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            | 1 これまでの経緯
 簗川ダム取水事業は、平成5年に第7次拡張事業の認可を受け、事業を推進してきたところである。しかし、その後の社会情勢等の変化により、本事業の見直しについて、県と水需給の動向及び各種リスクヘの対応など多角的に検討を行い、また、この検討内容を踏まえ、共同利水者の矢巾町とも協議を行ってきたところである。
 
 2 検討内容
 
 (1)水需給の現況(H13)
 (御所ダム水源(51,800m3/日)は含まず)
 
 
        
          注:6市町村:盛岡市、矢巾町、滝沢村、紫波町、玉山村、雫石町
            |  | 行政区域内 人口(人)
 | 給水人口 (人)
 | 供給量 (m3/日)
 | 実績1日 最大供給量(m3/日)
 | 実績1人1日 最大使用水量
 (g/人・日)
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            | 盛岡市 | 282,480 | 277,233 | 126,700 | 104,382 | 377 |  
            | 6市町村 | 427,609 | 405,744 | 192,258 | 154,737 | 381 |  
 
 
 (2)将来の平常時水需給動向について
 
 T 目標年度の設定
 ・目標年度は、平成37年度とした。
 
 U 人口推計
 ・目標年度までの人口推計は、平成2年、平成7年及び平成12年の国勢調査値を基に、コーホート要因法を用いて、盛岡市及び広域6市町村で推計した。
 
 V 需要水量の推計
 ・過去10年間(平成4年度〜平成13年度)の水道使用実績に基づく1人当たりの水道使用量等原単位と、Aの人口推計を基に、需要水量を推計した。
 ・新規の開発に係る水量については、定量的な推計が難しいため、加算しない。
 ・給水区域内に存在する専用水道・条例水道のような小規模水道については、今後の規制強化や老朽化等の事情により市町村水道への切替えも考えられることから需要水量として見込む。
 
 W 供給水量(水源)の考え方
 ・ダム水、表流水は将来的に使用可能な範囲で利用すること。
 ・地下水についても使用可能な範囲で有効に利用すること。
 ただし、水量減及び枯渇の事例もあることから、現在の取水量の50%に減量し、地下水水源への負荷を軽減し有効に利用する。
 ・原水の水質悪化及びその懸念がある水源については、廃止する。
 ・効率的経営の観点から、小規模水源(1,000m3/日未満)は廃止する。
 ・簡易水道の水源については、経営的・地域的条件により上水道に統合できない事情もあるので、現状維持とする。
 
 X 平常時の水需給動向
 表−1
 
 
        
          注:上記水量には、御所ダム水源(51,800m3/日)含み、簗川ダム水源含まず。
            |  | 行政区域内人口 (人)
 | 給水人口 (人)
 | 安定供給量 (m3/日)
 | 計画1日 最大供給量
 (m3/日)
 | 過不足量 (m3/日)
 | 1人1日 最大使用水量
 (g/人・日)
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            | ○高位推計値 |  
            | 盛岡市 | 280,140 | 276,870 | 169,150 | 124,738 | 44,412 | 451 |  
            | 6市町村 | 464,690 | 454,910 | 192,988 | 207,028 | △14,040 | 455 |  
            | ○低位推計値 |  
            | 盛岡市 | 254,790 | 251,810 | 169,150 | 113,660 | 55,490 | 451 |  
            | 6市町村 | 442,160 | 432,860 | 192,988 | 197,455 | △4,467 | 456 |  
 
 Y 検討結果
 盛 岡 市 ‥・現有水源で対応が可能である。
 6市町村   将来的に安定給水を確保するためには、現有水源では不足を生じ、ロス率を見込んだ取水量ベースで約15,000 m3/日〜5,000m3/日程度の水源が必要となる。
 
 
 (3)各種リスク対応について
 
 非常時における水需給については、渇水、水源汚染、地震、洪水、岩手山噴火及び浄水場更新による供給量の減少を想定し、水需給を検証した。
 
 盛 岡 市 … 水源汚染・洪水時等には、現有水源では不足が生じ、簗川ダム水源は必要である。
 6市町村 … 各種リスクに対し、簗川ダム水源を満量確保する必要がある。
 
 3 今後の方向性
 
 将来に亘って安定した水道事業を運営するためには、いかなる状況にも対応できるよう安定した水源を確保することが必要であり、そのためには、本市周辺で開発可能な最後のダムである簗川ダム水源を確保することが望ましいと考える。
 しかし、今後の水需給の動向や厳しい財政状況等から総合的に判断し、利水量を減量し、利水参加を継続するものとする。
 なお、利水量等については、臥 県及び矢巾町と更に協議する必要がある。
 
 
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            | 参考 ○簗川ダム取水事業の概要
 
 
        
          
            | 目的 | 盛岡市水道第7次拡張事業に基づく水源開発 (平成5年12月17日変更認可)
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            | 取水量 | 31,000m3/日 |  
            | 費用 負担額
 | 約62億円(総事業650億円の9.5%) |  
            | 財源内訳 | 国庫補助金 3/6 | 31億円 |  
            | 一般会計 2/6(1/6が交付税措置) | 21億円 |  
            | 水道事業会計 1/6 | 10億円 |  
            | 事業期間 | 平成4年度〜24年度 |  
            | 進捗率 | 約28%(平成15年度末) |  |  
            | ○県営簗川ダム建設事業の概要 
 
        
          
            | 目的 | 洪水対策、農業用水、水道水、(水力発電) |  
            | 事業費 | 約650億円 |  
            | 費用負担割合 | 河川管理者  88.41% |  |  
            | かんがい事業者  0.29% | 平成16年度に減量 |  
            | (電気事業者  0.30%) | 平成16年度に中止 |  
            | 矢巾水道事業者 1.50% | 5,000m3/日 |  
            | 盛岡市水道事業者 9.50% |  |  
            | ※負担割合は、当初計画値 |  
            | 建設工事予定 | 平成18年度:本体着工 平成19年度:国道106号供用開始、県道一部供用開始
 平成20年度:本体掘削
 平成23年度:本体工事完成後湛水試験
 平成24年度:完成
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