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岩手競馬組合融資案への反対意見

2007.3.15 いせ志穂
 議会改革フォーラムを代表して、議案第51号 平成18年度盛岡市一般会計補正予算(第3号)、議案第63号 盛岡市岩手競馬経営改善推進資金貸付基金条例について、の2議案に賛成できかねる、という立場から意見を述べます。

 今回の岩手競馬への融資案を全員協議会で聞いたとき、私たちは大きな疑問を感じました。それを整理すると、以下の4つにまとめられます。

  1  なぜ、これだけの赤字が放置されてきたのか。特に、多くの批判にさらされた「改訂実行計画」が2年弱の期間にわたり行われ、さらに傷を深める結果になったのはなぜか。
2  責任の所在はどこにあるのか。そして、その責任を取るために、どのような措置がとられるのか
3  競馬組合から構成団体への返済はどのように行われるのか。そもそも、それは可能なのか
4  「県競馬組合改革計画」は妥当なものなのか。つまり、コスト調整で赤字を出さずに経営していけるのか

 2月27日から始まった、今議会での審議に対して、私たちは真摯な思いで取り組んでまいりました。しかし、これらの疑問は深まるばかりです。

今回の競馬組合への融資案は3つの問題点があります。

 一つは、その説明が市民に伝わっていないばかりではなく、説明に一貫性がなく、何が真実なのか解らないことです。
 13日に行われた盛岡市議会総務常任委員会の中で「関係者の話を聞くと、330億融資を受けなければ、400億円相当の補償等が出るのでは」という趣旨の発言があり、また、同日、県議会予算特別委員会では増田知事が、それまでは否定していた1場体制の検討について発言されたと新聞報道などで知りました。これは、どちらも議案説明の際に当局がお話しされたことと異なります。また、11日に岩手県が岩手日報に掲載した意見広告の内容とも、異なっております。議案に対する説明に一貫性がなければ、私たちは採否を決定することができません。この件は議会のみならず市民に対して正確な情報が開示されるべきであったと考えます。

 二つ目は、この融資案によって、競馬事業を存続させたいのか廃止したいのかが解らないことです。この融資案は存続計画にすらなっていません。
 今まで「2500人の雇用や100億円と言われる経済効果、ひいては岩手の馬事文化を守るために競馬事業を存続させなければならない」とご説明をいただいてきました。ならば「来年、赤字だったら年度途中でも廃止する」などという存廃基準は決めるべきではないはずです。毎年、赤字を出していた企業が、営業計画を変更したからといって、数ヶ月で収支がトントンになるなどということは、難しいことです。たとえ融資をしても、事業の未来は限りなく廃止に近く、この融資案は競馬事業の存続を願っている人たちに対して不誠実だと思います。

 3つ目は経営責任が明らかにされていないことです。
現在、民間の経営者は責任を取るために、自分の身をすり減らして経営を行っています。競馬組合のこの巨額の負債について、責任の取り方を具体的にうかがうことはできませんでした。この様な事を続けていけば、行政への不信は高まり、憤りとなっていくだろうと思います。

存廃を真剣に討議するには、あまりにも時間が少なかったです。私たちは、「競馬組合の経営体質がこのままで、経営再建はできない。トップを変えて身軽にして継続したらどうか」など、ご提案さし上げてきました。しかし、競馬の存廃に関して、市民から広く意見を聞くことも、提案が募集されることもありませんでした。

 市民に対してもっと誠実な情報提供をいただきたかったです。情報が二転三転する、今回の議案説明に抗議いたします。
私はこのことに、激しく憤った時もありました。でも今は、ただ、悲しく思います。非常に残念です。

 議案説明がこの様な状態であったため、今回、私どもの採否は、どの情報をとるかという点が違い、異なった結果となりました。しかし、競馬組合が作った多額の債務の責任を曖昧にせず、その責任を果たしていただくという点で、私たちの意見は一致しています。本日、岩手県議会でも水沢市議会でも結果が出ると思いますが、問題は終わったわけではありませんし、私たちは終わりにするつもりもありません。

その他の議案については、我が会派の議員の発言を尊重することを要請した上で、賛成いたします。



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