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市長所信表明 03.9.12

2003年9月市議会定例会

 平成15年9月市議会定例会の開会に当たりまして、市政執行についての所信の一端を申し述べ、議員各位をはじめ市民の皆様の御理解と御協力を賜りたいと存じます。

 21世紀を迎えた最初の市長選挙におきまして、多くの市民の皆様の御信任を得まして、市長に就任をいたしました。社会経済情勢が大きく変化し、様々な変革が求められている中、今後4年間の市政を担うこととなり、その責任の重大さに身の引き締まる思いがいたしておりますとともに、決意を新たにいたしているところでございます。
 皆様から寄せられました信頼と期待に応えるため、行政運営の一層のコストダウンやスピードアップを常に意識し、市民に対する情報公開と説明責任を徹底しながら、市民の皆様との対話による市民本位の開かれた市政を目指してまいりたいと存じておりますので、議員各位におかれましては特段の御理解とお力添えを賜りますようお願いを申し上げます。

 今日の我が国は、右肩上がりの経済成長が終わりを告げ、長引く景気の低迷による雇用への不安を抱える中、少子高齢化の急激な進行、高度情報化や国際化などの進展、環境重視への価値観の変化、さらには、地方分権の進展や財政の硬直化、広域行政への対応など、大きく変化する社会経済情勢のもとで、行財政の健全運営と改革に努めながら、多様化・高度化する市民ニーズを的確に把握し、そして、これから進むべき方向を自立的に選択かつ決定し、様々な行政課題に取り組んでいく極めて重要な時期であると存じます。
市政の運営に当たりましては、現状と課題の総点検を行い、目指すべき方向性を明らかにいたしますとともに、継承すべきは継承し、改革すべきは改革するという姿勢やこれまでの先例に一切とらわれることなく、非連続の改革の視点で、さらには、民間的な発想や市民の目線で、職員の英知を結集しながら、多様な行政ニーズにも適切に対応し得る持続可能な行財政の構造改革に一丸となって取り組んでまいります。改革にはスピードが求められますことから、年内を目処に行財政構造改革ビジョンと工程表を策定してまいりたいと存じております。
 今、市の財政は極めて厳しい状況にありますことから、企業会計方式による財務諸表の作成や外部監査の導入により、行財政運営の透明性を高めますとともに、民間委託の推進や可能な事業へのPFI方式の導入を図ることや既に計画が決定されている事業についても必要に応じて見直しを行うなど、負担の軽減を図り、財政の健全化に取り組んでまいります。また、市の事業量や事務量に対応した身の丈にあった適正な組織規模の検討や私自身を含めた人件費の見直し、そして、行政機構の一層の効率化を図り、市民サービスの質的向上とスピード化を進めてまいります。

山積している課題の中でも雇用対策は喫緊の課題であると認識をいたしておりますことから、新たに雇用対策室を設け、雇用の実態把握や雇用の大幅な確保などの対策を早急に措置するとともに、観光や特産品加工など地域固有の産業のブランド化による産業の活性化や地域資源を生かしたコミュニティビジネスや起業家などを育成し、雇用の創出や若者の定住促進を図ってまいりたいと存じます。
 また、長引く不況や大型店の進出などにより、地元商店街の空洞化が極めて深刻な問題となっておりますことから、商店街の在り方や大型店との共存の方策などを各界、各層の皆様と一緒に練り上げるとともに、商店街の景観醸成による誘客活動や商業地域への居住の促進、駐車場の整備など可能な範囲で支援を行うことなどによりまして、中心市街地の活性化を図ってまいります。
 さらには、東北新幹線の八戸延伸や恵まれた交通網、歴史・文化など多様な観光資源を最大限活用しながら、周辺町村との連携によりまして広域的な観光の推進を図るとともに、行政と民間の力を結集して、魅力ある商品開発などを支援してまいりたいと存じます。

 少子高齢社会への対応につきましては、子どもを生み育てるための環境整備を進め、子育て支援を強化するとともに、教育、医療、福祉等の分野に横断的な施策を推進していくなど、子どもの健全育成を学校等の施設のみならず、家庭や地域とともに緊密なる連携のもとに推進してまいります。また、高齢者の方々の知識や経験をまちづくりに生かす取り組みや高齢者・障害者のための諸施設の充実を図るなど、すべての人が安心して暮らせるユニバーサルなまちづくりに取り組んでまいりたいと存じます。

 次代を担う人材の育成につきましては、先人の業績を顕彰し、教育に活用するとともに、心身ともに健やかに成長するための地域における環境整備を推進いたします。また、国際感覚を持つ人材の育成を図るために、諸外国の文化や外国語教育を推進するとともに、今もあるスポーツ少年団の一層の活発化や文化少年団について育成支援に取り組んでまいります。
 また、誇るべき個性あるまちづくりを目指しまして、例えば、姉妹都市ビクトリアに倣い、ハンギングバスケットなどで街に花を飾ることや緑あふれる公園の整備とその活用、里山の緑の保全などによりまして、花と緑があふれるまちづくりに取り組みますとともに、自然エネルギーの活用による環境にやさしいまちづくり、除雪事業の徹底による冬でも安心して暮らせるまちづくり、各種審議会等の女性委員の登用による男女共同参画の社会づくり、さらには、交通渋滞や犯罪のない安全で住みやすいまちづくりなどに取り組んでまいりたいと存じております。

 地方分権が進む中、将来にわたって効率的で安定した行政を行うためには、市町村合併は必要であると認識をいたしております。そのため、近隣の6市町村で構成しております盛岡地域合併問題研究会を開催する中で、関係する首長と胸襟を開いて意見交換を行い、市政改革への取り組み姿勢や実情を示しながら、相互の理解が深まるよう努めますとともに、住民の方々への情報提供を充実させ、アンケートや懇談会など様々な機会をとらえながら、早急に意見集約に努めてまいりたいと存じます。

 今後のまちづくりの基本となります新しい総合計画につきましては、低成長社会、少子高齢社会、環境共生・循環型社会といった時代の潮流の中で、市民の視点で市民ニーズを的確に捉えまして、県都としての役割や市民起点の考え方を意識し、より多くの方々の御意見や御提言を反映させながら、市民満足度を高めることを目指しまして、夢のある地域の未来を描いてまいりたいと存じます。
 また、北東北3県の交流の要としての優位性を生かした機能の充実や地域が有するかけがえのない誇るべき自然と伝統文化、多くの先人の方々の御努力と御功績により築かれた豊かな財産などを生かし、広域圏の町村との連携を図りながら、人々が集まり活気ある盛岡を創造し、将来の世代に引き継いでいくため、職員と一緒になって全力投球してまいりますので、議員各位の御支援と御協力をお願い申し上げるものでございます。





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