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2005年9月定例市議会 一般質問

2005.9.9

 ■ 緩和ケア(ホスピスケア)について


 緩和ケア(またはホスピスケア)と言うのは、治癒を目指した 治療が有効でなくなった患者に対するケアのことで、痛みやその他の症状のコントロールと精神的・社会的・霊的問題の解決が最も重要な課題となります。「霊的」というのは「スピリチュアル」の日本語訳なのですが、「私の人生は何だったのだろう」とか「生きてきた意味について悩む」などの、実存的な痛みの事とご理解ください。

緩和ケアの目標は、患者とその家族にとって可能な限り最高のQOL、生活の質を実現することです。最近では、末期だけではなくもっと早い病期の患者に対しても治療と同時に行うべき点があるという意見も、最近増えてきています。

肉体的・精神的痛みがあまりにも大きなものである場合、それに囚われてしまい、充実して生きることが困難です。私は、人権的な観点からも、希望する人全員が緩和ケアを受けられるような世の中にするべきだと思っています。

2004年の岩手県統計によれば、盛岡保健所管内で1095人がガンで亡くなっています。現在、末期がんで闘病生活を送っている方は盛岡市に何人いるか解りますか。また、どういう場所でどんな治療を受けている方が多いのでしょうか。(どちらの質問も推定でも結構ですので教えてください。)


@ 在宅ホスピスケアについて

緩和ケアを自宅で受ける事を「在宅緩和ケア(または、在宅ホスピスケア)」と言います。ここ数年、医療機器や薬剤の発達により、自宅でも緩和ケアが受けられる様になりました。

市民団体「岩手にホスピス設置を願う会」は、2003年度に緩和ケアに関するアンケート調査を行いました。アンケート総数は276人(うち男性47人、女性229人)で、県内5つのがん患者団体に依頼して集めたものですが、回答者はがん患者に限っておらず、患者の家族やガン体験なしの方も含まれています。

この調査によれば、98%の人が緩和ケア専門職員の必要を感じています。また「回復困難な場合、死はどこで迎えたいですか」という質問に対し、自分の場合は30%、家族を看取る場合は31%の人が「自宅」と回答しています。

ありがたいことに、盛岡市広域圏では、緩和ケアのために往診してくれる開業医が増えています。往診専門の緩和ケア医師もいますし、3年前から盛岡市医師会でも「在宅緩和ケアネットワークシステム」を作り活動を行っています。

しかし、残念ながらこのことが市民に広く知られていません。

市立病院に入院している患者さんで在宅緩和ケアを望む方はいらっしゃいますか。その場合、どのように対応していますか。在宅緩和ケアを担当していただける医師との連携システムはどのようになっていますか。患者と市立病院、市立病院と開業医のコーディネイト担当の有無も含めて教えてください。年間何件くらい、そのような事例があるのかもお願いします。

また、市立病院においては専門病床こそないが緩和ケア的対応を行っている、という答弁が以前ありました。それであれば、市立病院において、緩和ケアの情報提供・総合相談・専門研修・地域連携支援などの事業が可能だと思います。同様な事業を行っている県立中央病院と連携して行うべきだと思いますが、いかがでしょうか。

A ホスピス施設について

緩和ケアを行う専門の施設を「緩和ケア施設(またはホスピス施設)」と言います。一般病院では、治療と延命が何よりも重要視され、患者一人一人の要求は制限されることが多いのですが、緩和ケアは、先に述べましたように、患者と家族の生活の質を上げることが目的ですので、厚生省では「看護を行う看護師の数は、当該病棟の入院患者の数が1.5又はその端数を増すごとに1以上であること」などの「緩和ケア病棟の施設基準」を定め、出来る限り患者と家族の要望をかなえられる様な環境を整えています。

充実した緩和ケアを行うためには、ふさわしい環境が必要なのです。先ほどお話ししました「岩手にホスピス設置を願う会」が行ったアンケートでも、最後の時を緩和ケア施設で過ごしたいという人が62%、家族を緩和ケア施設で看取りたいという人が58%と、施設建設への要望は並々ならないものがあります。

緩和ケア施設建設の必要性は医療現場からも聞かれます。在宅緩和ケアを行っている医師の話では一人暮らしの患者に在宅緩和ケアを行うのは不可能で、看護人が一人の場合は、かなり厳しい、とのことでした。また、県立中央病院は岩手県の「ガン診療拠点病院」として緩和ケアに大変積極的で、医師・看護師で緩和ケアチームをつくり患者の要望に応えていますが、病院施設が「緩和ケア病棟の施設基準」を満たしていないため、より良いケアを行えない状態にあります。「不安な心情をうちあけたいけれど、忙しい看護師さんを自分一人が独占するわけにはいかない」「六人部屋では人目がはばかられて、素直な感情が出せない」など、特に精神的な面で難しい部分があるため、緩和ケア施設設置を県に要望しつづけています。

8月1日付けの「日本ホスピス緩和ケア協会会員一覧」によれば、全国には149の緩和ケア施設が2824床を抱えており、緩和ケア施設がなかった岩手県にも、来年、一関の県立磐井病院に設置が予定されています。県立病院への設置は、多くの県民の願いでした。私も設置が決まった時、大変嬉しく思いました。それに加えて「最も多くのガン患者を抱える盛岡市医療圏の総合病院に、緩和ケア施設を設置して欲しい」という大きな声に応えていただきたいと思うのです。

2004年にガンで死亡した人数を保健所管内別に見た場合、盛岡の1095人は、磐井病院がカバーすると思われる水沢・一関の合計909人よりも多く、次に緩和ケア施設設置が予定されている花巻・北上の統合病院の対象と思われる557人の約二倍です。

また、全国でも県庁所在地に緩和ケア施設がない県は、福島・三重・奈良・群馬・埼玉、そして、施設自体がない鳥取だけです。

しかし、県医療局は「ホスピス施設の必要性については十分理解しているが、県予算の厳しい現状から、県立病院立替の際に合わせて設置したい。花巻・北上の統合病院にも設置を予定している。ホスピス入所を希望する方には、その二つの病院で対応する」という見解です。

最も患者人口が多く「ガン診療拠点病院」と大学病院があるこの盛岡に、緩和ケア施設は必ず必要なものだと私は思います。私を初めとする議員の質問に対して、市長は緩和ケア施設の必要性を大いに認めているというご答弁でした。

そこでお聞きしますが、私の考えと県医療局の考え、それぞれに対しての市長のご見解をお聞かせ下さい。

この議場でも何度か「市立病院への緩和ケア病棟設置は難しい」とお聞きしましたが、改めてその理由を整理した上お聞かせ願います。また、市による設置が難しいのであれば盛岡市民が緩和ケアを受けられるようにするための次善の策として、どういう方法をご検討されていますか。

9月2日の岩手日報朝刊に「河南病院が太田に移転し、来年の秋を目標に緩和ケア施設を開設する」という記事が載りました。大変喜ばしいことです。河南病院・盛岡市医師会・県立中央病院など、緩和ケアに取組む全ての人たちが連携し、末期ガン患者の肉体的痛みや死への恐怖を和らげ、今日という日を慈しんで生きられるような医療を作ってもらいたいと私は思います。充実した緩和ケアを私たちの市に根付かせるために、盛岡市がやること、その他の自治体がやること、医療団体がやること、市民やその他の団体がやることを考え、実行すべきです。盛岡市の緩和ケア医療に関する基本的な考え方・ビジョン・認識している役割について、ご見解をお聞かせください。



〔市長答弁〕

伊勢志穂議員のご質問にお答えいたします。
まず、緩和ケア施設の必要性についてでございますが、盛岡市に設置することの必要性は十分認識しているところでございます。しかしながら、施設の建設と運営には多額の費用が懸かることや、医療ケアチームのスタッフの確保等の課題があり、盛岡市立病院に設置することは極めて難しい状況にありますことから、盛岡保健医療圏の関係市町村の会議におきまして、圏域での緩和ケア施設の在り方をひとつのテーマとして、意見交換を行ってまいりたいと存じます。

一方、県におきましては、2か所の県立病院に緩和ケア病棟設置の計画がありますが、盛岡地域におきましても具体的に計画されるよう、引き続き、働き掛けてまいりたいと存じます。

病院緩和ケアに代わる次善の策といたしましては、荏宅緩和ケアがございますが、人生の最後の時間を自宅で家族に囲まれて過ごしたいという患者さんもおられると承知しておます。

市医師会が行っている、病院と開業医とが連携を図りながら在宅ケアを進めるシステムが、順調に運営されていると伺っておりますことから、その成果に期待してまいりたいと存じます。
また、ホスピス施設の設置につきましては、市民団体からも、その要望をいただいているところです。県のホスビスケアの取り組みの後押しもあり、新設する河南病院に10床の緩和ケア病床が設けられるとのことですので、県の取り組みに対し、評価しているところです。
市内には、合わせて30床の緩和ケア病床が必要との話も伺っており、今後も県に働き掛けてまいりたいと存じます。

〔部長答弁〕

緩和ケアに関して、末期がんで闘病生活を送っている方の数でございますが、入院患者はもちろんのこと、在宅で治療を受けている場合でも、それぞれの医療機関で、当然、数は把握していると思われますが、医療機関からの情報提供は困難と予想されることから、その実態の把握については、難しいものと思われます。

また、治療についてですが、在宅の場合でも入院の場合でも、患者さん個々の症状に合った対症療法が施され、その治療法は多岐にわたるものと存じます。身体的な痛みを和らげる医学的な治療法はもちろんでございますが、精神的な苦痛を和らげる心のケアについても、重要な要素として対処しているものと認識しているところでございます。

次に、在宅緩和ケアについてでございますが、市立病院に入院している患者さんの中には、在宅緩和ケアを希望される方もおられます。その際は、主治医ができる限り患者や家族の方々の望に沿う形で、対応しているところでございます。

次に、在宅緩和ケアに係る医師との連携についてでございますが、平成14年から盛岡市医師会が窓口となり、対応可能な医師を紹介するシステムが構築され、市内の開業医や訪問看護ステーション等と連携、協力する体制となっております。

市立病院では、患者や開業医とのコーディネイトを行う担当は配置しておりませんが、各主治医が在宅緩和ケアを希望する患者さんや家族の方々のお話をお聴きし、必要であれば在宅緩和ケアを行っている医師を紹介するなど、市医師会等と連携、協力しながら対応しているところでございます。

また、当院で在宅緩和ケアを受けられた末期がんの患者さんは、3人程となっております。

次に、緩和ケアに関する県立中央病院との連携についてでございますが、緩和ケアの形態は、「施設基準にのっとり専門病棟で行うもの」、「専従のチーム医療により行われるもの」、「診療報酬加算はないものの、病院独良の運営により行われるもの」など、さまざまな形態があります。

県立中央病院におきましては、多くの職種によるチーム医療として緩和ケアが推進されており、市立病院とは緩和ケアの形態が違っておりますが、今後、病院間の連携に関し、可能な範囲で取り組んでまいりたいと考えております。

次に、緩和ケア医療に対する基本的な考え方についてでございますが、がんなどの病気で末期を迎えられる患者さんの尊厳を重んじ、苦痛の緩和や軽減を施すだけでなく、患者さんとその家族が人間らしく、看取りの時まで穏やかで心の安らぐ生活を送れるようにしなければなりません。

そのためには、残された人生の日々を平安に過ごしていただく緩和ケアは、非常に重要なものと認識しているところでございます。

在宅で緩和ケアを受けたい患者さんや家族の方々はもとより、広く市民に対しましても、活用できる医療制度や福祉サービス等についての情報を提供するなど、普及、啓発に努めてまいりたいと存じます。

 ■子育て支援について


@ 児童虐待について

児童虐待が増えているというニュースを耳にします。岩手県福祉総合相談センターの資料によれば「児童虐待の防止等に関する法律」が制定された2000年度以降急増し、2003年には200件を数えたそうです。

児童虐待は慎重に扱わなければならない問題だとは思いますが、盛岡市の状況を把握するため、以下を教えてください。

盛岡市での報告されている児童虐待件数は何件ですか。特に幼児は自分から訴えることが出来ないため、発見されている件数より実数は多いと考えられます。推定件数をいくつと見ていらっしゃいますか。また、盛岡市では、虐待は増える傾向にありますか、減る傾向ですか。

育児相談や女性相談で児童虐待に関係すると思われる内容はありますか。あれば件数を教えてください。

虐待を行っているのは、家族の誰ですか。(「実父何件、実母何件」という形でお願いします。)

あと、通報経路について教えてください。資料によれば、学校などからの通報が多い様ですが、盛岡市の幼稚園・小中高等学校で通報の基準など決めていることがあれば、それについて教えてください。通報後、虐待者への指導、児童の保護などの流れはどうなっていますか。各施設の連携についても教えてください。

 また、ケースによって多岐にわたると思いますが、虐待の原因は何だとお考えですか。

A 児童に関する施策について

話を児童虐待から、もう少し広げてみようと思います。これから話そうと思っている内容を一言で上手に言えませんが、言葉を探せば「子と母の関係・母と社会の関係に関わる事」というニュアンスが一番近いと思います。

私は、子育て支援や少子化対策について話を聞いていると、どうもすっきりしない気持ちになるのです。どんな施策を聞いても「確かにそういうやり方は大切で、とっても良いとは思うんだけれど、どうもそれが本質的な部分じゃないような」気がします。

児童虐待には、身体的虐待・ネグレクトと言われる養育放棄・精神的虐待・性的虐待の四つがあります。最近、ネグレクトの割合が増えていると聞きました。

母親が実子を養育放棄する理由は「自分が生きていくために、子どもにかかる経済的・時間的・心理的コストを削減しようと無意識に思ったから」ではないかと思うのです。ヒトは長い歴史の中で、血縁女性を中心に協働で子育てを行う風習を持つ、ある程度小規模なコミュニティを例外として、いつの時代でも子どもを捨ててきました。捨てることが許されない社会体制の中では、人知れず殺してきました。子捨て・子殺しが激減したのは、ごく近年、バースコントロールが普及してからです。

経済状態が長期的に良好であるとは決して予測されず、性交渉が低年齢化しているのにも関わらず避妊方法について知る機会を平等に与えられず、「母親は何をおいてもまず子どものために尽くす本能がある」という生物学的根拠のない圧力や「子どもがどういう大人になるか、全責任は親ある」という考えがある日本では、母親にかかるプレッシャーは大きなものだと思います。その大きさを考えると、児童虐待件数は増え、少子化も続くように思われてしまうのです。
財団法人・こども未来財団のアンケートによれば、妊婦や子育て中の母親の80%は、周囲や世間に対し「積極的に子供を産んで育てたい社会ではない」と否定的に感じており、「社会全体が妊娠や子育てに無関心で冷たい」が44%、「制度や設備が整うだけでは不十分。国民全体の意 識改革が必要」との回答が83%に達した、と8月2日の産経新聞に報じられました。「少子化が問題だ」と言われているにも関わらず、母親になれば冷たくされる、母親達は日本をその様に見ています。

必要なのは「母親を評価するまなざし」ではなく、その経済的困窮に、時間的ゆとりのなさに、経験の不足に対して「さしのべられる手」なのだと私は思います。だから盛岡市の考え方を知りたく、以下ご質問いたします。

 盛岡市の子育て支援について、保険福祉施策として、児童福祉施策として、女性施策として、教育施策として、どの様な観点から取組んでいるのか、お答えください。

 また、教育委員会にお聞きしたいのですが、私は、精神的に未成熟な若年者が、周囲の支援が少ない状態で、望まれない妊娠・出産をする事を避けられるように知識を与えるべきだと思いますが、盛岡市の性教育について、教えてください。


〔部長答弁〕

次に,子育て支援に関する児童虐待件数についてでございますが,児童福祉課取り扱い件数は平成16年度は22件となっております。

次に,虐待の推定件数でございますが,虐待に至るまでに様々な要因があり,潜在化している虐待を推定することは困難な状況でございます。

また,虐待の増減傾向についてでございますが,過去3年間の推移をみますと,平成14年度7件,平成15年度22件,平成16年度22件となっておりますことから,増加傾向にあるものと認識しております。

次に,育児相談や女性相談で児童虐待に関係すると思われる件数についてでございますが,児童福祉課の婦人相談に関しての統計資料によれば,平成16年度は実相談件数で347件の相談があり,そのうち77件が児童虐待に関する相談となっております。

次に,虐待を行っている家族についてでございますが,平成16年度は実母が13件,継母が1件,実父が1件,両親が4件となっておりますし,通報経路につきましては,保育園から8件,保健センターから6件,生活福祉課ケースワーカーから2件,市民から2件,その他4件となっております。

次に,幼稚園・小中高等学校からの通報の基準についてでございますが,独自の基準は設けませんが,平成14年度に岩手県保健福祉部が作成した「児童虐待防止ハンドブック」に基づいて行っており,「児童虐待を受けたと思われる児童」がいた場合は,校内で検討会議を開くとともに,学区の民生児童委員や関係機関に相談し,緊急を要すると判断した場合は,市の児童福祉課あるいは,岩手県福祉総合相談センタ一に相談・通告をすることになっております。

また,通報後の虐待者への指導,児童の保護についての流れについてでございますが,平成16年12月に児童福祉法が改正され,通告先は市町村が第一義的な窓口となっております。緊急保護を要するものは,従来どおり岩手県福祉総合相談センターに送致しますが,緊急でないと判断した通告に対しては,受理会議を開催し,担当部署及び担当者を決め,調査を行った上でケース検討会議を経て,虐待された児童及び保護者に対する援助方針を決定することとしております。

次に,各施設との連携でございますが,受理会議において児童福祉課を中心として保健センター,保育園,教育委員会など市の関係各課等の担当者が参加し,虐待された児童の情報を共有し,援助に向けた取り組みを協議しております。また,岩手県福祉総合相談センターは困難な問題を扱うことや,市町村が効率的な援助を行うことができるよう,情報の提供や助言を行うこととなっておりますことから,市は,緊急を要する場合や一時保護が必要と判断した場合は,岩手県福祉総合相談センターに送致するなどの処置を行っております。また,解決が困難な問題には,岩手県福祉総合相談センターの児童福祉司や民生児童委員と共に家庭を訪問するなど,連携を図りながら虐待の解決に向けて取り組んでおります。

また,虐待の原因でございますが,児童の性格,傾向,発育の遅れや病気などによる問題もありますが,親の考え方や親自身の精神的な問題,経済的な問題,そして家庭の地域からの孤立など,児童を取り巻く内外の環境が複合的な要因として作用し虐待の原因となっているものと認識しております。

次に,本市の子育て支援について,どのよな観点から取り組んでいるかについてでございますが,次世代育成支援行動計画の「子どもがまんなか〜みんなで育む子どもの笑顔〜」を基本理念とし,子どもの幸せを考える視点,安心して子育てが出来る視点,地域社会みんなで子育てを支援する視点を基本としているところでございます。保健福祉施策としては,母と子どもの健康の確保と子供たちが健やかに育つ環境の観点から,妊産婦の健康審査や保健指導の充実や医師,保健師等専門職による継続的な相談体制の確立,気軽に相談できる電話相談「ママの安心テレホン」を設置して育児不安の解消を図るとともに,各種講座の開設や育児情報誌「もりおか子育てぶっく」の配布など,育児知識や社会資源情報の提供に努めているところでございます。

児童福祉施策といたしましては,在家庭に対する子育て支援の重要性が高まっていることから,電話や面談による子育て相談,就学前の親子が自由に遊べる場づくり,公立保育園一斉開放などの子育て支援センター事業を実施しているところであります。

女性施策といたしましては,子育てに対する負担感の一つである「育児は母親だけの義務」という固定的な役割分担意識にとらわれず,子育ては家庭の中で男女が共に携わっていくものという意識の啓発,環境整備に努めております。

〔教育長答弁〕

教育長に対する質問にお答えします。
「盛岡市の子育て支援について,教育施策としてどのような観点から取り組んでいるのか」についてでありますが,子どもが個性豊かに生きる力を伸ばすことができるよう,子どもの実態を踏まえ,家庭教育の手引き「子どものこころ」や「こどものしっけ」などの家庭教育啓発資料の配布や,中央公民館での「なでしこ幼児家庭教育学級」や上田,河南,西部,都南公民館での「こんにちはママさん」などの家庭教育講座の開設等,家庭や地域の教育力を向上させるための支援の充実という観点から取り組みを行っております・。

次に,盛岡市の性教育についてのご質問でございますが,性教育につきましては,人間尊重,生命尊重,男女平等の基本に立って,学習指導要領に基づき,学年の発達段階に応じた指導を行っております。

具体的には,小学校3,4年生で,思春期における体の変化,中学校1年生で,生殖機能の成熟について,そして,こうした体の変化への適切な行動の在り方について学習し,また,中学校3年生では,エイズ及び性感染症の予防等の学習もしております。

さらに,中学校では,望まれない妊娠を防ぐためにも,自他の生命と人格を大切にした男女交際の在り方など,性行動の選択能力を高めるための教育も行われております。
以上
ご質問にお答えいたしました。

 ■ 交通需要マネジメントについて


交通需要マネジメントとは、自動車の利用方法を見直すことで交通渋滞の緩和を図ることでTDMとも呼ばれています。渋滞緩和策としては、電車など公共交通機関への利用転換、パークアンドライド、共同利用などで、 自動車利用量の低減にもつながるため、大気汚染防止の点でも期待され、取り組む自治体が増えています。

@ 総合交通計画と関係して

盛岡市のTDMは時差出勤とオムニバスタウン事業が上げられます。特にオムニバスタウン事業は、通勤・通学や日常の足としてバスを利用した成功例として全国から注目を集めています。成果があった事業だと私も思っています。

松園・都南・青山ゾーンバス実証実験結果報告によれば、松園で行った「マイカー利用者対象のモニター調査」では75%の人が「バスを利用しても良い」と回答をしました。また、都南ゾーンバス利用者の29.3%は実証運行前の交通手段は自動車であり、青山ゾーンバス運行前によって交通手段を変更した人は5.2%とのことですが、実際にオムニバスタウン事業の実施によって、自動車からバスに交通手段を変えた人はどのくらいいるのでしょうか。(大変調査しづらい性質の質問だとは思いますが)推定でも結構ですので教えてください。その方々が交通手段を変えると決断した一番の理由は何でしょうか。

また、バスレーンが取れない狭い道路においては、バスも渋滞に巻き込まれてしまい、自動車との差別化が出来ない状況にあると報告されていますが、これに対する対策をお聞かせ下さい。策定予定の総合交通計画の中で、マイカー規制などのバス優先策を行うお考えはありますか。
マイカー規制に関連してお聞きしますが、朝の中央通りの渋滞は、路肩に停車している車両が原因で引き起こされている事がずいぶんあるように感じます。通勤通学時間帯は特に対策を講じる必要を感じるのですがお考えをお聞かせ下さい。

総合交通計画についてお聞きします。
オムニバスタウン事業や青山新駅について関わっていく中で、私は交通施策について勉強せざるを得なくなりました。当初は解らなかったのですが、色々知るにつれ、交通施策は環境問題のみならず、まちづくり、それも道路計画や都市計画だけではなくて、産業振興やコミュニティの問題などにも大きく関わっていると思うようになりました。

議会でも何度かお話しをいたしましたが、私は軸状都心構想には大いに疑問を持っており、いわゆる「コンパクトシティ派」です。しかしながら現実には、盛岡市はもう、かなりの大きさに拡散してしまっています。高齢化が進むにつれて暮らしづらい地域が生まれる可能性が大きいが故に、これから選択する交通施策によっては、まちづくりの結果が180度も異なったものになるのではないかと思います。

どのような総合交通計画を作っていく構想なのでしょうか。都市を拡大していく方向性が頭打ちになっている今、市長の考えるまちづくりを基本として、総合交通計画の基本的な方向性をお聞かせ下さい。

また、京都議定書の発効により、二酸化炭素排出量の削減が義務づけられました。盛岡市の目標値をお知らせ下さい。交通という側面から行う対策を具体的に教えてください。

そして最後に、道路上における「それぞれの交通手段の理想的な配分」はどのくらいだとお考えですか。TDMの目的から考えれば、交通分担率の目標数値と目標達成年次を決めるべきだと私は思います。ご見解をお聞かせください。

A 自転車の利用について

盛岡市における理想的な交通分担率がどのくらいなのかまだ私には解りませんが、現状を見る限りでは、少なくとも市街地での自動車占有面積を減らす必要があると思います。

2000年の国勢調査によれば、盛岡市民の通勤通学手段の49.6%が自家用車です。東京8.3%大阪14.0%に比べられないのは仕方がないとしても、名古屋36.0%仙台40.5%に比べても、非常に高い率で自家用車を利用している事が解ります。方や公共交通を利用している人が、東京60.9%大阪44%名古屋31.7%仙台26.9%であるのに、盛岡はわずか10.2%。つまり、自家用車利用率の高さは公共交通手段が少ないため、と考えられます。

盛岡の通勤通学手段で特徴的なのは、自転車利用の多さです。自家用車につぐ20.7%もの利用率で、自転車利用者が非常に多いと言われる大阪の24.6%にも迫る勢いです。ちなみに他の3都市は、東京14.0%名古屋16.1%仙台13.7%です。冬期間の道路凍結を考慮に入れれば、盛岡の利用率は驚異的です。

この調査結果を知り、私は目から鱗が落ちました。当初、私は「公共交通が少ない盛岡市で渋滞を減らしていくためには、自転車利用の促進に力を入れるべきだ」と考えていました。自転車は私的交通ですが、道路占有率は低いし、環境に負荷を与えない乗り物だからです。今もその考えは基本的に異なりませんが、私が思っていた以上に、自転車はすでに盛岡市民の主要な交通手段になっているのです。だからこそ盛岡市は、自動車について施策を講じるのと同じ位の力量を持って、自転車についても、取組まなければならないのではないでしょうか。今、自転車利用には沢山の問題が生まれています。なぜならば道路構造例においても、道路交通法においても、自転車は冷遇され、放置されているからです。

様々な人達が道路を利用します。自動車・歩行者・自転車・自動二輪車・車椅子の人もいます。「道はみんなのもの」だから、それぞれの交通手段の人たちで道路を分け合わなければならないはずです。しかし、現実は「道は自動車のもの」なのです。1970年、道路を作る場合の道路構造の一般的技術基準である道路構造例が、まず自動車車線の数や幅を決定するなど、自動車主体の考え方に改正されました。その結果、車道は軽快車タイプの自転車、いわゆるママチャリで走るのには危険な場所になってしまい、「緊急避難的に」一部の歩道走行を許可する形に道路交通法が変わりました。それが現在まで続いており、自転車が歩道上で人身事故を起こすまでになってしまっています。

具体的な問題について述べたいと思います。
まず「自転車走行のルールがなし崩しになっている。また、利用者がルールを知らない」ということが上げられます。ここでお聞きしたいのですが、原則的に自転車は何処を走るべきなのでしょうか。歩道は全て自転車走行可ですか。歩道を走る場合、進行方向に対して右側の歩道を走るべきなのでしょうか。それとも左側ですか。歩道のどの場所でも走っていいのでしょうか。専門の方も含めて何人かの方にお聞きしましたが、答えはバラバラでした。

私は自動二輪車に乗ることが多いのですが、右側の歩道を走ってきた自転車が、そのまま車道に出て右側走行を行っているのを頻繁に見かけます。こういうケースがあまりにも多いので「車道では自転車は左側通行」という法律を知らない人が多いではないかと思うのです。自転車を利用する人たちは、道路交通法を何処で学ぶのでしょうか。私が子どもの頃は、学校で行う安全教室で教えていただきました。今、全ての人にそのような機会が保証されておりますか。

二つ目は「歩行者にとって自転車が脅威になっている」ことです。自転車は思っているよりも早い乗り物で、時速20q位を出すのはそれほど難しいことではありません。速度が出るタイプの自転車であれば、原動機付自転車の制限速度である時速30q以上のスピードで走ることが出来ます。先ほど述べましたように、自転車は歩道の何処を走るのか、ほとんどの人が知らない、または意識していない現状ですし、そもそも舗道上の区分けは非常に曖昧です。大変危険ではないでしょうか。

消極的な形で脅威となっているのは歩道への駐輪です。歩行者の邪魔になっているばかりではなく、点字ブロックを隠して駐輪している自転車には大きな問題があります。このままで良いとお考えでしょうか。

最後に「自転車で目的の場所まで行けない道路事情」です。走れない道路があるのです。例えばマリオスロードがそうです。西側から旭橋に向かって自転車で走ってくると、途中で歩道がなくなり、階段になります。そのまま車道を走っていくと、旭橋の手前で、車道の真ん中に停車せざるを得なくなります。階段ほどではなくても、歩道の段差や路側帯のでこぼこなど、段差があると自転車は走られないのです。6月頃から、自転車利用についてアンケートをお願いしているのですが、やはり「道路をフラットにして欲しい」という意見が目につきます。このような現状をどうお考えですか。

 今お話しした問題は、盛岡市が自転車という交通手段に目を向けて行けば、解決することだと私は思います。「自転車安全条例」を制定した東京都板橋区を先日視察させていただきましたが、区職員が交代でまちに出て、違法自転車走行に対して指導を行っているそうです。対応していただいた方は「誰かが先導して自転車のルールを教え守らせていかなければ、自転車が加害者になってしまう」とおっしゃっていました。今のままでは、環境に対しても街に対しても優しい乗り物であるはずの自転車の良さが、ちっとも活かされていないのです。

道路交通法の周知徹底と指導、安全教室の実施、道路改善や駐輪場の設置、それに加えて法律では規定されていない部分のルール、例えばスポーツ車は車道を走行するとか、車線での左側通行遵守を守るために歩道走行の場合も左側走行を奨励するなどを盛り込んだ「自転車条例」を盛岡市も制定するべきだと思います。条例制定は自転車問題を解決するだけではなく利用促進にもつながっていく、と私は考えるものですが、ご見解をお聞かせ下さい。


〔市長答弁〕

次に、交通需要マネージメントに関しまして、まちづくりの考え方を踏まえた総合交通計画の基本的な方向性についてでありますが、まちづくりにつきましては、市基本構想に基づき、「人々が集まり・人にやさしい・世界に通ずる元気なまち盛岡」を目指して、人口の推移や少子高齢化の進行など社会動向を的確に捉え、総合的かつ計画的に進める必要がございます。

その中におきまして、総合交通計画につきましては、円滑な交通を確保するためバス・鉄道等各交通手段や道路等交通基盤を総合的に捉えた交通体系の構築を図ることにしており、その方向性といたしましては、マイカー利用から公共交通機関であるバス・鉄道への転換を図るためのバス走行環境の改善、それから新駅設置等による利便性の向上、また、自転車の利用促進と歩行環境の向上を図るための駐輪場整備や放置自転車対策、通学路を中心とした交通安全施設等の整備を図ると共に、広域交通や物流に対応するための基幹道路等の整備を目指すことにしているところでございます。

また、これらの具体化に向け、本年度と来年度の2ケ年で今後の総合的な交通体系の方針及び計画を策定することにしております。策定にあたりましては、市総合交通施策懇話会やワークショップ、市民フォーラムの開催等幅広く市民の方々の意見も反映させながら進めると共に、合併を控えております玉山村や周辺町村も対象といたしまして都市圏としてバランスの取れた交通計画を策定して参りたいと存じます。

〔建設部長答弁〕

交通需要マネージメントについてのご質問にお答えいたします。
まず,オムニバスタウン事業についてでございますが,オムニバスタウン事業により自動車からバスへ交通手段を変えた方がどのくらいいるのか,また,変えるとした一番の理由についてでありますが,市の直接の調査結果はございませんが,松園ゾーンバスにつきまして平成14年度の岩手県立大学の卒業論文が市に提供されておりまして,松園地区の居住者455人からのアンケート調査の回答によりますと,バス以外の交通手段からバスへ転換した方が7%で,転換理由は回答数の多い順に「バス停が近くにできた」,「運行本数が増えた」,「車内の混雑の減少」等となっております。なお,松園ゾーンバス全体の利用者につきましては,平成13〜16年度の間に毎年3%程度の増加が見られる状況にございます。

また,バスレーンが設置困難な狭い道路においてバスが渋滞に巻き込まれる対策についてでございますが,これまでも,交差点における一般車柄進入禁止や混雑区間を迂回するバス路線の新設等の対策を行っている状況にあり,今後につきましても,短期的には一般車柄の進入禁止や一方通行規制の強化,長期的には道路拡幅や代替路線の整備等の対策が考えられますが,交通規制に対する沿道の方々の意見や事業費確保等の課題もありますことから,バスの走行環境向上のためは、どのような方策が望ましいのか、今後策定を予定しております総合交通計画の中で様々な視点からご意見をいただき,検討して参りたいと存じます。

また,総合交通計画でのマイカー規制等のバス優先施策を行う考えにつきましては,総合交通計画の検討をしていただく市総合交通施策懇話会において,検討テーマの一つとして「マイカーを抑制し公共交通や自転車の利用を促進するにはどの様にすればよいか」を設定したところでございまして,これらの検討結果を踏まえバスの優先策を実施して参りたいと存じます。

また,通勤通学時間帯における中央通の停車車両の対策についてでございますが,中央通の朝夕の通勤通学時間帯におきましては,バス専用レーンが設置されており,その区間におきましては,既に駐停車禁止の交通規制がなされておりますことから,ご指摘の趣旨を所轄の警察署に伝えて参りたいと存じます。

また,市の二酸化炭素削減の目標値および交通の側面からの具体的対策についてでございますが,市環境基本計画におきましては,ご案内の京都議定書を踏まえ二酸化炭素の排出量を平成22年において,平成2年の排出量である市民一人あたり1.69炭素換算トンとする目標値を定め,削減に取り組んで参りました。

交通の面からの具体的施策につきましては,ゾーンバスシステムの導入やバス専用レーン設置等の公共交通の利用促進による自動車交通量の削減,道路の整備や違法駐車防止等の交通流の円滑化,低公害車の普及やアイドリングストップ等の施策が位置付けられております。

また,交通分担率の目標数値及び目標達成年次の設定につきましては,総合交通計画におきまして円滑な交通を確保するため各交通手段が今後どのような役割分担を果たすのが望ましいのか検討することにしておりまして、目標値及び目標年次の設定は、その結果を踏まえ設定が可能かどうか判断したいと考えておりますが、いずれにいたしましても市民にわかりやすく成果が実感できる目標値を設定することが望ましいと考えております。

次に,自転車の利用に関して,歩道上の自転車走行及び駐輪についてでございますが,道路構造令では,自転車の交通量が多い道路におきましては基本的には自転車道を設置し歩行者と自転車を分離することが原則となっており,地形の状況等やむを得ない場合においては,この限りではないとされております。実際の道路整備にあたりましては、道路の幅員を決定する際の地元との協議や事業費の関係等から、自転車道を設置した路線はほとんどない状況であり、路肩や歩道・停車帯を利用して通行しているのが実態でございます。

しかし、基本的には,道路構造令が示すとおり歩行者と自転車の分離が望ましいと考えておりますことから、今後策定を予定しております総合交通計画と,その策定段階での議論を踏まえながら、既存道路での歩行者に安全な自転車通行の方法の検討を行うと共に、今後の道路計画にあたりましても自転車の通行需要を予測しながら自転車道の設置について取り組んで参りたいと存じます。

また,歩道における駐輪対策につきましては,特に駐輪が著しい大通りにおきまして,昨年実施いたしました盛岡シネマタウン社会実験結果を受け,改めて駐輪場設置の社会実験を行う予定としており,この結果を踏まえ駐輪場確保に取り組むと共に,大通りを含め対応が必要な地域につきましては,今後とも地域の方々や市民団体等のご協力も得ながら整理誘導等の対策に努める外,歩道環境づくりへの市民意識の啓発をどの様に行なって行けば良いか,ということにつきましても検討して参りたいと存じております。

また,道路をフラットにして欲しいとの意見についてでございます。
議員御指摘のとおり,「マリオスロード」につきましては,自転車,歩行者にとっては利用しにくい道路構造であると認識しております。

一般的に,以前に造られた歩道は,歩行者の安全を確保するため,車道との区別を明確にする目的で,「マウンドアップ」方式を採用しております。これらにつきましては,すでに歩道の高さに合わせて宅地利用がなされておりますことから,一律にフラット化することは費用が多大となり,非常に困難であります。

しかし,市では「人にやさしいみちづくり」事業に取り組み,そのなかで市内の交差点部分等につきましては,岩手県県土整備部が作成した「まちづく りユパーサルデザインガイドライン」等に基づき段差の解消等に努めており,今後も歩行者や自転車利用者にとりまして,より利用しやすい歩道となるよう取組んで参りたいと存じます。
以上でございます。

〔市民部長答弁〕

次に,自転車は歩道のどこを走るべきかとのことについてでございますが,道路交通法によりますと,自転車は軽車両に区分され車両の一種であることが定められており,歩車道の区別のある道路では車道の中央から左側部分の左側端に寄って通行しなければならないとされております。

また,自転車通行可の指定がされている歩道は通行することができることとなっており,歩道上に自転車が通行すべき部分が道路標示によって指示されている場合はその部分,道路標示による指示がない場合は歩道の中央から車道寄りの部分を徐行して進行しなければならないと規定されております。

なお,左右両方の歩道に自転車通行可の指定がある場合は,そのいずれの歩道を通行するのも可となっております。

次に,自転車を利用する人たちは,道路交通法をどこで学ぶのかとのことについてでございますが,市内全ての小中学校を対象に交通安全教室の実施についての説明会を開催し,それを受けて各学校では交通安全教室を実施しておりますことから、学習機会は保証されているものと理解しております。

〔市長答弁〕

次に,自転車条例制定についてでございますが,本来,自転車を安全で快適に利用するためには,利用者一人ひとりがルールやマナーを守って,利用することが何よりも大切であると存じております。

そのため,交通安全教室の開催時には自転車の正しい乗り方や点検・整備の指導を実施しているほか,事故事例を紹介するなど,日頃から交通安全意識の高揚に努めているところでございます。

今後は,これまでの取り組みに加え,当市のホームページの活用や,市民活動団体との連携も図りながら,歩行者の安全確保と自転車の安用やマナー向上について,より市民一人ひとりに浸透させる方策を条例化も含めて検討してまいりたいと存じます。

 ■ 雫石クリーンセンターについて


株式会社マイトリーが雫石町長山に産業廃棄物処理場を建設する計画を、今年1月に発表しました。長山には御所湖に流入する川が流れています。中屋敷浄水場の上流に産業廃棄物施設が出来るとなると、不安が拭い切れません。
現在までの経過と盛岡市のお考えをお聞かせ下さい。


〔部長答弁〕

雫石町内において建設計画があります産業廃乗物の中間処理施設,(仮称)雫石クリーンセンタ一につきましては,本年1月に岩手県環境影響評価条例に基づいて,事業者から県に届出書の提出があり,県において審査の結果,3月に第二種事業に該当する事業であり,詳しい環境アセスメントが必要であるとの判定が出されたところであります。

このことから,事業者において環境アセスメントを実施する方向で,調査の内容や手順を示す方法書の作成準備を進めていくものと考えられます。

しかしながら,新聞報道によりますと,雫石町長は昨日の町議会において,事業主からのきがないことや,住民等の反対運動を考えると施設の建設はないものと判断しているとの見方を示されたと報じられておりますが,県によりますと,県の判定後,事業主からの動きは特にないということでありますものの,市といたしましては,引き続き,事業者や,県及び雫石町の動向を注視してまいりたいと存じます。

なお,御所湖への影響についてでございますが,仮に事業が行われたとしても,現在公表されております計画では,処理施設の排水についてはクローズドシステムとなっており,公共水域には流出しない計画となっておりますので,直接的な影響はないものと考えております。
以上でございます。

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