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そして、これから
「今すぐ自衛隊を返そう！県内一万人行動」へのご協力に心から御礼申し上げます。

　日本時間4月15日午後9時頃、イラクのファルージャ付近で誘拐・拘束されていた3人の方々が解放されたニュースが入りました。
　かねてから自衛隊のイラク派遣に反対していた私は、この事件が日本で報道された翌日の4月9日から、広く県民の皆さんに呼びかけ、3人の方々の命を救うために自衛隊の即時撤退を求める活動へのご協力をお願いしてきました。事件の解決にあたり、たくさんの県民の皆様が行動を起こし、声をあげてくださったことに、心から御礼申し上げます。
　本当にありがとうございました。

　今回の「解放」までに至ったのは3つの理由があると思っています。
　その一つ目は拘束された3人の方の今までの活動です。彼らが今までもイラクの国民のために活動していたということは、解放の大きな根拠になったと思います。
　二つ目は、イラクの宗教指導者やイラク国民、そしてＮＧＯの人たちの行動があげられると思います。これらの方々の努力は大変なものだったでしょう。また、メディアの協力も大きなものだったと思います。
　そして最後に「3人を助けよう」と声をあげた多くの市民の力が、イラクを始めとする全世界に届き、「解放」のために奔走した方々の大きな支えになったのではないでしょうか。

　今回、ご協力いただいた市民の皆さんの力は目を見張るものがありました。
　ささやかではありますが、20年とちょっとばかり平和運動・人権擁護運動に関わって来た私も、経験したことのない「市民パワー」を連日感じながら、活動させていただきました。私たちが行なった記者会見が報道された日には、首相官邸の連絡先の問い合わせが必ず事務所に入りましたし、署名が百数十人分ＦＡＸで送られてきたこともあります。街頭では、何人もの方が「もし、自分の子供だったらと思うといたたまれない」と涙を浮かべて署名をしてくださり、その場で宣伝活動に参加をしてくださる方もいらっしゃいました。私の知らないところで、政府に要請をしてくださった方も多いと思います。
　この様な動きは、全国で、全世界で、行なわれました。
　その力が、報道を通してイラクの人たちの目に触れ、今回の事件の解決に向かったのだと、私は確信しています。

　「今すぐ自衛隊を返そう！県内一万人行動」は3人の方の拘束を受け、緊急に賛同人を募って始められたものです。ですから、事件の解決をもって終了するのが筋だと考えます。この名称を使用しての活動は、皆様への謝辞を述べさせていただきながら、本日終わらせていただきたいと思います。

　しかし、子細はいまだ不明ですが、更に2人の日本人がイラクで誘拐されています。ファルージャ周辺で米軍の「掃討作戦」という名の「イラク民間人虐殺」が続けば続くほど、ジャーナリストを始めとする外国人の誘拐事件は多発すると思われます。
　「危険な地域には行かなければよい」という論調がありますが、私はこの考えには大きな疑問を持っています。戦闘地域で何が起きているのかを知るためには、国家や軍隊の側からだけの情報では、正確な判断が出来ない可能性が高いからです。現に私は、現地で救援活動をしている方の文章を読むまでは「ファルージャでは救急車までもが狙撃されている」事実を知りませんでした。ですから、解放された3人の方が日本に戻られたら、イラクの現状をできるだけ多くの方に伝えていただきたいと思っています。(おかしなことですが、一部で彼らの発言を規制しようとする動きがあるように思われます。ご注視ください)

　そしてまた、私たちが気づかなければならないことは、帰るべき場所がある方とは違って、イラク国民は戦闘地域から逃げられないということです。
　私は今回の事件の過程で、イラクで起きている悲惨な事実をたくさん知ってしまいました。日本が、そして自衛隊が、イラクの人たちにどう思われているかも解りました。
　彼らを見殺しにしたくありません。
　理不尽なイラク戦争に巻き込まれ、今殺されていこうとしているイラクの方々の命を守ってあげられないものでしようか？
　私たちがやれることはないのでしょうか？

　きっと出来るはずだ、と私は思います。
　今回の事件の解決で働いた力が、再び、もっと大きく動くことがあれば、きっと出来るはずだ、と。

　日本政府がやるべき事は、自衛隊の派遣やジャーナリスト・ＮＧＯなどのイラクへの入国禁止措置ではありません。
　イラクにおける一切の戦闘行為を中止するよう、米国政府に働きかけることです。自衛隊を撤退させることです。
　ぜひ皆様も、そのために、それぞれの場所で、声をあげ続けてくださいますようお願いをいたしまして、今回の行動の結びとさせていただきます。

　
2004年4月17日
「今すぐ自衛隊を返そう！県内一万人行動」
呼びかけ人　いせ　志穂
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