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産業環境常任委員会視察報告

2009.10.06〜10.08
松本市・高崎市・目黒区

クラインガルテン(滞在型市民農園)事業 <松本市>

2009.10.06 
松本市 四賀支所ゆうきの里づくり課 

1.資料








信州松本四賀クラインガルテン・信州(長野県)の市民農園
交流居住のすすめ(四賀)
交流居住のすすめ(奈川)

2.説明


四賀地区は2年前に松本市と合併した人口5500人、世帯数2000件の地域。
クラインガルテンとはドイツ語で「小さな庭」の意で滞在型市民農園。
市民農園を拡大したような感じのものと考えて良い。
遊休農地をどうするかという課題から、当時の村長が導入した。
村長は欧州視察でこのような施設を見て、心に留めていたらしい。
また、当時、鶏糞から作った肥料を利用した有機農法を進めるという考え方があった。
(村長が養鶏を営んでいた)

松本市では四賀と奈川の2地区でやっている。
四賀地区では、坊主山と緑が丘という2つのクラインガルテンがある。
投資金額は、坊主山が6億2000万円(国庫補助1/2)、緑が丘が8億6000万円(国庫補助1/2)。
自主財源としては過疎債が使えたのでそれを使った。
ラウベ(農園付属の宿泊が出来る小屋)の建築額は一棟あたり600万円くらいだと思う。
(土地は賃貸)
土地利用は平成2年の市民農園方施工促進法に則って農地のままでの利用可。
(ラウベは休憩所扱い)。
130区画が毎年全部埋まっている。
この事業での年間収入は5520万円。
昨年度は、経費・償還金、建て替えを考えての積立金約1000万円など引いても228万円の黒字。
ここ数年間は200万円くらいの黒字が続いている。
こまめな改修が必要。一番傷むのはデッキ。日に当たるので。
坊主山は毎年10棟位改修している。これに5〜600万円かかっている。
来年で坊主山の改修は一区切り。
緑が丘がどれだけかかるのか、が今後の検討課題。
全面建て替えまでにいくら積立金が作れるのか考えると、黒字でも安心していられない。

利用者の90%が県外在住(関東圏64%、中京圏14%、関西圏12%)。
競争率は2〜3倍。
お試しとしてゲストハウスへの宿泊が出来る。
この利用は夏が圧倒的に多い(30件/8月)
利用者決定の際には直接面接を行う。
継続更新をする利用者が多く、入れ替わるのは15人前後。
利用者が定住してくれる事を期待していたが、そういう方は今のところ一名だけ。
利用者の多くは「定年後農業をしたい」という人たち。。
熱心な方は松本に滞在する期間の方が自宅にいるより長いという方もいる。
作っている作物で人気があるのはそばとか。
クラインガルテンの耕地はとても狭いので、地元の方の土地を借りて一緒に作っている方もある。

利用者(ガルデナー)がどれだけ滞在しているかは調べていない。
ただし地元の方との交流は活発に行われていると思う。
過疎のせいで一度途絶えていた地域のお祭りが、入居者と一緒に復活したという例もある。
松本市の遊休荒廃農地の60%が四賀地区にある。700筆というとてつもなく多い規模。
過疎が進む理由は、この地区の耕作規模が小さいこと。
それと同時に、猪・熊などの鳥獣被害がとても多く、その対策に費用がかかることがある。
遊休耕地の増加によって、地域の方からはクラインガルテンをもっと造ってくれという要求が大きい。
しかし、財政が厳しい市としては、経費や維持費の面から見合わせていただきたいという回答。

四賀村づくり株式会社(役場退職者を中心にした第3セクター)による指定管理で行っている。
鶏糞の有機肥料を作っている有機センターもそうだが、建設の際に市が運営するということで市民と覚え書きを交わしたので、経営形態をこれ以上変更する予定はない。

3.現地写真



4.私の感想


現地視察を行ったが、駐車場に停まっていた車のナンバーが凄かった。
多摩、多摩、横浜、大阪、大宮。(!!!!!)
東京や名古屋からは高速道路利用で三時間強かかるそう。もっと近所にこういう施設はありそうなモンなんだけど、此処を選んだのはやはり「信州」っていうブランドの力なんだろうと思う。
施設は写真の通り快適でおしゃれ。
中に入ると木の香りがして、とっても感じが良かった。
ただ、このまま盛岡でやれるかって言えば「そうじゃないだろう」って思います。
こう言っちゃなんだけど、多摩に暮らしていたらこういう処に来たくなる理由、解るもの。夏に涼しいだろうし。
盛岡の商圏って言ったら「仙台」なのかも知れないけど、仙台には緑があるもんなぁ。
長野って地の利を活かした商売やってるな、と思いました。
あたしたちももっと頭を使わないと…

地産地消の取り組み <高崎市>

2009.10.07
高崎市 農政政策課

1.資料


計画書(高崎市地産地消推進計画)1ページ PDF
計画書(高崎市地産地消推進計画)10ページ PDF

計画書(高崎市地産地消推進計画)18ページ PDF




高崎市地産地消推進計画(全文)

2.説明

農業生産額は盛岡市と同規模。
遊休農地 656ヘクタール。

高崎市特別栽培認証制度で認証された、化学合成農薬、化学肥料双方を慣行の5割以上減らして栽培された農産物には「だるまマーク」を付けている。対象産物は米、青梗菜、玉葱、ブロッコリー、ほうれん草、トマトの6品目。
また、特別栽培の米、ゴロピカリは60sにつき市が2000円の上乗せをして推奨。

地産地消の取り組みのために「地産地消推進計画」を策定。
06年に「地産地消推進委員会」を7回開催した。
委員は無償で委員会にかかった経費は8万円のみ。
「地産地消推進計画」は同時に策定された「食育推進計画」と共に「農業振興計画」の根底をなすもの。

この「地産地消推進委員会」はその後「地産地消推進会議」と形を変え、提言しながら何かをする会となった。(年2回開催 無報酬)これがその後の地産地消の取り組みの広がりを作っていった。
例えば、
@生産者団体が出品して、NPO(8団体位)が定期的に市を開催
 庭先市、商店前市(朝市、昼市)
 昼市は高崎大学の経済学部の人たちが企画して露天市をやっている
A水産業者が規格外品を原材料にお総菜屋さんを開業(完熟屋さん)

市が行っているのは、交流をする場所・機会の提供。
地産地消の推進は市民・消費者の理解が必要なので、交流機会や産地情報発信、地元野菜が食べられるお店を作っていくことに力を入れている。
例えば、
@農業体験バスツアー(有料)
A食農教育授業として、生産者が子どもの前で講義。その後、調理して一緒に食べる
Bラジオ高崎で15分間の「生産者にインタビュー」番組を放送
Cアンテナショップの計画もあり

「売れる農業」を作らなければならないと考えている。
しかし、それは個々の経営体だけでは難しい。
集落営農による集合化、小規模農業の法人化や協業化のモデル事業をやっている。
「野菜王国復活プロジェクト」として、市の補助金を県の補助金に上乗せして端境期をなくす生産を推奨している。なす、白菜などが対象。事業主体はJA。
小規模農家が多いので、観光農業の受け入れが出来る様な、農業地域の組織化が課題だと考えている。

県内で流通する3割の野菜が高崎産。
しかし、高崎地方卸売市場での高崎産野菜は4割しかない。
地方卸売市場への出荷を推奨。

3.私の感想

地産地消推進委員会が転がって行って、自主的に様々な取り組みが行われていくお話は非常に興味深かった。
しかし、高崎市の農政政策課は「営業」に努力しているなぁ、と思いました。市の開催などへの働きかけが意識的だし、やはり「売れる農業」を意識しているところが大きいのかもしれません。大消費地が近いっていうところもあるのかな。
あ、あと、生産者が行う産直っていうのは、こっちはあまりないのね。ほとんどの施策がJA中心でやっているので、ちょっとびっくりしました。

太陽光発電システム導入補助制度 <高崎市>

2009.10.07
高崎市 環境政策課
1.資料




高崎市太陽光発電システム導入補助制度

2.説明

群馬県も補助あり。キロワット当たり3.5万円で上限は10万円。

10%の太陽光発電導入でCO2は年間17,513トン削減(0.82%)。
運輸部門削減目標 33,000トン(1.55%)。
エコライフによる削減目標 49,000トン(2.31%)。

来年度以降も続けていく予定。今年度(初年度)をベースにして予算要望したい。

削減12.4%は当時としては、可能な限り積み上げた高い目標の数字で、当初は実現不可能とも言われた。
法律が出来たので、役所内の事業についてと地域施策の取り組みという両方面でやって行かなきゃならない。
新政権が目標を25%としたので、高崎市の目標も見直しが必要。

太陽光発電に取り組んだ理由は、議会要望と一般の人たちからの要望が大きかったこと。
一般市民の意見を聞くと、太陽光発電は周りに与える影響が大きいとのこと。
売電はメーターが生活に与える影響も大きい。
夏に日照時間が多いと売電が多く出来るけれど「売る電気を少なくしたくないからクーラーを使うのよそう」となるとか。
もう一つの理由は、高崎市は年間日照時間が長いということもある。

3.私の感想

かなり昔(7〜8年前か?)沖縄に視察に行った時「盛岡は日照時間が少ないから太陽光発電は無理かもしれませんね」と言われたことがあります。
今は大分、性能が良くなったそうなんだけれど、やっぱり一件あたり250万円〜350万円っていう設置費用はきついよね、と思います。
まあ、だからこそ補助が必要なんだろうけど。
直接の視察項目ではなかったんだけど、CO2削減のための公共交通施策についてもお聞きしました。それについては日記に書きますね。

地球温暖化地域推進計画 <墨田区>
墨田区地球温暖化防止設備導入助成制度 <墨田区>

2009年10月8日に予定していましたが、台風18号の影響で急遽中止になりました。

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