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中村哲医師講演会報告

 前回のニュースでお知らせした「中村哲医師講演会」は、8月5日午後7時から県民会館中ホールで、600人以上の方の参加で開催されました。日本とアフガニスタンの関係にとどまらず、異文化への理解やODAのあり方など様々な問題提起があった講演でした。それに加えて、中村先生の「生き方」に感動した方も多数いらっしゃったのではないかと思います。
ご協力いただいた皆さん、ありがとうございました。

<心に残った中村先生の発言(要旨)>

 ペシャワール会はこの18年間、現地の文化を尊重してきたので、地域に受け入れられ必要な人々に必要な援助ができるようになった。西欧の文化の尺度等で、現地の人々の優劣をつけてきた援助団体はアフガンからやがて去っていった。昨年のアメリカの空爆は、大干ばつで100万人以上の餓死が予想されている時期に、海外封鎖で物資の搬入を阻止した上で行なわれた。ペシャワール会は空爆の最中に「アフガンいのちの基金」をたちあげ小麦を配給した。
 タリバン以後、自由になったと報道されているが、それは「ケシを作る自由・餓死する自由・誇りを失う自由」だと思う。マスコミの報道とアフガンの現状は違う。例えば「ブルカ」は女性の伝統的な衣装であって、現在でも田舎のほうに行くとほとんどの女性が着用している。それは「タリバンにむりやり着せられている」とかいうものではない。「先進国の価値観がアフガンの価値観より進んでいて正しい」という考え方はおかしいのではないか。
 一番大切なのは、何が真実で何が嘘なのか自分で判断しようとする姿勢を持つことであり、真実を知ろうと努力することだと思う。たとえマスコミに登場しなくても、自分の仕事を黙々とやっている人はいる。そうやって自分自身の出来る範囲で、やれることを精一杯やることで良くなっていくのだと思っている。

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