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2001年9月議会一般質問

 まずはじめに簗川ダム建設事業についてお伺いいたします。

 8月21日開催の平成13年度第2回岩手県公共事業評価委員会において簗川ダム建設事業は4つの意見を付して事業継続となりました。私は何度か部会も含めて県の公共事業評価委員会を傍聴させていただきました。その際、岩手県県土整備部の方が「簗川ダムの建設は地元からの強い要望がある」ということを何度も強調されたという印象があります。また、8月21日には斉藤水道事業管理者も部会にいらっしゃいまして、事業継続を主張されました。私は盛岡市が率先してこの事業を県に要請することに大きな危惧を抱いています。ダムに対する評価が大きく変化しようとしている中、簗川ダムは盛岡市民の生活にとって、670億円の事業費を払い、豊かな自然環境を破壊してまでも早急に建設せねばならない物なのでしょうか。この事業に関しては沢山疑問がございますので順次質問させていただきます。

 簗川ダム建設事務所が発行しておりますパンフレットを読みますと「一番に洪水を防ぐ」となっておりますので、まず治水の観点から伺っていきたいと思います。

 簗川ダム建設事業の必要性を説明する際に県土整備部は簗川の洪水被害を理由の一つに挙げています。また、簗川ダム建設事務所発行のパンフレットには『流域は台風期の豪雨では毎年のように洪水の被害を受けている』と記載されています。そこで1998年に盛岡市が市民に配布した「洪水ハザードマップ」を参照し簗川流域の被害状況を市内の各地域と相対的に比較してみようと思いました。このハザードマップは2日間で226ミリ程度という最大規模の雨により、市内を流れる川が氾濫した場合の浸水予測に基づいて作成されたものです。これを見て私は大変驚きました。最も深刻な被害を受けるのはむしろ盛岡の中心市街地です。東は加賀野4丁目、山岸2丁目のあたりから本町、大通を通って西は盛岡駅前北通の一部、そして南は北上川沿いに東仙北一丁目、東安庭の終末処理場のあたりまですっぽりと2メートル以上の浸水があり得る地域となっています。ハザードマップを見る限りにおいては、この市街地の浸水は簗川よりも中津川に起因すると思われます。人命の安全と資産を守る為に居住人員や資産集積の多い中心市街地の対策を行うべきだと私は考えますが、簗川ダム建設を優先する理由についてお答えください。

 また、このハザードマップと今年の8月気付で県土整備部が公共事業評価委員会に提出した公共事業再評価(補足資料、資料No.5)を見比べていて疑問に思ったことがあります。県土整備部の資料の中に1/100時洪水氾濫区域を示した図があります。これは2日間雨量を210ミリと設定して浸水予測をしたと記載されております。ハザードマップは2日間雨量を226ミリと想定していますから、つまりハザードマップよりも16ミリ、雨量が少ないわけです。それなのに、県土整備部が出した資料の方が浸水地域が広くなっているのは何故なのでしょうか。うがった見方をするわけではありませんが、洪水の避難を示す地図には浸水地域が小さく記載されているのに、ダム建設事業継続という立場の県が作成した資料では浸水地域が広く書かれているという事は、ことさら被害を強調されているようにも取られかねない記載に感じられるのですがいかがなものでしょうか。

 参考までにハザードマップと県土整備部の両資料作成の際に想定した葛西橋での流量をそれぞれお示しください。


 ハザードマップとの整合性にも増して、私が不思議に感じているのは簗川流域の浸水被害の実態です。先ほど述べました県土整備部資料(資料No.4)の巻末に新聞記事が付いておりました。1958年、79年、88年、90年の浸水被害についての記事です。新聞記事を読む限りに置いて90年の国道106号線の決壊の直接的な原因は、新たたら山橋建設工事中の資材が流れ下流の仮橋に引っかかったためという事ですので、この場合純粋な雨量の増加による浸水被害とは言えないのではないかと思います。とすれば、90年代以降、新聞記事では簗川流域の浸水被害は追いかけられないことになります。そこで簗川ダム建設事務所発行のパンフレットにあります『毎年のように起きている洪水』の実態について調べたいと思いました。市に対して被害額の公開を7月上旬からお願いをしております。ところが、8月下旬になっても市には県から資料が届かないとのこと。本当に簗川流域では毎年のように洪水が起きているのでしょうか。

 なぜ治水のためにダムを早急に造らなければならない場所で、被害状況のデータを出すのに2カ月以上の時間がかかってしまうのでしょうか。大変疑問です。1976年以降の簗川流域で起きた浸水被害の件数、規模、被害状況、被害額を年度ごとにお教えください。

 次に利水についてお伺いいたします。
 6月議会で庄司議員の質問に斎藤水道事業管理者が「御所を開発した段階でなかなか40万人は難しい」とお答えになっております。それでは一体御所開発の時点で何人の水を確保する計画でしょうか。それぞれ浄水場別にお答えいただければと思います。

 上水道事業第7次拡張事業では2016年度までに計画給水人口38万5640人となっています。不況がますます深刻化していく現在、盛岡市の人口より10万人も多い、到底不可能な計画給水人口を想定するのは何故でしょうか。現実と大きくかけ離れた計画は過剰投資をもたらします。全国平均失業率が5パーセント代に達し、岩手県の求人の少なさは全国で3番目と言う状態で過剰投資を行なえば市民に大打撃をもたらします。給水人口38万5640人が可能な社会経済情勢の認識と給水人口計画を達成する市長の計画をお聞かせいただきたいと思います。

 8月21日の公共事業評価委員会に出席された水道事業管理者は盛岡市の立場として簗川ダムの事業継続の必要性を列挙いたしました。A最終的には簗川ダムは広域で取り組む問題である。B河川氾濫の際の沢田浄水場に対するリスク回避。C突発的事故による河川の汚染に対応するため、の以上3点です。そこでお聞きしたいのは、現在盛岡市の給水能力では水需要に追いつかないということでしょうか。また、ここ15年以内で盛岡市に置いて渇水の経験があるかどうか、あった場合その被害状況をお教えください。

 もし、水需要がそれほど逼迫しているとしても、何故すぐに「ダム」となってしまうのか疑問です。例えば雨水利用については全く検討をなさっていないのでしょうか。最近では気象の長期的異変のせいか、短時間に集中して大量の雨が降る事が多くなっていると聞きました。都市型の洪水が最も起きやすいケースです。集中豪雨を受けやすい地域では、治水・利水の両方に使用できる雨水の遊水池をつくっているところもあり、将来的には盛岡市でも充分考えられることなのではないかと思います。いかがでしょうか。

 次に、簗川・根田茂川流域の自然環境保護の観点からお伺いいたします。
 市長はダム建設予定地域に行かれたことはございますか。簗川・根田茂地区をどのように評価なさっていらっしゃるでしょうか。まず、その二点についてお聞きしたいと思います。

 簗川・根田茂川流域は盛岡地区有数の動植物の宝庫です。それはこの地域は渓流環境、森林環境、人里環境が比較的まとまっている為に、層の厚い生き物が生息する事が可能になっているからです。県内ではこの様にまとまったものは大変珍しいとされる落合のケヤキ林、またフクジュソウ、ヤシャゼンマイなど27科35種の貴重な植物種。ヤマセミ、カワセミ、クマタカ、オオタカ等の鳥類。カモシカ、カワネズミ、トウホクサンショウウオ等々。この場では列挙できないほどの「もうすでに簡単にあちこちでは見ることの出来なくなった動植物」がこの地域に存在します。ダムの建設はこの地域の生態バランスを大きく崩す事になるでしょう。絶滅危機種を増やすことにつながっていくのではないでしょうか。一つの種の絶滅によって崩れた生態系が元の均衡を取り戻すまでに約1000万年もの時間が必要とされるのだそうです。現在は生物が誕生してから6度目の大量絶滅期だと言われています。このまま生態系の破壊が続けば、種としてのヒトにも何らかの大きな影響を与えるのは必至です。そのような状況の中「豊かな生物が存在し、生態系の均衡を保っている地域はその環境を守ることで種の絶滅に歯止めをかけるべきだ」という考え方が世界的に主流になってきています。市長のご見解をお伺いたします。

 県は生態系保全対策として自然環境の復元、ビオトープの建設などを計画しているそうです。しかし、ビオトープは、自然を失ったいわば大都市で作る模擬自然環境であって、自然を壊してビオトープを作るのは滑稽でしかないと思うのですが、市長はどうお考えですか。私は残念ながら国内において自然環境の復元に成功した例を知りません。どの様な計画で自然環境を復元するのでしょうか。国内でその前例がありましたら教えてください。

 私は先に示されました「緑の基本計画」は大変良いものだと思っています。特に「緑は文化である」という考え方に大変感銘を受けました。私たちが普段何気なく目にしている里山の自然は、盛岡の先達が手をかけ心をかけ、自然と共生しながら創りあげてきたものです。歴史的建造物に敬意を払うように里山の自然に敬意を払い、次世代に譲り渡していくことも文化の継承なのではないでしょうか。市長のご見解をお伺いいたします。

 簗川ダムの建設によって多くの動植物と生態系バランスが失われることとなれば、盛岡にとって大きな損失となると思います。簗川ダムがそれ以上の価値を持つものかどうか、何を持って市長はご判断なさるのでしようか。今から6年前の県の調査では簗川ダム建設について知っている盛岡市民は約2割。知っている人が2割というのは、賛成・反対以前の問題です。「市民がダム建設を求めている」とは決して言えません。また、この間大きな社会情勢の変化がありました。建設費の倍増によって盛岡市の事業費負担が63億6500万円に跳ね上がったのみならず、脱ダムの動きが欧米で大きく広がり、国内でも長野県ではダム以外の水対策を検討してします。この情勢から見れば、簗川ダム建設事業をどうするのか、市長は市民に問いかけなければならないのではないですか。なぜ市長が市民の意向を調査せずに事業継続の決断を下せるのか、私には不思議でなりません。『プラザおでって』の正面入り口設計で生じた問題を貴重な経験として真摯に受け止めるのであれば、簗川ダム建設の是非に関する市民意向調査を行うべきだと私は思いますが、お考えをお聞かせください。

 次にオムニバスタウン事業に関して、特に現在松園地域で行なわれておりますゾーンバス実証実験に関連してお伺いたします。

 昨年12月議会の一般質問の中で、私はバス事業に関していくつかの提案をさせていただきました。その提案を『車両・バス停の識別案内』などに反映させていただき、ありがとうございました。
 私は盛岡市街地の渋滞を緩和させる為には街を走る自動車の絶対量を減らしていく事、つまり公共交通の拡大が最も現実的で効率的な解決方法だと思います。ですからこの事業は積極的に推進するべきだと考えます。しかし、すでに『でんでん虫』が走っております市街地、現在実証実験が行なわれている松園地区、太田・湯沢・手代森循環等が予定されている南部地区、そして青山地区、これら4つのゾーンバス導入地域はそれぞれ客観的条件が大きく違っています。そこの地域に合わない方法を、型にはめるようなやり方で行なったても効果は上がらないと思います。行政に期待されていることは、地域住民とバス事業者の間に入って調整能力を発揮することだと思います。

 松園ゾーンバス実証実験開始以降、バス沿線では騒音・排気ガス等により居住環境が一気に悪化しました。まずそれに関連してご質問いたします。
 コースによって異なりますが、ゾーンバスは最長5時55分から23時45分まで10分から60分刻みで運行されています。それに加えてバスの始発と終点がどちらも松園バスターミナルの為、バスのプール地である松園営業所まで回送バスが走ります。私も8月後半の平日、午前7時から9時頃まで松園へ行ってみました。私が行った日はたまたま雨が降っていたせいもありまして、バス路線を歩いていると排ガスで具合が悪くなるようでした。松園地区は基本的には閑静な住宅街です。しかしゾーンバス実証実験開始から、一日中ひっきりなしに大型バスが通過するため排気ガスが充満し騒音に悩まされる場所に変わってしまったのです。これに対する対策をどのようにお考えでしょうか。今後、低公害車の導入計画などございましたらお知らせ下さい。また、何らかの形での実態調査を行うべきではないでしょうか。ご見解をお聞かせ下さい。

 これらの支線として使われている大型バスは果たしてどのくらいの乗客を運んでいるのでしょうか。ゾーンバスの在り方に疑問を持った松園にお住まいの方が数人で、ターミナルから停留所を1つ隔てた地点で支線バスの乗客数を始発から最終まで丸一日カウントなさったそうです。その資料を見せていただきますと、支線を走る大型バスは乗り換えなしのバスが20人の乗客を乗せていたのを除けば、通勤通学時間帯の乗客の多いときでも最大10人、平均では6.2人、少ないときは0から2人でした。空気運搬車同然のバスが日に何度も、全てを掻き消す爆音と、黒煙、悪臭を家の中まで撒き散らしながら、目と鼻の先を通る度に腹が立ってしようがないと、沿線の方々が口を揃えておっしゃっておりました。この状況から考えれば大型バスを走らせる必要はないと思います。小型バス、もしくは乗り合いタクシーなどの利用は検討できないものなのでしょうか。また、市として利用者数の調査をされたとお聞きしました。もし、現時点で結果が出ておりましたら教えていただければと思います

 9月からダイヤの改正がされる予定であるとお聞きしました。乗り継ぎの不備を解消するためのダイヤ改正だと伺いましたが、その際に乗降客が少ない時間帯や路線は本数を減らすべきではないかと考えます。ダイヤ改正にそのような視点があるのかどうか、また今後ダイヤの改正をする際に地域住民からの声も取り上げるべきだと思うのですが,その点についてお伺いしたいと思います。

 さて、質問の二つ目です。ゾーンバス運行により渋滞は緩和する方向に向かっているのでしょうか。自家用車利用は減ったのでしょうか。本来の目的が達成されたかどうか、現時点での評価を教えてください。その際『ゾーンバス実施前、実施以降の松園における車両通行量』など比較検討できる資料を示していただければと思います。

 ゾーンバスを見学に松園におじゃました際、交通指導員の方が「実験運行が始まってからこの道路では自家用車が増えた様に思う」と話してくださいました。「乗り換えを嫌ってバスから乗用車に変えた人もいるらしい」と言う話を別の方から聞いたこともあります。もしこれが事実であるのならば、全く逆効果という事になります。真偽を調べるべきではないでしょうか。今まで市やバス事業者、マスコミなどに寄せられた感想・意見にはどの様なものがあるかお教え下さい。また、8月31日からバス利用客に対するアンケート調査が始まっておりますが、現在バスを利用していない方々に対しての意向調査は行わないのでしょうか。昨年12月議会でも述べましたが「自家用車通勤の方はなぜバスを使わないのか」を知ることがオムニバスタウン事業の成否の鍵を握ることになります。今後アンケートの方法や対象を広げる計画があるかどうかを伺いたいと思います。

 次に窓口業務、障がい福祉課の窓口について伺います。

 障がい福祉課は市役所庁舎の5階にあります。これは大変使いづらいのではないでしょうか。「エレベーターを利用すればよい」とおっしゃる方もいるかもしれません。しかし、市庁舎のエレベーターは利用者が多く、また時間帯によって大変待ち時間が長い場合があります。内蔵機能などに疾患をもたれている方の場合、エレベーターを利用しても大変つらいのだそうです。私事で恐縮ですが、私は6月に頸椎の手術をいたしました。7月後半に退院いたしまして市庁舎3階の議会事務局に行った時「結構大変だ」という感想を持ちました。窓口まで行きづらい状況であればあるほど、市庁舎からは足が遠のくと思いますし、疎外感を与えることになってしまうかもしれません。また、市の姿勢として障害をもたれている方が用事を足しづらい市庁舎というのは、やはりどうかと思います。障がい福祉課を訪れる方は、もちろん様々な体調の方でしょうけれども、やはり1階の出入り口に一番近いところで対応できればそれが一番良いことなのだと思います。他都市では1階に障がい福祉課担当の出先窓口を置いている都市もあると聞きますが、体の具合が悪い方への窓口サービスをどのようにお考えであるかお聞きしたいと思います。

 最後に児童の安全についてお聞きしたいと思います。

 昨年6月議会で子供の安全に関連して質問させていただきました。残念ながら、さらに状況は悪化していると思います。質問してからも「近所の公園では怖くて子供だけで遊ばせることが出来ない」などの声がたくさんあります事から、以前の質問に引き続き中村攻千葉大学教授の著書『子供はどこで犯罪にあっているか』の内容に沿って、犯罪が発生する場所の空間的特徴、つまり「区画整理によって生まれる公園、再開発地区、駅周辺、集合住宅団地等で樹木や建物の陰に隠れてしまう死角など、このような場所で犯罪が多発する」という考え方を下敷きにして盛岡市内を検証するという形で、この問題について再び質問させていただきます。
 まずはじめに学校施設について伺います。

 市内小学校全校の見取り図を見せていただきました。数校を除いて職員室もしくは校長室から校庭全体が見渡せるような配置を取っているのは大変評価出来ることだと思います。しかし、これは学校の構造上仕方のないことかもしれませんが、通用門が職員室や校長室から180度の角度に作られている場合が多いのです。このような構造になりますと通用門から昇降口まで職員の目に触れずに学校に侵入できる可能性が高くなります。安全のためとはいえ、全小・中学校を改修することは現実的に不可能です。そこでこのような構造上の欠点を補うためにどの様な対策をとったのか教えていただきたいと思います。 また、見取り図では解りづらい立木の状態を把握するため、盛岡駅より北西部、雫石川と北上川に挟まれている地域の小学校を調べてもらいました。最近の工法によれば児童の心の発達という観点から考えると、隠れる場所のない学校は問題があるそうです。しかし今回の調査で6校のうち2校が立木の繁茂により道路から校庭内が全く見えない状態でした。生徒や教職員がたくさんいる時間帯ならば問題はないかもしれませんが、放課後、または休日には危険な状態になりやすいかと思います。立木の剪定についてどのように指導されているのかお聞かせいただきたいと思います。

 8月議会で本宮議員の質問に教育長は「開かれた学校の方針は変更しない」と言う主旨の答弁を致しました。無防備に子どもを孤立させた空間を最小限にするためには、地域に開かれた教育こそが最良の方法だと私も思います。学校施設内で悲惨な事件が起きたことから、私の周りでも心配をしている保護者が沢山います。学校との連帯を強化し、安心感を取り戻すために、教育長がお考えになる『開かれた学校』のイメージを具体的にお教えください。また、それを創り出すためにどの様な方法をお考えでしょうか。

 次に地域の子どもの遊び場、特に児童公園を中心とした公園の安全についてお伺いいたします。先ほどと同じ地域、盛岡北西部の公園を22カ所に渉って、建物や樹木の陰に隠れて死角が広い範囲で生まれていないかどうか、調べてもらいました。
 昨年6月の答弁では「安全性については充分考えて造っている」という主旨の答弁を戴いた記憶があります。しかし、今回の調査では22カ所中8カ所の見渡しが悪く、死角が多い『怖い公園』という結果となりました。見通しの悪さを造っている原因は2つあります。一つは立地条件です。公園の周りに道路が無く、四方を窓が少なく玄関の側ではない、建物の側面に囲まれて造られたタイプの公園は、たいてい入り口も狭く中で何が起きているのか全く把握できません。例えば、青山西アパートの脇にある幼児の遊具が置いてあるスペースはこれに当てはまります。隣のアパートと民家、集会所に挟まれ死角となっているこの場所は、数年前子ども達のたまり場となりトラブルが起きたという話を聞いたことがあります。もう一つは立木によって視界が遮られるケースです。公園に立木は必要ですが、木の幹の間からある程度向こうが見える位が望ましいと思います。その為、公園に植える樹木の種類の選定は熟慮せねばならないですし、手入れを怠ってはならないと思いました。今回調べてもらった中では交通量の多い道沿いにありながら、低木としだれ桜の繁茂のため、遊具を置いているスペースが樹木ですっぽりと隠れてしまって密室化している所がありました。

 さて質問です。公園の樹木の枝払いなどは、児童の安全という観点から行われているのでしょうか。また、地域での子ども達の安全という観点から、どの様な街づくりを行っているのかお知らせください。現在行われている区画整理事業の中では、先にお話しいたしましたような立地上死角になってしまう公園を建設すべきでないと考えますがいかがでしょうか。


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