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20083月定例会 改革の意見

 改革を代表して、意見を述べます。

 サブプライムローン問題に端を発したドル暴落が全世界を脅かしています。日本のアメリカ国債保有残高はシェアにして4割にも達するという説もあり、最悪の場合、日本も未曾有の金融危機に突入し、国民生活が破壊される可能性も生まれています。
 この危機の時代に、「消えた年金」や「道路特定財源の不適切な使用」など、一部の官僚による、亡国の振る舞いが露呈しました。残念ながら政府はこれに対処できていないばかりか、天下りの弊害による税金の無駄遣いを棚上げにしたまま、国家財政の行き詰まりを理由に、後期高齢者保険制度などの国民負担を増やしていく「場当たり的な対応」を繰り返しています。

地方自治法第一条の2に明記されているとおり、地方自治体は「住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うもの」です。その根底にあるのは、優勝劣敗ではなく、共生の思想があったのではないか。
「そうである以上、たとえいかなる危機の時代であっても、その全力を投じて盛岡市民の生活を守らなければならない。そのための地方分権であり、権限委譲である。中核市移行もその流れの中にある」と私たちは考えます。

来年度予算の編成において、市民を守ろうとする意図が見えるでしょうか。
残念ながら私たちはそうと言い切ることが出来ません。無駄な税金の使い方を廃し、公務員の処遇を民間に近づけるという点で、市が進めている行財政改革に賛成をし、協力してきました。しかし、最近では、行財政改革が福祉部門にまで切り捨てに入る懸念を感じています。
それと同時に、自分たちの行政組織のあり方を見直す目線が、若干甘くなっているのではないかとも感じました。例えば、住民福祉が危機に瀕している中で、岩手競馬組合への融資に対する利子を計上しなかったり、下水道の不正使用に対しての予防策がいち早く提案されなかったりすることは、ある意味、信じがたいことです。

私たちが何よりも不安視しているのは、国との距離感です。
現在、国会において道路特定財源の暫定税率延長の是非が審議されていますが、与野党のやり取りから年度内での予算可決は極めて難しい状勢であるにも関わらず、盛岡市の来年度予算案は道路特定財源の組み込みが前提となっています。もし、現在の国会の状況に変化がなく、道路特定財源が期限切れによって廃止した場合、中核市第一日目の4月1日より道路関連予算の空白期間が発生します。新たな飛躍の日に、大きな汚点をつくりかねません。
私たちの会派の幹事長が予算委員会でこの点を質問しましたが、明解な答弁はなく、4月1日以降にこうむる影響をどの様に見とおしているかについても、はっきりとした答えはいただけませんでした。
現在の我が国の仕組みでは、「3割自治」と言われた時代があったように、国の動向が予算執行に大きな影響を与えてしまいます。しかし、だからこそ、私たちは地方自治を切望し、仕組みを変えようと努力してきたのではなかったのでしょうか。たとえ、予算組みは道路特定財源関連を入れて行ったとしても、期限切れ廃止に備えた対応を準備しておくべきです。
まさに今、市民は地方行政の支えを最も必要としています。それなのに盛岡市としての独自の防衛策を考えず、自治をうち出す事ができなかったその姿勢は、まことに残念でなりません。

昨日と同じ明日が来る時代は終わりを告げ、不確実な時代が到来しております。これからは、政治経済情勢の変化によって国の予算組みが大きく変わる可能性は、どんどん大きくなっていくと私たちは考えます。
90年代、盛岡市は国の方針のままに、身の丈を越えた公共事業を行い、市民に多大な負担を与えました。同じ轍を踏んではなりません。
市長に対しては常に国政の情勢を考慮し、盛岡市民にその被害が最小にとどまるような予算編成の姿勢を求めたいと思います。

以上の理由を持って、議案第1号、第9号、第21号、第30号に反対いたします。

議案第54号について述べます。
危険な勤務にあたる職員の手当については、深く考える必要があります。
今まで公務員の手当には、不透明な手当や一般市民に理解されがたい手当というものがありました。危険任務に就く故に手当を支払うのではなく、勤務によって被害を被った場合の補償制度を充実させる方が、市民にとっては公正な方法であると考え、この議案に反対いたします。


以下、具体的な意見を述べます。

 ごく一部の国の公務員による横領行為によって、公務員全体の信用が揺らいでいます。これは市民との協働を進める上で大きな障害になるため、信頼性の回復に全力であたるよう要請します。
 政権党内から「税金の浪費などを行った公務員に対して私財により弁償させることを視野に入れた、公務員個人に対する損害賠償請求制度」創設の声が上がっています。市長はこの制度創設のために努力することを求めます。

市職員の退職時に伴い市の外郭団体へ就職することは、従前から好ましくないという市民の指摘があり、元市長の答弁もそれに沿ったものもあることから、今後改善を求めます。

  3月11日の総務常任委員会において、オーロパーク建設にあたって、盛岡市と岩手競馬組合の間に密約のようなものがあった事をほのめかす発言がありました。これは「県競馬組合事業運営監視委員会」が、昨年8月に提出した「岩手県競馬組合の経営悪化及び累積債務拡大についての検証に関する報告書」には一切触れられていないことです。事の真偽も含めて調査し、調査結果を公表するよう要求します。

職員給与のうち、中学卒業者のみが初任給が前年度比マイナスになっています。少なくとも、前年度同額とすることを求めます。また、現在は中卒での職員の募集をしていませんが、ぜひ募集を行い、その後、高等教育を受けられる機会をつくって欲しいと望みます。

市の財産管理においては、目の届かないまま市有地を無償で使用させることのないよう管理を徹底させてください。また、不正を行った者については使用料の請求をすること。
 
 財産区管理委員会は、合併した玉山区にもありません。時代は変わっていると思われます。廃止の方向も検討されることを求めます。
 
 福祉施設へのAED配置を求めます。
 
 がん対策地域計画が策定されます。それにあわせて市の健康相談業務を充実させるよう要望します。また、市立病院では医療従事者に緩和ケアについての充分な学習を担保するようにしてください。

市立病院では、医師確保・空きベッド解消・健全経営に努める事を求めます。

仮称本宮第二小学校については、10年20年後の人口構成を考えると慎重な対応が望まれます。教育予算を効率的に利用することを目的として、児童の通学距離などを他校と比較検討し、学区の見直しや送迎バスでの対応もご検討ください。

なかの保育園、仮称本宮第二小学校など、新設の予算計上がありますが、施設の有効利用のために、複合的な利用を視野に入れた設計を行うよう望みます。

盛岡市立高校の教育改革が成果を上げていますが、この達成目標年は平成21年ですが、改革の効果を高めるために途中での検証を行うべきです。その情報の公開を求めます。

松園の旧国民年金センターの応札者が二度ともありませんでした。高齢者地域のニーズに応じて市が取得することを求めます。地域住民の反対がある東松園小学校への第二公民館施設整備を休止し、その資金を取得の財源に充当することを求めます。

盛岡南公園の整備について、サッカー・ラグビー・ソフトボールなど数多くの要望があるが、平面的競技が可能であり80mの円を作れる範囲で、排水設備の整った多目的公園広場をご検討ください。

 芸術を楽しむことが出来る人たちを増やしていくことが、芸術文化活動の裾野を広げていく事に繋がります。文化振興事業団を初めとして、市民の芸術活動を支える団体への支援に力を入れてください。
 また、それと同時に、アウトリーチやまちかど美術館のような、市民が芸術に触れる機会を増やす試みに取り組むよう指導される事を期待します。

 市役所が使っている封筒には、リサイクル率100%、つまり古紙100%の再生紙であることが表示されているが、実態は古紙使用40%の封筒であり、これが偽りであったことが明らかになりました。偽りの表示を止めるか、正確な数値を印刷したものを使うべきです。
 また、これまで、偽装リサイクル用紙を使っていたことを広報などで市民に知らせるべきです。

古紙が回収された後、多くは中国などの外国に売り渡されています。グローバル的視点から言えば、効果があるものの、本来、日本で再生されるリサイクルシステムを作るべきです。今後、全国的に取り組むよう、国に働きかけてください。

旧盛岡市地域での生ゴミ分別がされていません。ごく一部の地域で、モデル事業として実施しているものの、多額の費用がかかっています。生ゴミの分別と堆肥化を盛岡市全域で行えるような施策を行ってください。

 民間が所有する歴史的建造物の解体について、情報を得た時点での市民への公開を求めます。たとえ市が取得することが困難であったとしても、様々な分野の人たちの知恵を借りることによって前向きな解決に至ることは不可能ではありません。それがないままに、市の意向のみによって歴史的建造物の存廃を決定することがないよう、配慮してください。

企業誘致には、本県出身者をはじめ、情報提供者への報奨制度の創設もご検討ください。徹底した取り組みと、市長自らのトップ営業を強く求めます。

農業委員会の経費削減を求めます。また、旧農地を積極的に活用する方法を考慮してください。あわせて、教育的観点からの農地利用については、積極的な開放を要請します。

市庁舎を初め、多くの施設がハートビル法に適合していません。市民が安心して暮らせるよう、法の厳守と学校等を含め施設の耐震についても法に適合するよう、早期改善を求めます。

70年も前に都市計画決定した道路の整備、および狭隘道路の整備に万全を望みます。

2月、長期間にわたる下水道の不正使用が発見されました。今後は大幅な使用量の増減など、不思議に感じる点があった場合、早めの調査を行うよう要請します。また、企業間の公正を確保するために、今回の不正使用に関しては、厳重な調査を行い適切な過料を科するようにしてください。


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