いせ志穂 ■トップページへ■トピックス一覧 |
|||
会派(改革・みらい)視察報告
|
|||
2010.02.03〜02.04 札幌市 ※会派視察ですが行ったのはいせ志穂1人です |
|||
ベロタクシー(自転車タクシー)札幌 <エコ・モビリティ 札幌>
|
|||
2010.02.04 特定非営利活動法人 エコ・モビリティ 札幌 代表者 栗田敬子さんからうかがいました(文責いせ) |
|||
1.実績報告 |
|||
2.運行を行おうと思った理由 観光目的の導入ではない。あくまでも「地域の乗り物として」導入した。 |
|||
3.運行の現状 09年までは5台が4月後半から10月一杯まで運行した。 <道路交通などに関して> 札幌の中心市街地は雪を堆積させるために路側帯が広く取ってある。積雪時以外はそこが路上駐車の場所になっていて、ベロタクシーが走る事で自動車の通行を妨げることは少ない。 札幌市には以前から観光幌馬車があった所為もあるのか、導入時にあまり困難は無かった。 ちなみに、自転車なので料金をもらわずに二人乗りをするのは違法。 <利用者などに関して> 観光客と市民が半々位の利用。 ・市民の利用について 高齢の方が利用する場合が多い。 札幌の市街地には昔からの住宅地もあるが、その割にはスーパーマーケットなどが少ない。 買い物や通院などの際に、ドアtoドアの乗り物として活用しているのだと思う。 ベロタクシードライバーと利用者の結びつきが出来やすく、ご指名で週に2〜3回利用する人もある。 タクシー初乗りが650円、地下鉄一区間が200円なので、短距離ならベロタクシーは安いという感覚かも。 (ベロタクシーは初乗り500mまで300円、その後50m毎+50円) ・観光客の利用について ドライバーがガイドブックに載っていない話をするのが喜ばれる。 車椅子の方が1日貸切で利用した例があったが、これは介助者の負担を減らしたとすごく喜ばれた。 やはり気を遣わずに観光できるというのは喜ばしいことなのだと思った。 ・配達業務について 09年は有機農法の野菜を扱う八百屋さんから契約しているレストランまで野菜を運ぶ事業を開拓した。 トラック配送を、広告効果、輸送コスト削減、二酸化炭素削減でベロタクシーに切り替えを行った。 この様に少量の配送ならば小回りも利くベロタクシーは便利。 買い物配送などの可能性を今後も考えたい。 ・イベントへの参加など イベント参加は初年度よりも増えた。 主催者から声をかけられて参加することが多い。 環境がらみのイベント参加が多い。企業のエコに対する姿勢を示すものだから。 札幌では大通り公園が初夏から毎週何らかのイベントが企画されている。 これはベロタクシー運行の条件としてはかなり良い。大通りまちづくり協議会と連携して運行している。 札幌市民の利用が多いのは、これもある。 <ドライバーなどに関して> 冬期間は走れないのでベロタクシーの仕事は6ヶ月しかできない。 それで、ドライバーは業務委託契約を結ぶ形でお願いしている。 募集の条件は20歳以上。09年は44歳が最高齢だった。 体を動かすことや接客が好きであること、また「街の中を爽やかにする」という観点を理解していただける方でないと難しいと思う。 09年は20名位が応募して15名と契約を結んだ。そのうち10名が08年からの継続。女性は3名。 自営とかサラリーマンとか本業を持っている方もいるので、業務シフトを組んで5台のベロタクシーを運転してもらっている。 朝、ベロタクシーを駐車している大通り地下駐車場に集まってミーティングを行い、そこから先はそれぞれの営業になる。 ベロタクシーのイメージはドライバーがつくるもの。 前述のようにドライバーと利用者の交流が密な乗り物なので、マナーのマニュアルをきちんと作るのは必要だと思う。ただ、型にはまったマニュアルを押しつけてしまうのも、ドライバー個々の魅力を半減させてしまう。ドライバー研修を札幌スタイルで作って行っている。 |
|||
4.採算について ベロタクシーの収入の4割強が広告。 広告サポーターの殆どが地元企業。 初年度の方が広告サポーターがつきやすかった。次年度以降は減るというのは、どこの地域でも同じ。 札幌が厳しいのは、年の半分が雪などのため走れずに広告収入が減ること。その分は経費の削減で対応し、赤字は出ていない。 |
|||
5.将来について 最終的には台数を10台くらいまで増やしたい。 国産車が出来れば価格も下がるので可能だと思う。 自転車は環境に良く格好いい乗り物。中心市街地が自動車で溢れているのではなく、ベロタクシーも含めた自転車や歩行者の街に変えていきたい。 |
|||
6.私の感想 昨年、岩手県が平泉市でベロタクシーの実験運行をしたのですが、それに乗ったという友人が「とっても良かった。盛岡自転車会議ではベロタクシーの導入はやらないの?」と言われ「いやー、平泉は観光地だから出来るんでしょ。盛岡じゃ無理無理」と答えたのですが、それ以降、俄に興味が出てきてしまって札幌までお話を聞きに行ったんです。 お話を聞いて「観光地だから」というのは結構な勘違いだったみたいです。そうか、市民の利用が多いのか。 規模は違っても、中心市街地で買い物が不便とか高齢者が多いとかの特徴は盛岡も同じ。 ただ、道路幅が圧倒的に違うからなぁ…というのはあります。 そのまんま盛岡市に導入するというよりは、自家用車に頼ってばかりの都市交通を新たな視点で見直したり、人と人が触れ合うことに重きを置いたビジネスという考え方を見習ったりするという点で、今回の視察は大変刺激になりました。 特に、代表の栗田さんがとても素敵な人で。 こんな風に、素直に真っ直ぐなことをやって地域貢献できるんだなぁというのも感動した点です。 あ、でも、盛岡でベロタクシー導入は無理だ、と言っているわけではありません。今回お話を聞いて、小規模ではあるけれど、二次交通の選択肢の一つには入るかもしれないと思いました。 |
|||
いせ志穂 ■トップページへ■トピックス一覧 |