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06年3月議会 会派意見 |
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総合計画など、各種基本計画の資料を例に挙げるまでもなく、すでに人口も財政規模も以前のようには拡大が見込めない時代に突入しています。戦後、長きにわたり続いてきた『全ては拡大していく』という時代認識に代わる、新しい方向性を作り上げなければなりません。なぜならば、到達すべき目標を持たない社会では、人々の努力を結集できず、漂流をせざるを得ないのです。だからこそ、この2年半、私たち議会改革フォーラムは谷藤市長に対して、具体的なビジョンとそれに至るプロセスを市民に対して示す様、要望してまいりました。 総合計画が策定されたことで、市民は盛岡の未来を思い描けるようになったでしょうか?その将来像に対して自分なりの人生設計をたて、日々の生活を生き生きとすることが出来ているでしょうか?はなはだ疑問です。 市長は市政執行にあたって『市民起点』の立場を公言していらっしゃいます。市民が市政に関わるためには、情報の公開・提供が前提になっています。しかし、今議会の審議を通して明らかになったいくつかの事実において、市は市民に情報を提供し、一緒に方針を作り上げていく努力を、おざなりにしていると感じました。競馬会館の取得もしかり、盛南地区の土地の問題もしかり、あるいは松園公民館や学校での樹木伐採に関しても、その様な手順を踏んで行われたものではないと思われます。 信頼関係の崩壊が日本の社会構造の崩落をもたらしていることから、盛岡市でこの状態が続くことを黙認することは出来ません。市民に依拠した市政執行が執り行われるよう、早急な改善を要請いたします。 以上を前提として提出された議案に対する、議会改革フォーラムの意見を述べます。 今議会では、岩手競馬組合の柴田副管理者が二度も予算委員会にいらしていただきまして、ご説明を受けましたが、その内容は大変解りづらく、経営、特に競馬組合の事業収入を増やすという点について、理解できないでおります。来年度に予定されている、インターネット販売や、まちなか場外、そして三連単の実施によって、競馬組合の予算が達成されるかどうか、疑問です。今年度の計画達成において、何が不足していたのか、それに伴って、来年度はどこを強化するのか、納得のいくご説明は受けられませんでした。事業の方針というものは、これまでの総括から導き出すべきものです。その様な観点からのご提案がなかったことに失望しております。 競馬組合側から提出される情報は限定的で、客観的判断を行うには材料が不足していることから、具体的な情報についてさらなる開示を要求します。これは、岩手県民全ての権利だと考えます。昨年の3月議会で市長は競馬組合の経営に対して「県の方でも四半期においてというような点検ということですが、これはある意味ではもっと厳しく、毎月のようにどういう状況になっているのかということを市の方でも体制を今整えようとしておりますけれども、チェック機能をさらに高めてまいりたいと、このように思っておりまして、実効性を高めていけるような方策も含めて今後とも努力してまいりたい」とご発言なさっています。しかし、以前に比べて、競馬組合の情報の開示が進んだとは言い難いと考えます。それに加えて、市長は何を基準として競馬組合への融資を考え直すのかという点を明言されませんでした。全くの空手形のまま5億円もの血税を競馬組合に注ぎ込むことを承認することは出来ません。 今、盛岡市がしなければならないことは、独自の判断です。今議会での全ての議論を通して、最終的な判断を下さなければならない時が近づいていると感じていますが、それに対する盛岡市の準備がなされていないことに大きな危機感を持っています。岩手競馬関連でお仕事をされている2000人を越える方々のためにも、早急な対策を立てられることを強く要請いたします。 また、競馬会館の取得にも異議があります。競馬会館をリフォームして盛岡保健所として利用するためには、約11億9000万円の経費がかかると2月20日の全員協議会でご説明いただきました。3月16日の予算委員会では、市が所有する土地に新設した場合は約13億8000万円とのお答えでした。試算上1億9000万円の差額であれば、建設から20年以上も経過し、駐車場を準備することが出来ない競馬会館を保健所として、リニューアルするのは合理的ではありません。工期や公共交通の利便性の問題は努力によって解消出来るはずです。また、延べ床面積の縮小も検討すれば、新設の場合でも建設費を更に縮小出来る可能性があります。市保有の遊休地、特に健康医療施設の側に新設した方が税金を有効に利用できるというのが、総合的な判断です。 松園公民館建設について、学校を利用している生徒やその保護者からの合意が得られないまま、予算に上程されていることは大きな問題だと考えます。余裕教室を地域に解放し、開かれた学校の理念を追求することに賛同するものですが、だからこそ、学校を利用している人たちと考えを同じくして行かねば、その理念の実現は困難であるはずです。来年度予算からこの事業を取り下げ、同意を得られるまで計画を凍結した上で、充分な話し合いをすすめるよう要請いたします。 以上を理由として、私たちは議案第11号に反対いたします。 中央卸売市場の施設使用料の値上げは、場内業者との合意が未だ出来ておりません。値上げによって市場から撤退する業者が出ることが予測されますが、これが経営全体にどのような影響を及ぼすのか不透明なままです。最悪の場合、市場流通の大幅な縮小も考えられる事から、この点について調査を行うのと同時に、場内業者との合意形成のために、最大限の努力を行うべきです。以上のことから、私たちは議案第17号に関しても賛成することは出来ません。 市立病院の経営に関して、ありかた検討委員会や市議会特別委員会の答申に沿った市立病院改革の方針は、今年度末を期限として、市長が決定されることと思います。しかし、それ以前に今できる改革に着手するべきではないかと思うのです。例えば、診療待ちへの対応などがそれに当たります。早く診療を受けようと、一番に受付をしても「診察はお昼過ぎになります」と言われたケースをお聞きしました。なぜそのようなことになるのか、説明がされないため、市民にとっては大変不明瞭です。時は待ってはくれません。市立病院改革の方針を達成するためには、職員全員が現状を認識し、経営改善に努力する姿勢を示すことが求められています。改革の方針を座して待っている様な姿勢では、今年度の改善の努力を感じることが出来ません。私たちは市立病院の経営改善を強く要望してきた立場から、昨年と同様、議案第25号を認めることはできません。 以下、その他の事柄について意見を述べます。 地元住民の皆様に、様々な夢を抱かせて続けられてきた盛南開発であるのにも関わらず、事業は遅々として進まず、最終的には市が先行取得した土地を売却するという結論では、行政に対する不信感を抱かせる以外の何物でもないと思います。 また、主要行政施設用地として確保してきた土地を取得しないという事も、予算委員会の場において委員から質問がなければ、市民には知らされないままに3月議会が終わってしまったかも知れません。 今議会で答弁された様に「盛南地区に関する盛岡市の位置付けは変わらない」のであればなおのこと、市はこれらについて説明責任があります。市民に対して不誠実きわまりないこの姿勢を、直ちに是正するよう強く求めます。 文化施設や学校などで、市民に知らせないまま、樹木の伐採が行われたことは、その配慮のなさについて、大変悲しく思います。ドイツなどでは、環境を大切にする観点から、直径20p位の樹木でも、伐採する必要が考えられる時は、地域住民で話し合いをするそうです。先日、河南中学校での桜の大木が突然伐採され、児童・生徒が心に傷を負いました。この様な行為は反教育的ですらあるのではないかと考えます。盛岡市は環境立県・岩手の県都です。今後は十分な配慮を行うよう、要請いたします。 手入れの行き届いている街路樹は歩行者やドライバーの心に安らぎを与えるものですが、市道川目線に植樹された『ななかまど』全123本中、満足に育っている木は、たった41本しかなく、他は成長不良や枝折れなどで、見るに忍びない状態であり、全く朽ち果ててしまった所も36カ所ありました。市は街路樹などの選定にあたっては、場所と樹種の適合について、専門家の意見に良く耳を傾け、無駄な投資にならぬ様、充分検討してください。 介護保険料の値上げを遺憾に思います。社会保障制度の改悪によって、高齢者の負担がなし崩し的に増えていくことに危機感を感じます。特に高齢者は若年者に比べて、収入格差が大きい傾向があると言われています。保険料の段階を盛岡独自で増やすなどして、収入や資産の格差による弊害を緩和するよう要望します。 障害者自立支援法によって、今までの制度が変更することを、多くの方々が不安に思っています。制度の周知徹底を行ってください。今回の制度改正は利用者ばかりではなく、施設側も大きな不安に襲われています。行政側から、積極的な情報提供を行うようにしてください。 岩手競馬組合への融資に関する決議について 議案に対する会派の意見でも述べたが、現在、競馬組合に係る問題を考える上で、最も重要なことは、情報の開示である。予算委員会での柴田副管理者の説明は、岩手競馬事業のデータや資料の開示が不十分であり、副管理者の個人的な意見や解釈に負う部分が大きかったからこそ、収拾が付かない状況に陥り、紛糾したと考える。 市長は幹部職員を競馬組合に派遣するという方針だが、その目的が不透明である。昨年、市長は競馬組合へのチェック機能を強化すると約束をした。しかし、それでも、組合の盛岡市に対する情報提供の姿勢は変化が見られないという結果に終わってしまった。これは、競馬組合が盛岡市を共同経営者としてとらえていないことに根本の原因があると考える。この姿勢が変らない限り、いくら県や市から職員を派遣したとしても、盛岡市は経営から蚊帳の外に置かれ、変化が訪れることがない。 この決議をもってしても、以上の事を競馬組合に実行させることは困難である と考えるため、我々、議会改革フォーラムは賛成しない。。 |
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