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イラクへの自衛隊派兵をやめさせましょう

 自衛隊のイラク派遣は、今後の日本のあり方を考える上で、大変重要な問題だと思います。
昨年の12月議会で可決された「自衛隊のイラク派遣に反対する決議」に賛成した立場から、また、同21日に開催された「平和を願うつどい in 盛岡」の実行委員の一人として、皆さんに一緒に考えていただきたいと思います。

 空爆で3人の子どもを失ったアリ・サクバンさん

 盛岡市で開かれた綿井健陽さんの講演会(主催:綿井健陽さんに話を聞く会/ 中村哲医師講演会準備委員会)で、バグダット陥落の次の朝に米軍が行なった大規模な空爆によって、3人の子どもを亡くしたアリさんのビデオを見ました。爆弾の破片を頭に受けた次女シハードちゃんを病院に運ぼうにも米軍の装甲車が道路を封鎖していて、やっとたどり着いた3つ目の病院でシハードちゃんは亡くなりました。負傷者が並ぶ病院で「脳が飛び出しているんだ。子どもを助けてくれ」とカメラに向かって叫ぶアリさんの姿を思い出すと、ただ悲しく、やるせない気持ちになります。(昨年7月24日、ニュースステーションで報道されました)
 綿井健陽さんホームページ
 イラクに住む人たちの命を脅かしているのは空爆ばかりではありません。1991年の湾岸戦争から米軍は、天然ウランの濃縮処理過程で派生する劣化ウランを弾頭に使用した砲弾、いわゆる「劣化ウラン弾」を使用しています。綿井さんのビデオの中でも「この10年間に白血病や甲状腺ガンに罹患する人は15〜20%も増加している」とイラク人医師が話していました。
 劣化ウラン弾による被害の実態と人体影響について
 今もたくさんの罪のない人たちが、米国が始めた戦争の犠牲になっています。


ここに掲載している写真は広河隆一さん撮影によるものです。
ナセル市場の爆撃で負傷した子ども。アルヌール病院で 3 月 21 日の爆撃で負傷した子ども。この病院はバグダッドを米軍が占領した後、徹底的に略奪された。アルヤルムーク病院で
バグダッドの象徴だったサダムタワーに隣接する電信電話施設も爆撃された ナセル市場の爆撃で負傷した子ども。アルヌール病院で

 戦争の口実にしかすぎなかった「大量破壊兵器」

 「湾岸戦争の後、イラクは生物・化学兵器の大規模生産を再開せず、大量の備蓄はなかった」という判断から、大量破壊兵器の調査を行なっていた米国調査団の団長が辞任しました。
日経BBニュースhttp://www.excite.co.jp/News/world/20040124114200/20040124E30.027.html
 ブッシュ大統領は「イラクは大量破壊兵器を保持しており、危険だから攻撃をする」と言いましたが、これは戦争を始める口実にしかすぎなかったことが濃厚です。
 米国が一方的に「世界の安全にとって危ない国だ」と判断すれば攻撃を仕掛けても良い、とはあまりにも乱暴であり、危険な考え方です。

 なぜ日本は自衛隊を派遣するのか?
 米国と日本のお金の上での結びつき

 米国の財政赤字は2年連続で過去最大。今年度は5200億ドル(約55兆円)に達する見通しです。ブッシュ大統領は5年間で赤字を半減させる目標を掲げていますが、来年度の国防予算は7%増の4017億ドル(約42兆円)と破格の扱い。その他にも減税など大統領選を前にして「選挙受け」の良い予算を組んでおり、赤字の解消は難しいと思われます。
 (参考資料 岩手日報2004年2月3日 一面記事)
 破綻寸前の米国財政を買い支え、ブッシュ政権を助長しているのが日本です。
 国家破産32http://www.asyura2.com/0311/hasan32/msg/712.html
 日本政府も国債や地方債など、合わせて900兆円近い借金を抱えています。財政危機を理由にして国民に負担を強いているのにも関わらず、昨年日本が行なった円売り・ドル買いの総額は20兆円を越え過去最高。今までの最高である1999年の7兆6000億円と比べると約三倍にも登ります。おまけに来年度はこの資金を140兆円まで引き上げる予算を組んでいるのです。
 このドルで政府は米国の国債を大量に買っています。政府が公表していませんので、日本が総額で一体いくら位の米国債を所有しているか解りませんが、少なく見積もっても70兆円、へたをすれば数百兆円の公的資金が日本から米国に流れています。
 国家破産32
 http://www.asyura2.com/0311/hasan31/msg/717.html
 http://www.asyura2.com/0311/hasan32/msg/700.html
 フランスやドイツに見られるように米国は国際的に孤立しつつあります。財政状況がこれだけ悪化し、回復の可能性が少ない米国政府に対して、これだけの資金投入を続けているのは日本と中国だけです。戦争を続ける米国の財政を買い支えるためには、一体いくらの資金が必要なのでしょうか?日本一国でできることではありません。
 それにも関わらず、小泉首相は米国との「運命共同体」の道を選びました。お金の協力だけではなく、米軍物資の輸送なども協力すべく自衛隊をイラクに派遣したのです。

 テント一張り、NGOが運べば1万5000円。自衛隊が運べば56万円!

 あるNGOが民間企業や現地の人たちを雇って、イラク難民のためのテント122張りを180万円の費用でイラクに運び入れました。自衛隊は160張りのテントを運ぶのに1億円かけ、おまけに運んだテントがヨルダンで滞っているとのこと。
 「戦争に行くのではない。自衛隊は復興支援に行くのだ」と小泉首相は言います。それならば現地の人たちの雇用につながる形で、もっとお金を有効に使うべきです。今回の自衛隊派遣の当初予算は約400億円。このお金をNGOが使えれば、自衛隊の何十倍、何百倍もの復興支援ができることでしょう。

 武力によらない貢献を


03年12月21日に盛岡市で行なった「平和を願うつどいin盛岡」でのキャンドルパレード
 戦争は多くの市民を犠牲にして、一握りの人たちを肥え太らせます。
 だからこそ私たちは第二次世界大戦以降、武力に頼らず世界に尊敬される国になろうと努力してきました。
 戦後約60年間、国家の名の下に自衛隊が他国民を殺害したことはありません。
 戦火の絶えないアラブ諸国に暮らす人たちに親日家が多いのは、日本が「決して殺さない国だから」ではないでしょうか。この信頼を大事にしなければならないと思います。 
 日本がしなければならないことは、米国の攻撃を止めさせる調停です。今回の戦争に反対する他の国と力を合わせて、米英のイラク占領を終わらせることです。そうすれば、もっと多くのNGOや民間企業が復興支援の活動をすることができます。放射能汚染の調査や被爆者に対してもっと効果的な治療をすることもできるでしょう。
 小泉首相はまやかしを語っています。
 イラクの国民に必要なのは、自衛隊という名の軍隊ではありません。
 歴史や文化は違っても、同じ市民として「平和に暮らしたい」という願いは同じはずだと私は思います。どうぞ、イラクに暮らす人たちに想いを馳せてください。そして、日本が米国に加担せず平和的な解決策を提案するよう、声をあげてください。



 イラク戦争反対の催し

(いずれも実行委員を募集しています。お問い合わせください) 
「Peace Forum 2.21 岩手地区集会」
2004年2月21日(土) 13:30〜16:00

滝沢村アピオ 第4会議室
藤田祐幸慶応大物理学助教授講演
「イラクの人たちは今−劣化ウラン弾被害の現状」

映画「ヒバクシャ−世界の終わりに」上映会
2004年3月13日(土) @14:00〜 A18:00〜
盛岡劇場

@Aとも上映後、鎌仲ひとみ監督が講演します。

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