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議会改革フォーラム代表質問 2007.3

2007.3.6 いせ志穂
T.はじめに

 議会の自主性の確立・議会の情報公開促進・議会経費の見直しを方針として、私たちが議会改革フォーラムを結成してから、もうすぐ4年が経とうとしています。情報交換や共通のテーマでの調査活動を行ってきた事によって、最近、私たちが目指す社会の外郭がおぼろげながら見えてきた気がします。それは一言で言ってしまえば、性別や年齢、収入や資産の額、障害の有無などに関わらず、全ての人が暮らしていける社会であり、自分たちの暮らす場所をよりよいものにしていこうと努力している人たちが報われる社会です。

 しかし現実は、残念ながら、所得格差・資産格差の拡大と共に、教育を受ける機会や雇用条件を改善する機会すら不平等なものに変わりつつあります。格差是正のために、税による所得再配分機能と安全網としての社会保障制度があるのですが、財政危機を理由にした削減が続き、以前より増して困窮に陥っている人たちが増えています。

 私たちは今こそ、地域住民に一番近い仕事をしている市行政が防波堤となることで、市民生活を守らなければならないと感じます。これは必ずしも生活扶助などの給付事業に限定されるものではなく、景気振興策や雇用施策、教育施策などあらゆる側面から安全網を作ることができます。また、これらの施策を実施する財源を作るために、行財政改革を進め、無駄をなくしていかねばなりません。また、行財政構造改革を進めていくことで、さらなる情報公開と市民の行政参画を拡大させ、市民の政治的成熟を進めたいというのが私たちの願いでもあります。
 そのために会は結成から今まで何物も臆することなく活動してきました。盛岡市議会で一番小さく、そして一番新しい会派、議会改革フォーラムを代表して、今期最後の代表質問を行います。
 

U.市長挨拶について

1.重点施策について

(行財政構造改革と行政評価システム)
 はじめに、市長挨拶の中の重点施策に関わるいくつかの質問をいたします。
 まず、行財政構造改革と行政評価システムについてからお聞きします。

 右肩上がりの経済成長の終焉にも関わらず、大量の公共事業による景気回復をもくろんだ国家政策は、借金財政への危機感を失わせ、盛岡市にも大きな損失をつくりました。浮かれた気分を止め、事実を直視したという点において、第一次行財政構造改革を評価するものです。

行政評価システムは行財政構造改革と一緒に盛岡にやってきました。このシステムに文句があるものではありませんが、例えて言えば痒いところに手が届かないようなじれったさを感じるのです。岩手県競馬組合の財政問題に直面して初めて、このじれったさの一端が解ったような気がします。つまり、行政評価システムが評価するものは、何らかの計画にあげられている施策であり、そうでないものに対しては全く無力なのです。

 盛岡市議会議事録を読むと、1995年から断続的に競馬組合の経営改善の必要性が指摘されており、内実を市民に広く知らしめるよう、市当局に対し強く要望されていたこともありました。しかし、それは放置されてきた。二度と同じ轍を踏まないために、行財政構造改革の中で、市が一定の額以上を出資をしている団体全てについての行財政評価を行い、その結果が良きにつけ悪しきにつけ、市民に公開して欲しいと思いますがお考えをお聞かせ下さい。

 「第二次盛岡市行財政構造改革の方針及び実施計画」(案)に関わってお聞きします。
 先に述べましたように、現在国は、格差是正のための政策を急速に縮小させています。

 最低限の生活保障は生活扶助事業で行うものですが、それ以外の生活に関わる部分、例えば交通権や働く権利、教育を受ける権利などは、表面的には保障されている様であっても、自動車を運転できなかったり、障がい児を抱えていたり、初期の段階で躓いた事によって授業がさっぱり解らなかったりした場合、やはりその権利は侵害されているのだと思います。その様なワンクッションおいた外側の保証を整備してきたのが地方行政ではなかったかと思うのです。 行財政構造改革は、その本質として歳出削減の色合いが濃いものです。

市民生活を守るためにの改革と思いますが、やりすぎると「角を矯めて牛を殺す」可能性があります。だからこそ、市民が受け取ることのできる最低線、つまり「ここまでは盛岡市として保障しますよ」というレヴェルを決定し、それ以下に落とさないことを明確にしておく必要を感じます。市長のご見解をお聞かせ下さい。


市長答弁

伊勢志穂議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず,市が一定の額以上を出資している団体全てに行財政評価を行うことについてでありますが,いわゆる出資法人等につきましては,市の出資割合が概ね25%以上かつ出資金額が500万円以上の法人について,法人及び所管課による内部評価を行ったうえで,有識者及び市民からなる行財政構造改革推進会議に第三者評価を実施し,評価結果に対する措置計画と併せて、昨年11月に公表したところであります。

岩手県競馬組合などの一部事務組合等につきましても,同じ地方公共団体として,評価の仕組みを整備し,必要に応じて第三者の監査,評価を受け,結果を公表していくことが望ましいものと考えており,そういった仕組みづくりについて,現状等をお聴きしながら協議してまいりたいと考えております。

次に,行財政構造改革に当たって市が保障す市民生活のレベルについてでありますが,総合計画における施策,基本事業そして各事務事業にはそれぞれ成果指標が設けられ,現状値及び目標値が掲げられているところであり,これによって,市政運営上達成すべき市民生活の水準は,ある程度明確になっているものと考えております。


(みんなで支える子育て支援の展開)
 次に市立保育園の民営化についてお聞きします。
 津志田保育園の民営化について質問いたします。

 市は2008年4月に民営化する計画ですが、1月17日に市長が出席した説明会では、保護者でつくる「津志田保育園民営化の問題を考える会」が計画の凍結を要望し、2月18日には全市的な「市立保育園民営化計画の凍結・撤回を求めるつどい」が開催されています。その後「考える会」のご要望など、何らかの変化があればご報告下さい。

 ウェブもりおかに掲載されている説明会の概要を読むと、保護者の皆さんの民営化に対するご意見はひとつではないようです。が、4月から移行期間に入ることへの慎重論は非常に多く感じましたこの理由をどのようにとらえておられますか。また、多くの方が「保護者の理解が得られない場合でも民営化を強行するのか」という質問をなさっておりますが、それに対して市側は「理解を得られる様に努力する」とのみ答えておられます。この「理解が得られた」というのは、どういう状態の事を指しているのですか。今後も説明会を開催されるご予定と思いますが、参加者が徐々に少なくなってきている理由は何ですか。また、そこから考えられる改善点はどのようなものが考えられますか。

 市立保育園の民営化全般について質問いたします。
市立保育園18園全てを30年あまりの時間をかけて民営化すると聞いておりますが、それだけ長い年月には、保育の必要性も大きく変化することが考えられます。40年前には幼稚園の入園希望者がとても多く、私は幼稚園に補欠入園で入りました。しかし、5年前、つまりその35年後には、多くの幼稚園が定員割れ、廃園も生まれています。民営化計画は将来の子どもの数や市民の生活のあり方に即して作られたものだと思いますが、その根拠となった長期予測をお示し下さい。

また、市長の記者会見でも津志田保育園の説明会でも「市全体の子育て支援の財源確保のために民営化は必要」と発言されており、市長挨拶の中でもいくつか触れられておりますが、5年間にわたる第一次民営化計画による予算削減額と、新設あるいは拡充を計画している支援策の事業名、及び予算の概算をお示し下さい。 

 「盛岡市保育所民営化計画」に謳われている「官と民との役割分担や責任の確保策」についてですが、具体的な役割分担、すなわち、官が何を行い、民が何をおこなうのかをお示し下さい。また、責任の確保策はどのように考えていますか。

 責任確保のためには、現場を知っている市直属の職員が必要ではないかと考えます。たとえば構造計画書を民間の確認検査期間に丸投げできるという法改正が、耐震偽造事件を助長した側面があります。これと同じ様に、直接保育に関わる職員が一人もいないとなれば、その評価基準が揺らぐ可能性があるからです。また、私立保育園の役員に伺った話では、発達障がいなどの境界線にいる子ども達はより多くの援助を必要としており、保育士の加配などが必要であるとのこと。これは「民」の仕事ではなく「官」に所属する責任です。公立保育園全園を民営化するのではなく、必要数を残しておくべきかと思うのですが、お考えをお聞かせ下さい。


市長答弁
次に,市立保育園の民営化についてお答え申し上げます。
まず,「津志田保育園民営化問題を考える会」の要望などの変化についてでありますが,2月24日津志田保育園において,保護者説明会を開催し,保護者,移管先法人,市の三者による話し合いの場を設けることについて,説明申し上げたところでありますが,この席では,「津志田保育園民営化問題を考える会」としての要望は,特には出されなかったところであります。

次に,4月から移行期問に入ることへの慎重論が多い理由についてでありますが,保護者の中には,民営化計画の公表から引継保育が開始されるまでの期間が7ヶ月では短いと感じている方もいるためではないかと認識しております。

また,「理解が得られた」というのは,どういう状態を指しているかについてでありますが,「盛岡市立保育所民営化計画」は,職員が全員代わることによる子どもへの影響などに最大限配慮しつつ,民営化によって生み出される財源を活かし,保育サービスを含めた子育て支援施策全体の充実を図るための政策であるということについて,保護者の方々に受け止めていただいた状態であると思っております。今後,保護者,移管先法人,市の三者による話し合いにおいて,引継保育の実施方法や引継ぎ内容などを確認し合い,津志田保育園の保育内容を引き継ぐ中で,保護者の不安の解消に努めてまいりたいと考えております。

次に,説明会の参加者が徐々に少なくなってきている理由とそこから考えられる改善点についてでありますが,説明会を重ね,丁寧に繰り返し説明することで理解が得られ,参加者が少なくなってきているものと思っております。

また,昨年末から,児童の年齢別による保護者や,一度も説明会に参加されていない保護者を対象として,開催方法などを工夫しながら,説明会を実施しているところであります。

次に,民営化計画の長期予測についてでありますが,保育所民営化につきましては,原則退職者不補充で進めることとしており,中途退職者などを考慮に入れず,正規保育士が定年まで保育所に勤務すると仮定した場合,民営化が完了するまで30年余りの期間を要するものであります。

民営化計画については,保育需要の動向や中途退職者の状況などの不確定要素もあることから,おおむね5年間を単位に,その期間内における実施計画を策定して進めることとしております。

次に,第一次民営化実施計画による予算削減額と新設・拡を計画している事業と予算の概算についてでありますが,平成18年度から22年度までの計画期間における予算削減額は,約6億円と見込んでおります。

今後,この5年間に生み出される財源を活かし,私立保育所施設整備補助の実施や特別保育事業の拡充を図るほか,子育て支援センターの増設や学童保育への支援強化など,子育て支援施策全体の拡充を図ってまいりたいと考えております。

平成19年度は,津志田保育園の修繕の実施,発達支援児保育や休日保育などの特別保育事業の拡充を図るほか,私立児童福祉施設運営費助成事業の拡充などに約4千万円強の財源を充てる予定であります。

次に,官と民との役割分担や責任の確保策についてでありますが,公立保育所と民間保育所は,共にそれぞれの特徴を出し合い,切瑳琢磨しながら,保育の向上に努めておりますが,民間保育所は,長い歴史の変遷を経る中で,障害児保育など先駆的な取組みを含め,既に保育サービスを熟成させており,今日では,保育所の果たす役割については,公立・民間での違いがないと考えております。

従いまして,今後民営化を進める中で,市民が保育サービスを利用しやすく,利用して満足できる仕組みづくりや保育サービスの供給主体から保育サービスに関する基盤整備に重点的に取り組むことが,今後民営化を進める中で,行政の果たしていく役割ではないかと考えております。

責任の確保策としては,安定的・継続的な保育サービスの提供や発達支援児保育の受け入れを促進するための財政支援や,より質の高い保育サービス水準を確保するため,行政指導力の充実・強化を図っていくことが重要であると考えております。

次に,公立保育所全園を民営化するのではなく,必要数を残しておくべきではないのかについてでありますが,保育の分野におきましては,民間がその経験や実績など十分成熟しておりますことから,全園を民営化する判断をしたところでございます。


(工業の振興と雇用の創出)
次に工業の振興と雇用の創出についてお聞きします。

 盛岡市産学官連携研究センターの設置や「仮称」盛岡市ものづくり支援センターの建設は研究開発型起業を促進する可能性を持っており、非常に期待するものです。工業の振興についての総合計画の目標値は製造品出荷額にて示されておりますが、総合計画終了時までに起業する会社を何社と考えておりますか。また、そこでの雇用を何人見込んでいますか。産業支援センターの実績などから目標値を立てることは可能かと思います。研究開発型企業誘致についてもお聞かせ下さい。



市長答弁
次に,総合計画終了時までに起業する会社数についてでございますが,平成13年からこれまでに創業した大学発ベンチャー企業が21社,平成14年の開設以来,産業支援センターにおいて創業した企業が27社の計48社がございます。概ね1年間に8社ほどが創業しておりますので,このペースで起業されるといたしますと総合計画が終了する平成27年度までには72社ほどが起業すると見込まれます。

また,雇用人数についてでございますが,これまで創業した企業の1社あたりの創業時の従業員数が2人程度でございますので,これから72社が起業すると想定しますと,少なくとも全体で140人程度の雇用が見込まれます。

次に,研究開発型企業の誘致見込みと雇用数についてでございますが,研究開発型企業を誘致することとしております盛岡南新都市産業等用地は,現在の企業誘致可能面積が約8,700坪ございます。昨年2月10日に立地協定調印式を行いました産業等用への立地第1号の東北化学薬品株式会社は,敷地面積700坪,計画従業員は18人でございます。東北化学薬品をモデルといたしますと,立地企業数は12社,雇用は1社当たり18人と想定しますと220人ほどとなります。
 

雇用の創出に関わって質問いたします。
 全国的に雇用は上向きであると伝えられています。しかし、ここ数年急速に問題になっているのは求人の数ではなく、その質です。労働者の中に占める非正規雇用者の割合は90年代半ばから急速に増加し、2005年には約3割。企業は非正規雇用者をあくまでも人件費節約と雇用の調整弁としてしか見ておらず、働いても働いても生活が成り立たない、いわゆる「ワーキングプア」と呼ばれる労働者が生まれる事態になっています。盛岡市の非常勤職員・臨時補助員は2月1日現在でそれぞれ261人・408人おり、非正規職員が職員数の21.5%を占めています。

 今年度4月1日現在の一般行政職正規職員の平均給与月額は434,545円、事務嘱託等非常勤職員は最高額で146,600円、事務補助の臨時補助員は日額で計算いたしますので月に21日働いたと仮定すると146,580円です。実に正規職員の給与は非正規職員の約3倍ということになります。加えて、非常勤職員は最長5年までですし、臨時補助員は1年以上連続して勤務することが出来ません。一定の時期が経てば失職することを前提とした労働です。果たしてこれが妥当と言えるのでしょうか。そこでお伺いいたしますが、非正規雇用職員の669人は勤務時間が短いこと、あるいは短期で就労をやめることを望んで、つまりこの様な勤務形態をあえて選んで、盛岡市役所に勤務されたのでしょうか。また、勤務時間以外の仕事の面で正規職員と非正規職員の違いはどこにありますか。その違いはこれだけの賃金格差を必然とするものなのかお伺いいたします

 非常勤職員にせよ、臨時補助員にせよ、市と労働契約を結んで就労しているわけですから、これらの格差は合法です。しかし、先に述べましたように、人間を使い捨てにする非正規雇用形態がこれほど問題になっている現在、市民の奉仕者である市行政がこの様な労働格差を放置していては、民間企業に対して正規雇用を増やすよう要請しても、何ら説得力はありません。労働の内容や責任の大小、残業や配置転換の有無など諸条件の違いがあるのであれば「時給換算で全く同じにするべき」とは思いませんが、現状は格差が甚だしすぎます。市の予算全体に占める人件費の割合は現状のままでも、再配分は可能だと思います。改善を求めるものですが、市長のお考えをお聞かせ下さい。


市長答弁
次に,本市の非常勤職員及び臨時職員についてでありますが,本市の非常勤又は臨時職員を採用する場合には,原則としてハローワークを通じて,職務の内容や任用期間,報酬又は賃金の額,勤務時間等の条件を示して募集を行うこととしております。

応募者の中には,正規雇用を望んでいる方,あるいはフルタイムの就労は困難な方など,それぞれ事情はあると思いますが、募集条件に基づいて市への就労を希望されたものと理解しております。

非常勤及び臨時職員の職務は,事務等の補助や定型的な業務が中心であり,また,その任用にあたっては,常時勤務を要しない職,あるいは職員が育児休業,病気休暇等で一時的に欠員となった場合や業務の繁忙時等に,地方公務員法の規定により,試験や選考によらずに期間を限定して任用できることとされている職でありますことから,その任用条件が正規職員と異なっているものであります。

なお,報酬又は賃金の額につきましては,職種や職務に応iニて,常勤の一般職の給料表を基準に算定しており,他団体の状況や職員の給与の改定に応じて見直しを行っているものであります。

また,職員の給与につきましては,地方公務員法の給与決定の原則に基づいて定められているものであり,今後におきましても適切に対してまいりたいと存じます。


2.平成19年度の主要施策について

(いきいきとして安心できる暮らし)
 さて、07年度の主要施策についてからいくつかの質問をいたします。時間が限られているものですから、アトランダムにご質問差し上げることをお許し下さい。

 市立病院経営改善計画についてお聞きします。来年度から事業管理者が全責任を負い、単年度の収支均衡を目指していくわけですが、地域医療の観点から他の病院と連携をとっていくためにどのような施策をお考えでしょうか。以前から、医大や中央病院などとは連携を行ってきたと思いますが、以前と異なる点はなんですか。私たちは以前から、歯科は民間の開業医を利用するよう提言し、診療科の整理の必要性を訴えてまいりましたが、それについてはどうお考えですか。来年度から産婦人科と小児科が休診となりますが、再開の目処はいつになりますか。産科や小児科の開業医を市立病院の近隣に誘致する事も検討に値すると思いますがいかがでしょうか。


市長答弁
次に,市立病院経営改善計画についてであります。
まず初めに、地域医療の連携についてでありますが、盛岡保健医療圏においては、岩手医大、県立中央病院や盛岡赤十字病などの大規模な病院が集中しており,その大部分が急性期医療を担当し、急性期医療の供給体制は十分に整っているとされております。

しかしながら、一方では、急性期と慢性期の間を担当する体制が不十分との強い指摘がなされております。急性期を担う医療機関は在院日数の制約等により、患者の方々が十分に回復し、全快するまで入院治療を行うことが困難な状況にありますことから、盛岡保健医療圏においては、急性期の次の段階である亜急性期の機能を担う医療機関が必要とされております。

したがって、二次医療圏における医療体制の整備という視点で,市立病院と他病院との連携機能を検討した結果、市立病院は、現在の急性期の患者に加えて,ある程度の入院期間を要する亜急性期の患者の方々を受け入れる役割を積極的に担っていくこととしたものであります。

そのため、病院内に亜急性期病態の紹介患者を受け入れるベッドを36床設置するとともに、また、地域連携室の強化を図ることにより、他の病院とより円滑な連携を図ることとしております。これまで地域医療連携が外来受診を主にしてきたものを、これからは、急性期を脱した亜急性期患者の入院要請に応えることを主眼とし、市立病院の経営改善に向けた大きな柱としているものであります。

次に、市立病院における歯科についてでありますが、単に虫歯の治療をするという観点からではなく、今自注目されている栄養サポートチームの一員として、口腔ケアや、燕下困難者のケアなど、特に、高齢者の医療において重要な位置を占めております。また、市内の歯科医院では担うことが困難な歯周病患者の紹介受け入れや、学術的指導を行う歯科医療機関として、市歯科医師会からも高く評価されており、その存続を強く望まれているところであります。

また、診療科構成の見直しは、病院の経営に大きく影響しますことから、採算性を考慮しながら検討を重ねてきたところであります。

新たにお迎えする管理者の意向を踏まえ、急性期や亜急性期の患者の受け入れに対応した診療科としては、内科、外科、整形外科及び精神科とし、それらをサポートする診療科として、眼科、耳鼻いんこう科、皮膚科、歯科を存続することとし、合併症を有する患者の方々にも対応することとしたものであります。

次に、産婦人科と小児科の休診についてでありますが、これまで、岩手医大の小児科や産婦人科の医局等に対して、医師の派遣や確保を依解してきたとろでありますが、現状におきましては、岩手医大の医局においても医師が十分に確保されていない状況となっております。

また、盛岡保健医療圏における小児科、産婦人科を標榜する病院や、医師の集約化が岩手県及び岩手医大で検討されていると伺っております。

これは、絶対数が少ない医師をいかに効率よく配置するかということであり、このような状況にありましては、市立病院として両診療科を再開することは、非常に難しいと考えております。

次に、小児科や産婦人科の開業医の誘致についてでありますが、現在、市立病院の近隣には、産婦人科や婦人科の診療所等は2か所ほど開業しておりますし、小児科は、昨年、1か所開業しているところであります。


 既に実施されている医療制度改革による変更への対応をお聞きします。医療リハビリが最長6ヶ月と変更になり、たくさんの方々が困っています。リハビリによる快復は個人差があるので、全ての人を同一の期間で終了させることには無理があります。この様な方々がリハビリを続ける方策がないのかお答えください。介護保険を使ったリハビリに切り換えるよう指導された方もいらっしゃるようですが、介護施設ではマッサージなどの医療的リハビリを受けられますか。対応できる施設や職員を増やす必要を感じますが、いかがでしょうか。

また、療養が長期に渡るほど医療点数が低くなる制度をさらに強化したことにより、療養病床を減らす病院が増えるのではないかと思います。盛岡市における将来的な療養病床数予測と、それへの対応をお聞かせ下さい。


市長答弁
次に,医療制度改革による変更への対応についてでありますが,医療リハビリの算定日数上限に関して,継続すれば改善が見込まれる方については,一定期間経過後であっても,医師の判断により継続が可能となっているところであります。

次に,介護保険制度における医療系リハビリサービスについてでありますが,要介護認定者が介護支援専門員の作成したサービス計画に基づき,訪問や通所によるリハビリサービスを介護保険のサービスとして受けられることとなっております。

また,現在,市内での訪問や通所によるリハビリサービスを行う指定事業所数は,121事業所となっており,現時点ではサービス提供事業所や職員の数は充足されているものと存じております。

次に,盛岡市における将来的な療養病床の予測とその対応についてでありますが,現在,国において療養病床再編の基礎データとなる,都道府県が実施した療養病床アンケート調査結果を集計しており,その結果を踏まえ,療養病床に係る参酌標準を示すこととしておりますことから,現時点での岩手県及び盛岡市における療養病床数の予測が困難でありますので,ご理解を賜りたいと存じます。

また,療養病床の再編の基本的な考え方としましては,医療療養病床は医療の必要性の高い患者を受け入れるものに限定し,医療保険で対応することとし,医療の必要性の低い患者については,病院に対し,老人保健施設やケアハウス等の介護保険施設への転換を促すことにより,対応することとしているものであります。


(安全な暮らし)
 防災についてお聞きします。宮城県沖地震がここ20年以内に起きると予測されていますが、災害に対して食料などの備蓄はどうなっていますか。長岡市では新潟県中越地震の経験を元に、災害時の避難所として利用できる機能を備えた給食室などを持つ中学校建設に乗り出すとのことです。現在、盛岡市の中学校給食は、試行する予定である黒石野中学校の保護者が自校式を要望しています。防災という観点から長岡市の様なやり方も出来るかと思いますがいかがでしょうか。


市長答弁
次に,災害に対する食料などの備蓄についてでありますが,地域防災計画に基づき,災害時に最低限必要な生活物資として、アルファー米3万食,毛布2万3,500枚,防災シート690枚,大人用紙おむつ4,000枚を避難所となる学校,地区活動センター,老人福祉センターなどに備蓄しているところであります。

次に,長岡市のように中学校に災害時の給食室などの避難所機能を備えることについてでありますが,当市の地域防災計画では,施設を収容避難場所に指定する場合には,給水や給食を確保できることも必要な要件としているところであります。

防災の観点からの学校給食施設の利用につきましては,既存の小学校給食施設で対応してまいりたいと考えております。

いずれ,災害の教訓から,避難所となる個々の施設が独立して機能を果たせることが望ましいことから,施設の新設や大規模改築等の機会をとらえて,災害に強い施設整備に努めてまいりたいと存じます。


 交通安全の推進についてお聞きします。歩行者と自転車の事故が増えていることをきっかけに、現在、警察庁が道路交通法改正を検討しています。国土交通省と連携して自転車走行帯の整備を進める、文部科学省と連携して学校での交通教育を充実させる、という方向にまとまりつつあるようです。盛岡市の見解をお聞かせ下さい。また、盛岡市が実施している交通教育の現況をどう評価されておりますか。特に自転車の法規周知にどの程度寄与しているとお考えでしょうか。また、感じている改善点があればお聞かせ下さい。


市長答弁

次に、交通安全の推進についてのご質問でございますが、警察庁が検討している道路交通法改正は、悪質・危険運転者対策の推進、高齢運転者対策の推進、自転車利用者対策の推進、被害軽減対策の推進などを主な内容とし、現在、改正試案に対する意見を広く国民から求めるためパブリックコメントを実施し、改正作業を進めている状況であると承知しております。

改正内容には、自転車の通行区分の明確化が含まれておりますが、自転車は日常生活における便利な交通手段として幅広く利用されている一方で、自転車と自動車、自転車と歩行者との交通事故が多発している状況がございますことから、市といたしましては、交通安全面に配慮した自転車利用の促進が図られるような法改正が望ましいものと考えておりますし、飲酒運転に対する罰則の強化や高齢者ドライバ一対策なども盛り込まれておりますので、今後の法改正の動向を注視してまいりたいと存じております。

次に、市が実施している交通教育の評価でございますが、交通安全教室につきましては、昨年度、市内の小中学校や町内会、老人クラブ等におきまして、年間232回、人数にして約3万2千人の方に参加していただき実施したほか、保護者を通じてこどもの交通安全意識の高揚を図るため父親母親交通安全教室の開催、さらに高齢者の交通事故防止のため交通安全シルバー推進員を委嘱し交通安全教室を開催するなど、各種の取組みを通じて交通安全意識の啓発や交通法規の周知に寄与しているものと存じております。

そのなかで、自転車の法規周知につきましては交通安全教室のメニューとして、小・中学校を中心に自転車の正しい乗り方や点検・整備の指導を実施しているほか、中学校においては自転車も軽車両であり損害賠償を問われた事故事例を紹介するなど、守るべき交通法規の浸透に努めているところでございます。

特にも、最近、自転車の対歩行者事故や対自動車事故が増加傾向にありますので、自転車に乗り始める時期からの自転車の交通ルールの教育が非常に重要となりますことから、教育委貞会と連携を図り、交通安全意識の高揚に向けた取組みが実施されるよう努めてまいりたいと考えております。


 (活力ある産業の振興)
 中央卸売市場についてお聞きします。先月22日にまとまったと言われる「中央卸売市場活性化ビジョン」の内容をお知らせ下さい。

市長答弁
次に,中央卸売市場活性化ビジョンの内容についてでありますが,活性化ビジョ ンは,市場外流通の増加など市場を取り巻く環境の変化への対応と,市場運営の効率化に向けた取組みが必要となっていることから,場内業者と開設者によるビジョン策定会議で,今後の市場の方向性と活性化の指針、及び具体的取組みをまとめたものであり,2月22日に座長である酪農学園大学の細川教授から,提言として頂戴したものでございます。

その主な内容は,業者の取組みとしては,北東北の卸売業者や県内地方卸売市場との連携,産地・量販店対応の強化,市場発のブランド商品開発などが示されており,開設者の取組みとしては,事務事業の見直しによる業務の効率化に向けた提言等がなされているところであります。


 商業・サービス業の振興についてお聞きします。市長挨拶の中では中心市街地と郊外大型店についてしか触れられておりませんが、この理由は何故でしょうか。大型店の進出によって脅かされているのは、中心市街地だけではなく、あの不景気を個店努力によって生き延びた、各地域の地元商店街も少なからぬ影響を受けています。地域にある商店街が消失することで、交通弱者が「買い物難民」となっていくだけではなく、えてして商店主が支え手の一翼を担ってきた地域コミュニティが弱体化する危険を孕んでいます。現行の「空き店舗対策」などを中心市街地以外にも広げる必要を感じるものですが、どうお考えでしょうか。


市長答弁
次に、商業・サービス業の振興についてでありますが、中心市街地のみならず近隣の商店街につきましても、中心市街地と同様、郊外型大型店や空き店舗化に対応するためには、各個店はもとより商店街全体の魅力アップを図っていく必要があると存じており、これらの商店街も含めめて支援をさせていただいているところでございます。

現行の空き店舗対策を広げることについてでありますが、盛岡市総合計画においても、魅力ある商店街形成支援のため、郊外型大型店の進出や多様化する顧客ニーズに対応した、魅力にあふれた活力のある商店街づくりに向けた取り組みを推進することとしております。

このようなことから、空き店舗を増やさないために、中心市街地を含め各地域の商店街等に対し、商店街が行う研修会、ベンチ設置、商店街マップ作成等の助成を行っているところであり、関係団体と連携して個別相談や資金融資などを実施しているところでございます。

今後におきしても、引き続き、お客様のーズに対応した、魅力ある商店街形成の支援をしてまいりたいと存じております。



(環境との共生)
 ゴミの分別回収についてお聞きします。今まで私たちは未実施地区での生ゴミの回収と再資源化を要望してきましたが「その他プラスチック製容器包装などの分別収集を実施するのが先」と言われ続けてまいりました。来年度から「その他プラ等中間処理施設」の建設が始まりますので、生ゴミの回収・再資源化についてご検討を始めていただきたいと思います。いかがでしょうか。



市長答弁
次に,生ごみの回収,再資源化の検討を始めてはどうかについてでありますが,盛岡地域の全域を対象として,生ごみを回収するとした場合,回収するまでの生ごみの保管方法,専用収集車の配備資源化施設の整備が必要となりますほか,堆肥化とした場合の,安定的な需要先の確保が難しいなど,さまざまな課題があると存じております。

しかしながら,生ごみの資源化につきましては,資源循環型社会を進める上での課題の1つと存じておりますことから,市民意識の高揚を図ることをねらいとして,本年度,東安庭地区において,60世帯ほどが利用できる大型生ごみ処理機を中野地区活動センターに設置し,できた堆肥を地域に還元する「地域循環型生ごみ処理推進事業」を平成19年度から実施することとしております。

市としては,ここの事業の取組を検証しながら,ごみの発生抑制や再生利用について,市民や事業者などにP Rし,事業地区の拡大を検討していくとともに,今後,生ごみを利用した堆肥化やガス化などに取組んでいる自治体におきまして,どのような効果や課題があるかな調査してまいたいと存じます。


(快適な都市機能)
 都市景観形成についてお聞きします。12月議会でもお話しいたしましたが、河南地区・内丸・本町周辺など、古い街並みや歴史的建造物が残る盛岡ならではの景観を、より積極的に守るべきだと考えます。特に河南地区は、旧岩手川工場跡地の活用も期待できるなど、盛岡の観光商品としても大きな可能性を秘めている場所です。市は野放図な高層建築に対する規制が必要という点では、私どもと考えを同じくしていると思いますが、必要なのはスピードなのです。この数年間の景観のすさまじい変化を見れば、もはや一刻も躊躇をしている場合ではないと思います。早急な対応を望みますが、お考えをお聞かせ下さい。


市長答弁
次に、都市景観形成についてでありますが、近年の市中心部とその周辺地域における著しい高層マンションの立地は、土地の高度利用が図られ、中心市街地の人口増加や活性化に寄与している一方で、眺望阻害や日影問題など様々な問題を引き起こしています。

また、今年度河南地区を対象に「盛岡市街並み保存活用計画調査」を実施したところであり、その中で、市民や観光客が盛岡の暮らしと歴史文化と触れ合いながら楽しめる地域として積極的な保全と活用を図るとの方向性が示されたところであり、歴史景観ブランドづくりとして取り組むこととしております。

こうした状況を踏まえながら、平成18年度に玉山区建築景観ガイドラインを作成し、19年度には、旧盛岡地域を対象とした現行ガイドラインの補完調査を踏まえて、市全域を対象とする景観計画を策定し、20 年度に計画告示を行なうこととしており、高層マンション対策の検討も含め総合的な景観政策を進めてまいりたいと考えております。


 除廃雪についてお聞きします。小型除雪機の増強や雪かきボランティアなど、この数年間に渡る工夫と配慮を評価いたします。恐縮ではありますが、もう一工夫、お知恵を絞ってください。高齢者家庭にとって除雪車が通った後に、玄関前から雪を除ける作業は困難を極めるそうです。特に団地の造成によって出来た地域では、同時期に高齢化が進み、ご近所同士で助け合うのも難しく、高齢者世帯も年々増えて行きますので、ボランティアだけでは対応出来ません。例えば、市が呼びかけて低価格で廃雪サービスを行う非営利団体を作るなど、ご検討いただけないでしょうか。


市長答弁
次に、除排雪についますが、除雪車による除雪作業につきましては、短時間に広範囲の除雪を行なわなければならないことから、ご指摘のように、除雪した雪が住宅の出入り口等をふさぐ場合がありますこことから、毎年広報等により、各自で除雪していただくようご協力いるところでございます。

高齢者世帯等につきましは、昨年から市職員による「職員福祉除雪隊」を組織し、また町内会等においても独自に対応していただいているところもありますが、今後、市民の自発的なボランティア活動を促し、支援していく体制の構築も必要ではないかと考えております。

いずれにいたしましても、間口の除排雪につきましては、他の自治体においても課題となっておりますことから、他市の取組み状況等を参考としながら対応してまいりたいと存じます。
 
 

(信頼される質の高い行政)
 市長挨拶に係る最後の質問として、岩手競馬組合問題についてうかがいます。
 まず330億円の融資についてお聞きします。知事の発言にしてもマスコミ報道にしても、今回の融資に競馬組合の存廃がかかっているような論調ですが、この融資案が議会で否決されたら競馬組合は廃止になるのでしょうか。以前の37億円融資の時は、競馬組合は目前の資金繰りに苦しんでいました。しかし今回は、借入金の利子が競馬組合の財政を圧迫するから、その肩代わりとして行う融資であるとご説明されたように思います。まず、その点を明らかにしてください。

 今回の融資案は不可解です。07年度は事業収入の25%以内で運営するという方針ですので、06年度の純損失分、約22億円を県が融資し、短期借入金を借り換えすれば、競馬の事業継続は出来るはずです。前の改訂実行計画が破綻し、コスト削減を中心に据えた事業計画に変更してからわずか数ヶ月しか経っていません。新しい事業計画は、言ってみればまだ「お試し期間」であります。市長が仰るように、競馬組合が退路を断って新たな展開を行う決意があるのであれば、構成団体に対して、今返す必要のない借金の無心をする前に、一定の期間、経営の努力を見せることこそ、誠意ある姿勢だと思います。存廃基準の判断は事業収入ベースで行う訳ですから、返済期限が来ていない借入金を税金で肩代わりしなくても関係ないと思いますが、ご説明をお願いいたします。

 次に岩手競馬の再生についてうかがいます。
 赤字の原因はオーロパークなどの建設費の借金とその金利が主たるものなのだと思っていましたが、しかし、決算書によれば90年から05年までの15年間で事業収支が黒字なのは6回だけ。2000年以降は全て赤字です。今まで何度もお聞ききしたが、赤字の原因をもう一度お答えください。91年以降、ほぼ直線的に事業収入が下降しています。私はバブル景気の崩壊が最大要因だと考えておりますので、事業収入が90年前後のレベルまで回復することは決してないと思います。いかがでしょうか。

 次に競馬組合の経営責任についてうかがいます。
 私は岩手競馬組合を信用しておりません。その理由を二つほどお話ししたいと思います。
まず常任の副管理者の報酬などについてお話しします。
91年から95年までの4年間で競馬組合は事業収入を94億2800万円減らしました。それにも関わらず、この時期、常任の副管理者を勤めていた方の年間報酬は72万円増えて924万円退職金は4年で1123万2千円。96年から99年までの4年間での事業収入減は89億7600万円。報酬は4年間852万円の据え置きで、退職金は1024万4千円。2000年から02年までの3年間では事業収入は11億2千5百万円の増。しかし、00年には15億円の赤字、01年46億、02年58億円の財源不足に陥りました。この間の報酬は840万円から672万円3年間で604万8千円の退職金です。極めつけは04年から06年まで勤めた副管理者で年間報酬額は1171万2千円1年10ヶ月勤められて経営不振の責任を取ると06年の半ばで自主退職されましたが1年10ヶ月と19日の勤務で763万2千円の退職金まで持って行きました。



私はこれらの方々を個人的に存じ上げませんが、聞くところによると皆さんご立派な前職をお持ちの方々だということです。なぜ経営危機に関して反応がにぶいのでしょうか。

次は計画が貫徹されないことをお話しします。
 01年から本日までの間に、経営改善計画、岩手競馬のあり方懇談会の報告書、実行計画、改訂実行計画、市議会特別委員会の報告書など、いくつかの経営計画と提言書が作られています。その度ごとに「構成団体が赤字を肩代わりするのは絶対に避ける」だとか「インターネットで80億円の売上」だとか散々聞かされてきましたけれど、少なくとも私が議員になってから、この様な発言は決して守られたことはなかったと思います。

増田知事は「仮に計画が実行段階でとんざした場合には、構成団体の長としての知事として、さらには組合の管理者として非常に厳しい決断をしなければならない場合もあり得る」と発言、次の日の新聞には「二年でダメなら廃止も検討する」という記事が掲載されました。
ちなみに谷藤市長も05年の3月議会で「インターネットや街中場外がスタートするのが18年なので、計画が確実に実行されるかの推移を見きわめるとのが18年ということだろう。大幅に当初の計画と乖離するということになれば、不安定要素が相当あるということの判断につながっていく。知事が言ったように2年というのが 一つの判断していく上での基礎ベース」と発言しました。
今18年度が終わろうとしていますが、知事も市長も「来年度は不退転の決意で事業継続」と言っています。二年経ちましたが、市長が判断された事をお聞かせ下さい。



 この様な状況を2年半も見ていると「きっと競馬組合というのは一時が万事こういう風にしてきたんだろうなぁ」と思うわけです。売上とは連動しない給与をもらう職員が、願望を書いた事業計画を提出し、構成団体の長は、そのものズバリとは言わないけれど約束を匂わせる様な発言をする…今回の税金による借金の肩代わりの目的は、今までに行った放漫経営の、反古にしてきた約束の、責任逃れのために行われるのではないかと危惧するものです。大変失礼な言い方かもしれませんが、91年以降の競馬組合経営に対する経営陣の認識は、膨らんでいく風船を破裂する前に次の人に回せばセーフ、という「ドキドキ風船ゲーム」みたいなものだったのでしょうか。それではあまりにも無責任です。私個人の見解ですが、少なくとも92年から管理者・副管理者として関わった方々は、道義的責任を取りその退職金や報酬の一部を競馬組合に返還すべきだと考えます。12月議会でも同様の質問をいたしましたが、再度、谷藤市長のご意見をお聞きします。

 次に競馬事業の存廃の考え方についてうかがいます。
 競馬事業の存廃はもっと多くの県民が関わる形で判断するべきです。前に述べたように、市議会では前任の市長に対しても、競馬組合の情報をもっと市民に知らせるよう要望がありました。しかし、市民に対する積極的な広報・情報公開は行われず、多くの方々は、県と二市が37億円の融資を行った前後から、マスコミの報道によってやっとこの件に関して知り始めたのです。存続した場合・廃止した場合・規模を縮小して存続する場合、それぞれのメリットとデメリットを知らない方もたくさんいらっしゃるはず。だからこそ私は、住民投票を実施すべきだと思います。投票までの間、事業の継続に賛成する者、反対する者、双方による議論が活発になり、必然的に情報公開も進むでしょう。それぞれの意見を反映する直接民主主義の方法を取った方がより正確に民意を表現出来ると思います。市長の考えをお聞かせ下さい。

 最後に谷藤市長の姿勢についてうかがいます。市長と増田県知事は「この融資計画は現在採りうる最良の計画と判断した」と発言されました。しかし、残念ながら知事は4月いっぱいで勇退されます。新しい知事の候補が現在4名いらっしゃいますが、競馬事業に対しては意見を表明された方もおりますし、まだされていない方もおられます。新しい岩手県知事が競馬事業の廃止を主張した場合、盛岡市の方針はどうなるのでしょうか。



市長答弁
次に、330億円の融資案が否決されたら競馬組合は廃止になるのかというご質問でございますが、この融資スキームが受け入れられない場合は、今年度末の資金需要への対応が困難となるとともに翌年度以降の収支均衡も見込めなくなりますことから事業継続は困難となるものでございます。

次に、今回の融資がなくても短期借入金の借り換え等により対応できるのではないかとのことについてでありますが、仮に現在の借入れを継続し約定どおりに返済していくといたしましても、今後数年間、元利合わせて各年度ごとに20億円近い額を返済することに加え、6億円もの利子も負担となってまいりますことから、その方法は困難であると存じております。

次に、平成12年度以降赤字が続いている原因についてでありますが、平成3年度以降の発売額が減少傾向にあり、加えて盛岡競馬場建設の起債償還やテレトラテレトラック維持のための賃借料など固定費支出が大きく、12年度以降資金収支不足となっているものでございます。また、事業収入が平成2年ころからの600億円を超えるレベルに回復することは非常に難しいものと認識しております。

次に、この2年間をどのように判断しているかについてでございますが、改訂実行計画では、コスト削減の賭け式の導入などによる経営改革に取り組んだところでございますが、売上の減少傾向を食い止めることができず、結果として収支の改善が見込みを下回る結果となったところでございます。この間、従来の発売額の拡大を基調とする考え方から、過去の債務の取扱いを明確にし、その 一方で収支を均衡させることを基本とする経営改革に大きく変更することとしたものでございます。

次に、責任の取り方に対する私の意見でございますが、今日の岩手競馬の状況につきましては、その時々の事業の展開方法にも大きく関わっているわけですが、基本的には競馬に対してのニーズの変化や景気などにも大きく左右されており、そうした中での設備など複合的な積み重ねが今日の債務の大きな要因となっているものと存じております。今現在は岩手競馬を再生の軌道に乗せるために最善の努力を払うことが責任の取り方であると存じております。

次に、競馬の存廃に閲し、住民投票を実施することについてでございますが、岩手県競馬組合が特別地方公共団体であり、地方自治法の規定により独自に議会を設置し運営されておりますし、また、構成団体から競馬議員を選出し、重要事項についてはそれぞれの構成団体の議会のご判断もいただきながら進めておりますので、民意に基づてきているものと認識しております。

次に、新しい知事が競馬事業の廃止を主張した場合、ということでございますが、地方自治法の規定により、競馬事業の廃止つまりは一部事務組合を解散する場合は、関係地方公共団体間の協議によることとなっております。


V.教育委員長挨拶について

1.はじめに
 教育委員長の挨拶に関わっていくつかご質問いたします。
 まず始めに、教育委員会のあり方についてお聞きします。学力低下やいじめの問題に対応できないのは、教育委員会の責任体制が曖昧であるとして、教育委員会の権限を制限し、文部科学省に直近で教育行政を行わせようという声があります。これについて、教育委員長の御所見をお聞かせ下さい。

 私たちは地方分権に逆行するその様な行いには反対です。例えば、先日のいじめについての調査でも、実際に起きた件数が変わったわけではないのに「いじめとする規程を文科省が変更した事によって、盛岡市で報告されるいじめの発生件数が増えた」というお話などを聞くと、気持ちが萎えてしまいます。教育委員会には盛岡の教育行政を司る気概を持ち、地域の自主性を主張して欲しいと切望いたします。確かに、未履修問題やいじめ問題で教育委員会への信頼は揺らいでいます。一般的に「何か問題が起きたときに教育委員会はその問題を内部だけで解決しようとする傾向が強いので、その内輪主義、秘密主義が、問題解決を送らせ事態を悪化させるのではないか」と言われます。教育委員長はこの様な感想に対してどう思われますか。また、盛岡市教育委員会改革は必要でしょうか。必要であるとすれば、どこをどう改革したら良いと思われますか。


教育委貞長答弁
それでは私に対するご質問にお答えいたします。
まず教育委員会の責任体制が唆昧であるとしてその権限を制限し,文部科学省に直近で教育行政を行わせるようという声について,でありますが,教育再生会議第一次報告では,「教育再生のための当面の取組」のなかで,「教育委員会の在り方そのものを抜本的に問い直す」と指摘しています。その見直し案においては,「教育委員会に対する国の関与の強化」等が掲げられておりますが,私たち市教育委員会といたしましては,地方分権の流れの中で,地域の実情にあった独自性のある教育行政を推進することが極めて重要であると考えているところであります。

次に,教育委員会の内輪主義,秘密主義が,問題解決を遅らせ事態を悪化させるのではないか,についてでありますが,市育委員会といたしましては,教育行政の透明度を高め,説明責任を尽くすことを第一と考えております。

そのために学校現場と教育委員会との風通しを良く し,連携を密にすることによって、早急に問題解決が図られますよう,努めて参ります。

次に,盛岡市教育委員会改革は必要か、必要でないか、必要であれば,どのような改革をしたら良いか,についてでありますが,教育委員会制度につきましては,まずは,総合的な地方教育行政の在り方が議論されるべきであり,国,都道府県,市町村の責任と役割分担を明確にすべきであると考介把えております。

改革に当たりましては,地域に対する責任ある教育行政を全うするため,基本的には現在の教育委員会のあり方を,地域に密着した制度となるよう,検討すべきものと存じます。


 教育は学問の元に自由であらねばならないと思います。その自由を保証するのは、民主的な学校運営です。教員評価制度の稚拙な導入は、学校運営をギクシャクさせる可能性を含んでいます。教員が心を配るべきはその教え子に対してであるのにも関わらず、評価をする管理職の顔色をうかがう様になってしまうかもしれません。ところで、教頭試験を受けられるのは校長が推薦する人物だけで、その日取りも試験内容も職場の同僚に公開されないというのは本当でしょうか。もしそれが事実なら、夏目漱石の小説「坊ちゃん」の主人公が勤務していた中学校では、教頭「赤シャツ」の太鼓持ちである「野だいこ」が次の教頭試験に推薦されてしまいます。これは生徒のためにならない、かなりまずい人事ではないでしょうか。教員評価制度と管理職試験のあり方について、教育委員長のご所見をお聞かせ下さい。


教育委貞長答弁
次に,教頭試験についてでありますが,岩手県教育委員会では,公立小中学校教頭任用候補者選考要項というものを平成15年度に改訂いたしました。

その内容は,選考基準や受験資格,申込み手続き,候補者の選考方法や日程についてでありますが,これらについては毎年,校長を通じて職員に周知することとしております。受験資格を持った教員であれば,望めば,だれでも所定の手続きにより受験できることとなっており,校長についても,今年度から同様の手続きで試験が実施され,管理職にふさわしい人材を広く求めることのできるきわめてオープンな方法になっていると存じます。

次に,教員評価と管理職試験のあり方についてでありますが,教員の評価については,教員の指導力を向上させ,学校教育の充実を図るため,教員の能力や努力を正しく把握し,勤務意欲の向上を図ることを目的にしたものであります。管理職試験においては, 一部教員評価を参考にすることはありますが,それぞれ別の目的で実施されているものであります。


2.平成19年度の主要施策について

 次に07年度の主要施策についてご質問いたします。アトランダムにお聞きすることをお許し下さい。

(将来を担う次世代の育成)
 学力向上についてお聞きします。授業時間外の補修授業をご検討いただけないでしょうか。子どもは初等教育で躓いたまま上の学年に進級すると、勉強への意欲すらなくなってしまう傾向があります。塾や家庭教師によって補える子どもは良いのですが、家庭の所得格差のせいで、全ての子どもにそういう機会が与えられるわけではありません。放課後や、場合によっては退職教員などによる土曜日実施も検討すべきだと思いますがいかがでしょうか。

(いつでもどこでも学ぶことができる環境の構築)
 「放課後子ども教室」についてお聞きします。盛岡での実施計画についてお答えください。学童保育との関係、特に、学校の敷地内で実施されるのであれば、それぞれ目的が違う事業ですが、隣接した場所で行われている学童保育とのプログラムの違いを、保護者にも子ども達にもご理解いただかねばならないと思います。その辺も含めてご答弁をお願いいたします。


教育委員長答弁

次に,放課後や土曜日の補習授業の実施についてでありますが,市教育委員会といたしましては,学力の基礎基本の定着は,まず、毎日の授業を通して行われなければならないものと存じておりますので,授業における指導法の改善について進めておるところであります。あわせて,大学生による個別指導や放課後指導なども,各大学と連携しながら行っております。土曜日の学習の実施につきましては,学校週5日制の趣旨等を鑑みながら,今後,研究してまいりたいと存じます。

次に,「放課後子ども教室推進事業」についてでありますが,この事業は,「放課後子どもプラン」として文部科学省が平成19年度から実施する新規事業であります。
これは,すべての子どもを対象として,安全・安心な子どもの活動拠点(居場所)を設け,地域の方々の参画を得て、子どもたちと共に勉強やスポーツ・文化活動,地域住民との交流活動等の取組を推進するものであります。

平成16年度から18年度に国の委託事業として「地域子ども教室推進事業」いわゆる「子どもの居場所事業」を行い、公民館などで実施し一定の効果をあげております。平成19年度につきましては,18年度と同様に市内6箇所の公民館等において,新たに「放課後子ども教室推進事業」として実施することとしております。

「放課後子どもプラン」には,厚生労働省が実施する「放課後児童健全育成事業」,いわゆる「学童保育クラブ」がありますが,これは概ね10歳末満の留守家庭児童を対象として,放課後に適切な遊びや生活の場を与えて、その健全な育成を図ることを目的としております。国の「放課後子どもプラン」においては,「放課後子ども教室推進事業」と「放課後児童健全育成事業」の両事業について,学校の余裕教室等の活用を推奨しておるところであります。

しかし,本市におきましては,体制の整備や施設の改修,予算の確保等が必要となることから,平成19年度は,両事業とも学校での実施は予定していないものであります。今後,小学校等で両事業を実施することとなった場合には,関係部局と連携を図りながら検討してまいりたいと存じます。


(生涯にわたり楽しめるスポーツ・レクリエーションライフの実現)
 スポーツ振興についてお聞きします。協議力の更なる向上を目指すとのことですが、競技によっては施設が不足している感があります。勿論、現在の財政状況では大がかりな競技施設は建設出来ないのですが、例えば、先日お会いした、バスケットをやっている人によれば「舗装がしてあってバスケットゴールがあるちょっとした空き地が、市内にいくつかあるだけで、充分練習が出来る」とのことでした。競技別の施設要望をもう少し具体的に集めたら良いと思うのですが、いかがでしょうか。


教育委員長答弁
次に,競技別の施設の要望を具体的に集めてはどうかについてでありますが,競技別の大会が出来る正規の競技場等施設整備の要望につきましては,体育協会や競技団体等の要望から把握いたしておりますが,近隣で手軽に練習のできる施設の要望につきましては,体育協会と連携を図りながら,この件につきましては調査してまいりたいと存じます。


(豊かな心を育む芸術文化活動の支援)
 芸術文化活動の支援についてお聞きします。教育委員長は挨拶で、割と大がかりなイベントの支援についてお話しされました。しかし、感覚を磨くためには日常生活の中において芸術とふれあうことも大切な気がします。学校において芸術に親しむ機会をもっと積極的に作り出せないでしょうか。例えば、市が所有する絵画の貸出や地元芸術家によるアウトリーチなど、現在多くの学校で設けている読書ボランティア活動のように、保護者と協力して行えそうな気がするのですが、ご検討いただけませんか。


委員長答弁
〔委員長答弁〕
次に,絵画の貸し出しや地元元芸術家のアウトリーチについてでありますが,芸術作品に直接触れたり,地元の芸術家の方々と触れ合ったりする機会は、児童生徒にとりまして、貴重な体験となるものとそのとおりだと思いますが、学校におきましては、借用した絵画等の保管場所の問題や,教科の目標に沿った地域人材を活用した授業のの在り方など,現在、研究中であります。市教育委員会といたしましては,これまで実施してまいりました地元の芸術家による鑑賞教室や移動教室等を充実させてまいりたいと存じます。
以上,私に対する質問にお答えいたしました。


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