どもにイニシアティブを渡す(指導より支援をする)ことを躊躇う。 子どもの権利条約は国と地域の両方に実現するステージがある。「居場所づくり」など身近な地域でこそ実現されて欲しい。 子ども若者支援推進法は引きこもり対策の部分も含んでいる。 18歳以下のいわゆる子どもに対する法律の制定が望まれている。 <パネルディスカッション> 「子どもの権利条約はなぜ必要なのか−子どもの権利条約フォーラム開催の意義」 荒牧重人 山梨学院大学法科大教授・子どもの権利条約総合研究所事務局長 森田明彦 尚絅学院大学教授 小林純子 特定非営利活動法人チャイルドラインみやぎ代表理事 (荒牧) 5月末に「国連子どもの権利委員会」で日本における条約の実施状況が審査される。 条約は憲法より下位、ただし法律よりは上位。行政には執行義務があり。1回目、2回目の審査では「日本の執行は不十分」という審査結果が出ている。 2条(差別の禁止)、3条(子どもの最善の利益)、6条(生命への権利、生存・発達のの確保)、12条(意見が尊重される権利)この四つの重要権利が子どもの権利条約の基本となっている。 日本だけではなく、多くの国家でこの条約は十分に実施されていない。 日本には子どもを守るための法律はたくさんあるが、子どもを権利の主体としてとらえる法律はない。その法律の制定と子どもの権利に関するオンブズパーソンの設置が必要だと思う。 (森田) 日本には子どもを大切にする文化というものが存在していた。 賀川豊彦の提唱した「6つの子どもの権利」 子どもは食う権利がある 子どもは遊ぶ権利がある 子どもは寝る権利がある 子どもには叱られる権利がある 子どもは親に夫婦喧嘩を止めて乞う権利がある 子どもは禁酒を要求する権利がある (小林) チャイルドラインみやぎの実践の報告と実行委員会の呼びかけなど。 |
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3.私の感想 「みんなでつくる青山銀河鉄道新駅ワークショップ」の経験や、映画「葦牙」でも、子どもの力をバカにしてはいかん、と思った経験がある。彼らは総体としてまちづくりのパートナー足り得ると思う。 「子どもの権利」と言うと反発する大人がいるのはどうしてなんだろう?彼らが言う「権利ばかり主張して義務を遂行しない子ども」というのは、子ども扱いする事によって生まれて来ているんだと思うんですが。 「チャイルドラインいわて」の設立を目前にして、色々考えさせられるセミナーだった。 盛岡でも「子どもの権利条例」作りたいです。 |
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