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20079月定例会 一般質問

2007.9.19 いせ志穂
音声の形式はmp3
1. NPOとの協働、市民参加条例・協働条例について   音声質問
@NPOとの協働について、その検証
【今までの取り組みへの市長の評価】 

はじめに、市民参加・市民協働について質問いたします。
最初にお断りをしておきますが、今回の質問の中でのNPOとは、NPO法人のみならず、公共的な活動をしている任意の団体、すなわち広義のNPOを指しておりますのでご了承ください。
まず、協働のまちづくりについて市長の総括をお聞きします。
市長は改選後、盛岡タイムスのインタビューで、パブリック・インボルブメントや市民協働フォーラムなどは、まだ浸透度が低いかもしれない、と発言されています。また、職員に対して、協働の意識をもっと高揚させていく必要がある、とも仰られました。市民起点の行政・市民協働のまちづくりの推進は、総合計画の基本構想にも取り入れられた市長の主たる政策であるからこそ、市民への浸透度が低く、職員の意識をさらに高揚させていかなければならない状況にとどまっているのかその理由を明らかにしなければならないと考えます。
はじめにこの点について、市長の評価・反省についてお聞かせください。

【今までのやり方の検証】
私にとっても、市民参加・市民参画の推進は大きなテーマの一つでございます。盛岡の市民協働の取り組みに広がりがないとすれば、その理由は、新しい取り組みに対して慎重になる盛岡市民の気質のせいではなく、協働の取り組みを進める際の制度の不備に起因するところが大きいと私は考えております。今回の質問の中で、盛岡市がこの間行ってきた協働の取り組みの全体像を把握し、その経験が盛岡の行政にどのようにどのように蓄積され、それによって行政がどのように変化したのかを、私自身も検証したいと思います。
まず、この4年間で行った市民協働の取り組みの件数を教えてください。取り組んでいる部署に偏りがあるのかどうかも知りたいので、部や課毎の件数もお知らせください。
その取り組みをNPOとの協働事業として採択した理由はどのようなものでしょうか。要項や規則のようなものがありますか。各部署を横断しての採択基準や取り決めについてお示しください。
事業終了後に、評価・反省はどのように行っていますか。盛岡タイムスのインタビューで市長が話されていた『中津川の市民イベント』というのは、たぶん『中津川めぐみ感謝祭』のことだと思いますが、それを例に挙げてご説明いただいて結構です。評価・反省の後には今後の改善点を検討したと思いますが、それはどのようなものであったかも合わせてお聞かせください。
NPOとの協働事業の企画・運営・評価・反省、そして経験の蓄積を行い、それを職員、あるいは様々なNPOに還元していくのは、一体どこの部署が行っているのでしょうか。特に経験の共有はどのような手法で行っていますか。

NPOからの声とそれへの対処】
今回の質問にあたって、盛岡市との協働事業を行った事のあるいく人かの方にお話をお聞きしました。誤解を避けるために最初にお断りしておきますが、お会いした方々は「事業を通じて担当者との間には良好な信頼関係を築くことができた」という認識をお持ちでした。その信頼関係を前提としたうえで、盛岡市との協働事業について、とまどった事や疑問、改善点を伺いました。いくつか象徴的なものをご紹介いたします。

・担当者がとても良い人だった。もし担当が別の人であったら同じ様な関係を築けるのかどうかは解らない
・充分公共性があるが、市がまだ取り組んでいない事業を市との協働にしていくための方法が解らない。または、個人的な行政とのつながりのみに頼っている
・提案型の事業と委託事業の両方に係わったが、明らかにやり方が違った。考えてみれば当然のことであるが、官民とも最初からその違いを認識していれば、もっと効率的だったと思う
・委託事業や指定管理者などで、その団体が採択された理由がよく解らず疑問に思ったことがある
・NPOと市の役割分担が解らない、許認可や事業費のことだけではなく、もっと事業の中身で協働できないだろうか。今のやり方では、NPOと担当者の間に『線の関係』しか出来ない様な気がする。これを『面の関係』にしていくために、NPO同士や担当以外の市職員とも情報交換が出来るようNPO活動センターなどを設置して欲しい
さて、行政でも類似する意見をお聞きになったことがあると思いますが、この様な疑問や意見をどう処理してきたのかお答えください。

A条例の必要性について
【市民参加条例、市民協働条例の必要性】

先ほど制度の不備が協働の取り組みを阻害していると発言いたしました。この制度の不備とは官民協働を進める際のルールが明文化されていないことです。市長が協働のまちづくりを推進されるのであれば、市民参加条例と市民協働条例という2つの条例を制定されるべきであると私は考えます。市民参加条例とは、政策などの立案を行うにあたって、複数の市民参加手続きの実施を義務づけるもので、県内では紫波町と宮古市が策定の方向で検討しています。盛岡市では、市の条例や計画などの素案作成段階からの市民参加、いわゆるパブリックインボルブメントや、それらの素案を決定前に公表し市民意見を求めるパブリックコメントなど、すでにいくつかの市民参加手続きを実施しております。これらを整理し、担当課によるばらつきを防ぎ、職員の交代があったとしても均一の市民参加を保障する必要があるのではないでしょうか。
市民協働条例とは、協働の理念をNPOと行政が共有し、そのルールを定めるものです。協働事業を行う際にNPOを行政がバックアップする事を担保すると同時に、行政がNPOを『安価な下請け』として利用することを防止し、委託や補助・助成を透明化していくことは、協働のまちづくりには不可欠のことと思います。この2つの条例に対する市長のお考えをお聞かせください。

【自治基本条例への考え方】
合わせまして、5年前から繰り返し質問をしてきておりますが、自治基本条例に関してもお聞きしたいと思います。この5年間に国内では実に多くの自治体が同条例を策定し、県内でも宮古市でさる7月2日に公布されました。また、花巻市や奥州市でも来年3月議会提案に向けて市民参加で検討中とのことです。
3年前の12月議会で、副市長から「こういう形の住民参加、住民主権の条例というものがいいのではないかという確固としたものが固まっていない」というご答弁を戴きましたが、あの時からは状況が大きく変化いたしました。宮古市自治基本条例への評価と同条例制定に対する現在の盛岡市の見解をお聞かせください。


市長・市民部長・市長公室長答弁  音声答弁

[市長答弁]

伊勢志穂議員のご質問にお答え申し上げます。
はじめに,脇働のまちづくりの取組みへの評価についてでありますが,私は,就任以来「市民起点のまちづくり」を掲げ,市民と行政の新しい関係を構築するため,今まで取り組んでまいったところでございます。
しかしながら,市民が要望し,行政がそれに応えるといった従来からの市民と行政の関係が長年続いてきたことから,行政と市民が,お互いを対等なパートナニと認め,課題解決に向けて一緒に取り組むといった協働の考え方が実践を通じて浸透するには,時間がかかると実感しているところでございます。
市では協働講座やフォーラムの開催など脇働推進のため各種事業を推進しておりますが,行政側から一方的に協働推進を急ぎますよりは,まずは,協働の環境を醸成することを中心に取り組んでいるところであります。また,その成果といたしましては,市の協働事業の件数や市内に事務所を置く
NPO法人の数は確実に増加してきてこおり,「市民起点に立った協働のまちづくり」は着実に浸透してるものと認識しているところでございます。

また,パブリック・コメントや本年4月に新たに立ち上げました「パブリック・インボルブメント制度」により市民参画のまちづくりを推進しており,今後,市民参加の機会を拡充し,市民が市民参画を経験しながら,市政に対する関心を更に高めていただくとともに,職員研修などを重ね,職員の意識の高揚に努める必要があるものと考えております。

 次に,市民参加条例,市民協働条例の必要性についてでありますが,市では,市民参加や協働につきましては,全国での取組みの成果も見ながら,様々な手法やシステムを導入し,実践して取り組んでいく中で浸透し,定着してくるものと考えております。 このため市では,協働の環境を醸成しながら実践を押し進めているところでございますが,その中で盛岡にあった手法やシステムが見えてくるものと存じております。
また,協働を進める際のルールにつきましても,平成
16年度「NPO活動促進のための基本方針」を策定し,周知徹底を図っているところでございます。


なお,その他のご質問に対しましては,教育長及び担当部長からお答え申し上げます。

[市民部長答弁]


次に,NPOの協働について4年間で行った市民協働の取り組みの件数ですが,平成16年度実績で1127課で133件,17年度実績で1131157件,18年度実績で1435176件となっております。今年度につきましては,計画では1332168件となっておりますが,18年度実績も計画ベースでの,158件を上回っておりますので,今年度も,18年度実績を上回る件数となるものと思われます。

次に,協働事業の採択基準でございますが,平成16年度に「NPOとの協働を進めるためのガイドライン」を策定し,協働事業を採択するための判断基準を詳細に定めているところでございます。

次に,経験の共有についてですが,公募型協働推進事業で実施した協働事業につきまして,翌年度職員向けに事業報告会を行っているところでございます。

次にNPOとの協働事業終了後の評価・反省と今後の改善点についてでありますが、例として挙げられました「もりおか中津川めぐみ感謝祭」は,これまで多くの市民団体が様々な活動に取り組んでいたものをネットワーク化し、地域再生の原動力として、より大きな力に結集することにより、快適な居住環境の形成やまちなか観光の振興に寄与することを目的として、平成17年度に実施されたものであります。この事業の実施により、市民団体と企業や経済団体、学校などとの協力関係が構築されたほか、新たなNP0法人が設立され、地域通貨の導入など新たな事業展開につながったことから、市民協働の先進例として高く評価されたものと考えております。

次に,協働事業の企画等の蓄積についてでございますが,協働は,あくまでも問題解決のための1つの手法でございますので,その企画・運営・評価・反省等は,問題の種類によりそれぞれの担当課で行われておりますし,その情報の公表等につきましては,協働事業に限らず,行政評価システムで行われ,ホームページ等で公開されております。なお,協働についての総合的な窓口や,協働の進め方についての相談,協働に関する情報提供は,市民部の市民活動推進課において行っております。

次に,NPOからの声とそれへの対応についてですが,協働をはばむ要因としては,「NPOと行政の相互理解の不足」と「〔協働〕という仕組みへの理解不足」の2点が必ず挙げられます。このため,市ではこれらの問題を解消するためには,まず市の職員が,ごれらのことを理解することが大事と考え,市民協働研究の第一人者であるせんだい・みやぎNPOセンター代表理事の加藤哲夫講師をお招きし,市の幹部職負から一般職員を対象に,市民協働についての研修を昨年度から延べ4回開催するなど,職員の協働に対する意識改革を徹底して行っているところでございます。

NP0の皆様からの意見は市民協働フォーラムや各種事業のアンケートから十分承知しておりますが,これらの研修等により市職員のNPOや協働に対する理解が浸透していけば,自然と現在寄せられている市民の皆様の協働についての疑問等は解消されていくものと考えております。

また,市やNPO同士の情報交換の場につきましては,以前から要望が寄せられておりましたことから,昨年度企画提案方式でNPOから事業を公募し,選考委員会において採択された事業で「NPOガイドブック」を作成すると共に,今年の1月には,「もりおかNP0連絡協議会」を立ち上げ,71団体の参加を得ながら,情報の共有を図り,問題解決に努めてきたところでございます。

[市長公室長答弁]

宮古市自治基本条例への評価と同条例制定に対する現在の市の考え方についてでありますが,同条例は,宮古市の最高規範として,まちづくりの基本原則を示したものと認識しております。同条例に謳われております,まちづくりへの参画と協働や,公正で透明性の高い開かれた市政運営などにつきましては,本市におきましても,議会の議決をいただいております盛岡市総合計画の基本構想において行政経営の理念としておりますことから,これを条例として制定することの必要性を含め,引き続き研究してまいりたいと存じます。 


  

2. 雇用問題について 音声質問

@庁内の非正規雇用の扱いについて
二つ目のテーマに移ります。雇用問題についてお聞きします。
まず、盛岡市における非正規雇用者の賃金についてお聞きします。3月議会の答弁では「地方公務員法の給与決定の原則に基づいて定められており、妥当である」とのお答えでしたが、この地方公務員の給与決定の原則について、その根拠も含めて詳しくお知らせください。私が知る限りにおいては、1996年の丸子警報機事件の判例で「非正規雇用者の賃金が正社員の8割以下となるときは違法」とされましたが、2002年7月の厚生労働省、雇用均等・児童家庭局設置のパートタイム研究会最終報告において「パートが納得できるとかんがえている水準は正社員の約8割が平均値」と明記されております。ここから考えると、非正規雇用職員の給与は、最低でも正規職員の8割を基準に支給されるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

A障がい者の雇用対策について
【法定雇用率】

次に雇用対策についてお聞きします。
障がい者の雇用対策についてお聞きします。
障害者自立支援法には5つのポイントがあり、その1つが就労支援の抜本的強化であることは言うまでもありません。障がい者の法定雇用率は2.1%ですが、昨年の盛岡市では1.35%でした。今年の雇用率及び実数をお示しください。また、雇用率の推移を知りたいのでむこう5年間の盛岡市における同数字も合わせてお願いいたします。

【障害福祉計画の達成度】
盛岡市障害福祉計画においても雇用機会の拡大を謳っており、障がい者の働きやすい雇用形態の促進、市職員への雇用の拡大など明記されております。盛岡市で法定雇用率が達成されていない場合、その理由をお答えください。ちなみに、この質問は昨年も複数の議員によって行われています。答弁当時からどこをどのように改善したのか、それでもなお達成できなかったのはなぜか、をお答えいただきたいと思います。
また、障害福祉実地計画においては「平成23年度中に、現在の4倍、16人の障害のある人が、障害福祉施設から一般就労に移行することを目指す」とされています。現在、どの程度達成されているのかお聞きします。

【雇用推進プランとの関係】
先日、障がい者の就労支援に取り組まれている方からお話を聞き、私なりに就労を阻む要因が2つあるような気がしています。1つは、雇用する側が障がい者に慣れていないということです。私も含めてですが、日頃、障がい者に接していない人たちは「障がい者とはこういうものだ」という固定的な見方をしがちです。一緒に仕事をしてみれば何でもない事に対して必要以上の不安を感じたり、仕事が出来ないと決めつけたりしてしまう傾向があるように思います。
これを解決するためには、実際に雇っていただくしかないのですが、とりあえず試用期間としてでも雇用する会社を探していく、つまり営業努力によって協力してくれる企業を開拓していくことが何よりも重要なことと考えます。これは、今までの福祉行政とは大きく異なった仕事です。私はこの様な仕事は、むしろ雇用対策課が担当した方が良いのではないかと思います、いかがでしょうか。2004年9月の産業常任委員会では「雇用推進プランに障がい者雇用が直接含まれていないが、関係者から意見を聞く」旨の答弁を戴いておりますが、その経過と結果も含めてお考えをお聞かせください。

【就労形態の変更】
 障がい者の就労を阻む要因の2つ目は、就労形態です。連続した勤務だと疲れてしまい、続かなくなってしまう人がいるとのことです。しかしこれは、就労を希望する人たちの働く時間を短くしたり、1日、あるいは2日おきの就労形態に変更すれば解決することです。行政などでは工夫次第ですぐ出来ることかと思いますが、いかがお考えでしょうか。

B母子家庭の雇用促進施策について
【母子家庭への雇用対策の実績】

母子家庭の雇用促進についてお聞きします。
児童扶養手当の削減と生活保護家庭への母子加算の段階的廃止が行われましたが、多くの母子家庭の生活が決して楽なものではない事を考えると、国の施策に対して激しい憤りを感じます。盛岡市が母子家庭支援のためにまず出来ることは、働くことが可能な人たちへの就労支援だと思います。その後の母子家庭への雇用対策についてお聞かせください。また、今年度行った施策があれば、その実績について教えてください。

【独自施策の必要性】
母子家庭は、特に子どもの年齢や状況によって、働き方を考慮する必要に迫られている場合があります。例えば、私が以前お話を聞いた方は、子どもが眠っている夜から早朝まで仕事をして朝食時にいったん帰宅、子どもが登校してから下校までまた仕事に行くという生活を行っていました。この様にそれぞれの条件によって働き方を考慮しなければならない事を考えると、母子家庭に配慮した就労支援の必要性を感じます。いかがお考えでしょうか。雇用推進計画の中では特別に触れられておりませんが、盛岡市の施策がありましたらお聞かせください。

C若年層の雇用対策について
【フリーター・ワンコールワーカーの実体】

雇用問題の最後に若年層雇用対策についてお聞きします。
昨年の経済白書によれば、若年層の失業率は他の年齢層よりも高くなっており、非正規雇用者が正規雇用に移行する事も困難になってきております。日雇派遣やフリーターなど、働いても生活に十分な賃金を得られない労働者の実体は明確になっておりません。この様な就労形態が定着することは、本人にとって不幸であるばかりではなく、社会不安の増大につながると思います。盛岡の状況についてお知らせください。特に最近では、フルキャストの違法派遣が問題になっておりますが、盛岡市周辺の派遣業の実体についてはいかがでしょうか。また、これらについて、県などと連携して調査を行う予定はありますでしょうか。お考えをお聞かせください。

【ジョブカフェの検証】
盛岡市でも、雇用推進計画の中に若年者雇用の促進を謳い、ジョブカフェいわてにも今年度予算で約480万円の運営委託金を供出しています。ジョブカフェ設置の考え方に異論を唱えるつもりはありません。しかし、その費用対効果は判断がつきかねる状況です。ジョブカフェいわての今年度の総予算額とその出所をお知らせください。ひょっとしたら、ジョブカフェにかかる予算を進路指導で就労先を開拓している教師、現在は充分な予算が与えられず自費で活動している方もおられるという話ですが、これらの方々にふり充てた方が、フリーターになる原因の一つと言われる初就職でのミスマッチを避けることに大きな成果をもたらすかもしれません。成果の検証が必要だと思います。盛岡市、及びジョブカフェいわての取り組みの成果、特にフリーターに対する就労支援の成果についてをお知らせください。


総務部長・保健福祉部長・商工観光部長答弁  音声答弁

[総務部長答弁]

次に,地方公務員法の給与決定の原則についてでありますが,地方公務員法第24条の規定によりまして,職員の給与は,その一職務と責任に応ずるものでなければならず,また,生計費や国及び他の地方公共団体の職員,民間事業の従事者の給与等を考慮して定められなければならないこととされているものであります。

また,非常勤職員及び臨時職員の報酬又は賃金の額につきましては,職種や職務に応じて,常勤の一般職員の給料表の額を基準に算定しており,他団体の状況や職員の給与の改定に応じて見直しを行っているものであります。

次に,本市の障害者雇用情況についてでありますが,本年
61日現在の障害者実雇用率は1.30%,実雇用人数は28人となっております。また,平成18年度は1.35%で28人,平成17年度は1.35%で27人,平成16年度は1.62%で33人,平成15年度は1.79%で32人となっております。

次に,法定雇用率が達成されていない理由についてでありますが,本市におきましては,毎年,一般の採用試験に加え,身障者を対象とした特別枠の採用試験を実施しておりますが,受験者数が少ないことなどもあって,退職者の補充等が思うように進まないことによるものであります。

こうした状況も踏まえ,本年度から非常勤職員への任用を含めて障害者の雇用を促進することとし,障害者の非常勤職員登録制度を開始いたしました。現在の登録者数は
20人で,このうち内定も含めて2人の方が採用されております。
また,障害者雇用率にはカウントできませんが,臨時職員を採用する際にもこの名簿登録者の中から採用するよう担当課にも働きかけを行っているところであります。

次に,就労形態の変更についてでありますが,障害の程度によっては,フルタイムの就労が困難な方など,それぞれ事情があると思いますが,障害者個々の事情が異なるため,あらかじめ募集要件として示すことは困難でありますことから,非常勤職員登録制度に登録する際にそれぞれの希望する就労条件等をお聞きするなどして,可能な範囲で対応してまいりたいと考えております。

 今後におきましても,こうした取組みを通じまして,障害者の法定雇用率の達成に向けて,市職員として勤務する意欲と能力を備えた障害者の雇用に努めてまいりたいと存じます。

[保健福祉部長答弁]

障害福祉実施計画における「障害福祉施設から一般就労移行について」現在,どの程度達成されているかについてでありますが,目標値であります平成23年度中の16人につきましては,当該年度1年間で一般就労へ移行する人数であり,現在の4倍といいますのは,平成15年度から17年度までの平均4人の4倍ということであります。
平成18年度の実績は,7人が一般就労しており,これまでの平均の175倍となっております。

[商工観光部長答弁]


障害者の雇用についての担当部署につきましては,現在まで,障害福祉担当課と雇用対策担当課がそれぞれ行ってきたところでございます。特にも障害者の方の実態は障害福祉担当課のほうで良く把握しており,また,それぞれの関係機関・団体等もございますことから,今後に付きましても今以上に連携をとり,現在の体制で取り組んでまいりたいと存じます。

次に,平成169月市議会定例会の産業環境常任員会で御答弁申し上げました市雇用推進懇談会で障害関係者からのご意見を伺うことにつきましては,同年11月の懇談会におきまして「障害者雇用について」の議題を設け,障害者関係団体の代表者の方など3名の関係の方から貴重なご意見を伺いました。その後,市雇用推進計画には特に障害者の雇用については盛らなかったものですが,その後の盛岡広域障害者就業・生活支援センターを通しての就労支援などに大きく役立ったものと存じております。

次に,若年層雇用対策についてですが,平成1710月の国勢調査によりますと,本市の15歳から34歳までのいわゆる若年層の就業者は4,5739名,完全失業者は4,509名,また,仕事や家事,通学をしていない人も1,329名おりました。完全失業率は90%で平成12年に比べ,25ポイント高くなっております。

また,若年層の年収等の調査データはありませんが,本年4月から6月での盛岡公共職業安定所管内の中途採用の常用雇用者の採用時の平均月額賃金は20歳から24歳まで男168千円,女153千円となっており,パート求人募集賃金は24歳以下では下限平均時給,これは経験等で時給の幅があり,その低い額の平均ですが,時給732円となっておりますことから,若年のフリーターの方々はこれに近い賃金で働いているものと推察されます。

次に,盛岡市の派遣業の実態についてですが,岩手労働局の労働者派遣事業許可・届出状況によりますと,本年91日現在,盛岡公共職業安定所管内は129事業となって・おり,平成173月末に比べ50を超える事業所が増加しております。また,平成17年度労働者派遣事業報告書集計では岩手県内で実際に派遺された派遣労働者数は3,980人となっております。

次に,違法派遣につきましては,盛岡公共職業安定所から伺いましたところ,問題となるような違法派遣は無いとのことでした。

次に,違法派遣などの調査につきましては,いわゆる労働者派遣法に其づき,県内におきましては岩手労働局が立ち入り検査や指導,改善命令などを行っております。このことから,違法派遣が発生した場合にはその内容等についての情報提供を求めて行きたいと存じますし,市への相談や市民からの情報提供があった場合には,こちらから岩手労働局へ対処をお願いいたしたいと思います。

次に「ジョブカフェいわて」についてですが,本年度は岩手県約158百万円,経済産業省約5千万円,厚生労働省約46百万円,それに本市が約480万円を負担し,総額259百万円の予算で運営いたしております。

またその実績ですが,キャリアカウンセリング,就職適性判断,就職活動情報提供やスキルアップなど若年者への就職・仕事に対する支援を行い,平成167月の開設から平成193月末までの集計は来所者66,354人,登録者26,081人,カウランセリング利用者16,961人,であり就職者は3,055人となっております。
また,雇用のミスマッチを避けるため,高校生には職業選択への自己理解,職業観の醸成,仕事・企業への理解力向上,保護者向けには保護者としての職業理解を図るために講演会の開催や冊子による情報提供を行っております。

特にもフリーター対策といたしまして,就業経験者向けに,同じ目標に向かった者同士が集まり,就業活動のノウハウとスキルアップを図る「ジョブクラブ」事業を本年4月から開始したところでございますので,今後,より一層の成果が期待できるものと存じております。

[保健福祉部長答弁]


次に,母子家庭に配慮した就労支援についてでありますが,子育てと就業の両立ができるよう,保育所への優先入所を行うとともに,就業支援として相談員による相談事業,母子寡婦福祉資金の貸付を行うほか,平成18年度から母子家庭の母親の主体的な能力開発への取り組みを支援する「母子家庭自立支援教育訓練給付金支給事業」を実施しており,18年度は4件の給付,今年度は8月末までに5件の相談があったところであります。

また,市の女性センターでは,シングルマザーの就業を促進する事業を実施しており,今年度の参加者は,就労応援パソコン講座60人,就労応援フェアー120人,資格取得を目指すパソコン講座は20人が受講し,このうち8人が実務能力を証明する資格を取得しております。

一方,本年5月からは,盛岡公共職業安定所が市内菜園にマザーズサロンを開設し,子どもと一緒でも来所しやすい環境の中で,再就職したい方への求人情報の提供や職業相談を実施しております。7月末までの実績は,登録者が570人,相談件数が655件,就職紹介が239件で,就職に結びっいたのが79人,このうち母子家庭の母親が約1割と伺ってます。

今後とも,さらに母子家庭に配慮した就労支援を推進する必要があると考えており,公共職業安定所と連携して,個々の希望や事情に対応した自立支援プログラムを策定し,就職等のサポートを行う「母子自立支援プログラム策定事業」や看護師等の養成機関で修業中に一定の生活資金を支給する「高等技能訓練促進事業」等の導入について,検討してまいります。


3. 交通施策について 音声質問
@総合交通計画
【交通手段分担率の数値目標】

三つ目のテーマである交通施策について質問します。
7月に盛岡市総合交通計画(案)がまとまりました。今まで私は道路の大規模化が必ずしも渋滞緩和には結びつかない、という考え方から、2環状6放射の道路計画を見直すこと、バスなどの公共交通や自転車利用の促進のため、ハード・ソフト面の整備を要望して参りましたが、今回の計画案は、自動車への依存を助長する可能性が高い道路拡張ではなく、複数の手段を組み合わせながら安全でスムーズ、そして環境に考慮した交通を目指しているという点で、大きく評価するものです。社会実験やワークショップを積み重ねながら計画案を作り上げた担当職員の皆様に敬意を表します。
自家用車の抑制に関わっていくつかお聞きします。
ある移動手段、例えば自家用車であるとかバスであるとか、の利用が、全体の移動手段に占める割合、いわゆる交通手段分担率の数値目標を明記し、施策の検証に使うべきだと考えますが、これについてはいかがお考えでしょうか。
具体的な数値についてもお考えがありましたらお知らせください。

【自転車走行レーンの設置】
自家用車から自転車への乗り換えを促進するために2つの提案があります。1つは自転車レーンの設置です。これは、国土交通省、警察、岩手県でもそろって有効性を指摘しており、設置に踏み切るべきだと思います。盛岡市で自転車が集中する場所は、
@館坂交差点から夕顔瀬橋を通り、市役所・バスセンターのライン
A三高から岩手大学の東側を通り、本町までのライン
B明治橋周辺の3カ所となっています。
この中で、館坂橋から市役所間では道路空間の再分配により自転車レーンが設置可能と思います。また、それ以外の2箇所についても、簡易舗装で結構ですから路側帯を歩道までフラットにしていただければ、自転車走行の安全性が高まり、スムーズな運行が出来ると思います。この提案についてご意見をお聞かせください。

【通勤手当優遇制度】
2つ目は通勤手当についてです。名古屋市では2001年から、距離に応じて自転車通勤の通勤手当を最大でそれまでの2倍に増額し、自家用車通勤を半額にしています。その結果、2003年には自転車通勤者が2000年の50%増え、自家用車通勤は約25%減るという効果を得ました。盛岡市での実施を検討すべきと思いますがいかがでしょうか。

A自転車条例
自転車の利用環境の整備及び利用促進に関する条例、及び利用促進計画についてお聞きします。
以下について、可能な限り数値目標を入れた上で盛り込んで戴きたいのですがお考えをお聞かせください。
・自転車が加害者になった場合の賠償保険への加入を含む自転車利用者の管理、点検義務の明示すること
・自転車促進のための行政、事業主、市民の役割を明確にすると共に、自転車利用者は未成年も多いことから保護者の役割を明記すること
・道路交通法と自転車の安全走行について、学校で教えることを義務化すること。また、その教育がおざなりにならないよう、教育内容を行政が担保すること
・鉄道各社に対して駅への駐輪場の設置を義務化すること
・大規模店舗などの事業主に対して従業員や来客のための駐輪場設置を義務化すること。
それ以外の事業主には努力義務とすること


総務部長・建設部長答弁  音声答弁

[総務部長答弁]

次に,自転車通勤の通勤手当優遇制度についてでありますが,職員の給与につきましては,地方公務員法の給与決定の原則に基づいて定められており,通勤手当につきましても,その支給の趣旨に沿って,国や他の地方公共団体との均衡等を勘案して定められるべきものと存じます。

[建設部長答弁]

交通施策についてのご質問ですが,まず,総合交通計画に交通手段分担率の数値目標を明記し施策の検証に使うべきとのことについてでありますが,交通手段分担率の数値目標は,市総合計画実施計画において位置付けており,平成26年度の目標値として,自動車50.1%,バス7.6%,鉄道3.4%,徒歩・自転車等39%と設定しております。今後,総合交通計画における具体的施策の展開を踏まえながら検証を行なって参りたいと存じます。

次に,自転車が集中する場所への道路空間再配分による自転車レーンの設置や路側帯のフラット化による安全性向上のご提案についてでありますが,自転車レーン設置につきましては,現在,NPOによる社会実験を実施しておるところでございます。また,市におきましても総合交通計画を踏まえ,来年度から具体的な自転車走行環境向上施策の検討を行う予定しておりますことから,ご提案の事項も含めて検討して参りたいと存じます。

次に,自転車条例についてでありますが,今回の自転車条例につきましては,自転車の利用促進と安全に関する総括的な条例であり,行政や市民の機運を高める性格を持つものでありますことから,具体的数値目標等につきましては,条例をうけて,別の段階で設定することを検討して参りたいと存じます。

また,ご提案のあった項目につきましては,条例案の検討の中で,その趣旨も含めて検討して参りたいと存じます。
以上でございます。


4. DVについて 音声質問
【現状】

四つ目のテーマはDV防止の施策についてです。
昨年、全国のDV相談支援センターでの相談件数は5万8528件、警察が認知したDV被害も1万8000件で、一昨年に比べると8%増加しています。昨年に岩手県のDV相談支援センターに寄せられた相談件数、岩手県警が認知したDV被害の件数を教えてください。また、盛岡市の女性センターにも相談が寄せられていると思います。この件数もお願いいたします。

【基本計画策定、相談支援センター設置】
7月にDV防止法の第二次改正が行われ、市町村に対して基本計画の策定と配偶者暴力相談支援センターの機能を果たすことが努力義務となりました。第一次改正は「市町村は配偶者暴力相談支援センターの機能を果たすことができる」でしたが、今回の改正ではさらに一歩踏み込んだ表現になっています。今回の改正の根拠をどうお考えでしょうか。
盛岡市男女共同参画計画、新なはんプランには、女性に対するあらゆる暴力の根絶が明記されています。ましてや県都であり中核市にならんとしている盛岡市では、DV防止基本計画の策定と配偶者暴力相談支援センターの設置は必須だと感じますが、今後のご予定をお聞きします。


市民部長答弁  音声答弁

次に,DV防止施策についてですが,平成18年度,岩手県の福祉総合相談センターや市内駅西口の男女共同参画センター,並びに各地方振興局に設置している県内12のDV支援センターに寄せられた相談件数は610件で,17年度の364件に比べ67.6%増となっております。
また,岩手県警察本部が,18年に認知したDV相談件数は171件であり,17年の178件に対し,微減となったものの,16年の138件に比べ,19%増となっています。
市の女性センターに寄せられたDVの相談件数は18年度が380件で,うち面接による相談件数は15年度以降横ばいで推移してきております。

次に,本年の配偶者暴力防止法の改正につきましては,被害者の自立支援を含む適切な保護を行うことがより重要となってきていることからであると存じております。

 次に,今回の改正によるDV防止基本計画の策定と「配偶者暴力相談支援センター」の設置につきましては,7月に岩手県が行った改正にかかわる説明会をうけ,現在その関連情報を収集整理しており,今後,関係機関とさらに連携を図りながら庁内での協議を進めることとしております。


5. いじめ対策について 音声質問
最後にいじめ対策について伺います。
 『心の日』についてお聞きしたいと思います。まず、現在の実施状況と効果についてお知らせください。
この中に『学校で心が温まる話を聞く機会を設ける』という取り組みが挙げられていたと思いますが、実際にいじめられた経験を持つ人からお話を伺うことがより効果的ではないかと考えています。いじめ問題では効果を上げているピアカウンセリングにもつながっていく試みだと思いますが、お考えをお聞かせください。


教育長答弁  音声答弁

ご質問にお答えいたします。
「心の日」の実施状況と効果についてでありますが、昨年度の「いじめ問題対策委員会」の提言を受けて創設された「心の日」は、現在市内全学校の教育活動の中に位置づけられ,「校長先生などから,心温まる話を聞く」、「いじめ問題について話し合う」、「一人一人がボランティア活動に取り組む」、「昼休み時間を延長し学級全員と担任が遊ぶ」、「悩みごとや困りごとのアンケート調査を行う」など,学校の状況に応じて様々な取組がなされております。「心の日」は、今年度から実施されたものでありますが、その成果として、現時点では、他人に対しての優しさや思いやりの心が育まれている、仲間から認められることにより自尊感情が高まっている等の、報告もありました。

次に、いじめられた経験のある方から話を伺うことについてでありますが,そのような機会を設けることも、意義あることと考えておりますが、講師の人選の在り方や会のもち方等について検討する必要がありますことから、これから開催される「いじめ問題対策委員会」で伺ってまいりたいと存じております。
以上,私に対するご質問にお答えいたしました。


再質問と答弁(音声)

※お詫びと訂正
DVについての再質問の中で私は「盛岡市では男女参画基本計画が策定されていない」と発言していますが、これは「男女参画基本条例」の誤りです
一回目の質問にあるように、盛岡では「男女参画基本計画」は策定されていますが、再質問の際に言い間違えました。お詫びして訂正いたします。(議事録の訂正も申し入れました)

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