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2000年12月一般質問

まずはじめに、市長のお考えを2つの点にわたってお聞きしたいと思います。

一つ目は介護保険に関してです。

 市長は9月定例会において保険料・利用料の減免に関する庄司議員の質問に「介護保険制度は財政的に豊かであるかないか等による、あるいはそれぞれの市町村の施策のいろいろな展開に基づいてそういったものを取り上げるだけの余力があるかどうか、いろいろの事業との絡みもございまして検討されるものだと思っておりますが、原則はやはり国がこれは統一してやるべきものだと私は承知しております」と答弁されました。

 介護保険制度とは本来、介護を必要とする方々の選択の幅を広げる為に地域の中で支え合うものだったはずです。しかし現実には、10月から始まった保険料徴収によって困っている方がいらっしゃいます。一番苦しいのは生活保護を受給していない老齢福祉年金の受給者の方々です。私が以前うかがった所によると、年金額が3万円台の方もおりました。生活保護の受給は国民の権利ではありますが「出来る限り自分の生活は自分でやりたい」と考えている方々に対して「保険料が払えないなら生活保護を受けなさい」と簡単に勧めることは、私にはできません。

 9月中旬の新聞報道によれば、本県の山田町や岩泉町をはじめとして全国で数カ所の自治体が介護保険料の全額免除を決定しております。生活保護受給者だけは保険料を支払ってもその額が保護費に上乗せされ負担増にならないため不公平が生じるという理由からです。やり方はそれぞれの自治体で多少異なりますが、おおむね保険料の最も低い第一段階に該当する老齢福祉年金の受給者を対象に全額免除し、その分は一般会計でまかなう方式を採っているとのことです。現実に今困っている人を助けようとした施策だと思います。 所得の低い方の保険料・利用料に関しては、介護の現場で働く方々はもとより、盛岡市議会でも私だけではなくたくさんの議員の皆さんから「何らかの対応が必要である」とされてまいりました。盛岡市にも今現実に困っている人達がいます。私が市長にお聞きしたいのはこの人たちに対して盛岡市はどうすべきであるとお考えなのかということです。ご見解をお聞かせ下さい。


次に教育委員の任命についてうかがいます。

 盛岡市にも子供の教育に関する市民グループはたくさん存在しております。そのいくつかからお話を伺って解ったのは、ほとんどのみなさんが行政に対立していくのではなく、参画する方向を望んでいるということです。これは大変歓迎すべき事ではないでしょうか。
文部省は来年1月の通常国会に地方教育行政法の改正案を提出し、教育委員会の活性化策として、女性や若手を積極的に登用し、年齢や性別、職歴など多様な人員構成にするよう自治体に求める方針とのことです。現在の教育委員の方々に不満があるわけではありませんが、この文部省方針は魅力的です。そこで盛岡市における教育委員の任命についてのお考えをお聞かせください。


次に高齢者福祉についてうかがいたいと思います。

 秋田県では福祉エリア構想として、県内を3つのエリアに分け、高齢社会に対する福祉施設として、健康や生きがいづくり、社会参加や世代間交流、情報の収集や提供、総合相談各種の実習や研修、ボランティア活動の実践などに使える各種施設・機能を併せ持つ総合的な施設として、さらには市町村等における施設設備や事業運営等の施設整備や事業運営等の先導的役割を果たし得る施設として整備してきました。先日、控え室を同じくするみなさんと共に、秋田市内の中央地区老人福祉総合エリアを視察してまいりました。
御所野ニュータウンの中に産業用地、宅地等と並んで老人福祉エリアはありました。ちょうど盛岡市の小鳥沢まで含む松園地区の中に、流通センターと和敬荘、ふれあいランドがあるという感じの場所でした。

 老人福祉総合エリアでは浴場や温水プール、室内運動場、陶芸室や木工室などを備えたコミュニティセンター、高齢者総合相談センター、介護実習・普及センター、入居者数100名の特別養護老人ホーム、機能訓練室や幼児のプレイルームを備えた交流センター、そして入居者数100名のケアハウスが全て廊下でつながっており、まさしく様々な機能を併せ持つが故にボランティアや世代間交流がやりやすい施設となっておりました。実際、私たちが訪れた時にも、ケアハウスに入居されている方々が特別養護老人ホームでボランティアをなさっておりましたし、何組かの親子連れがプレイルームで遊んでおりました。将来的には県立病院の建設が予定されており、そうなれば医療と連携した形で、必要とする福祉サービスのほとんどをこの場所で供給することが出来る事になります。
盛岡では保険センター、社会福祉協議会、市立病院等が離れた場所に点在しています。かねてから「あちこちに行かなければならなくて不便だ」という声を耳にしておりました。秋田市のように大規模にそれを行うことは不可能かもしれませんが、ある程度機能を集中した箇所を作ることが効率的であると思います。お考えをお聞かせ下さい。


次にシルバーメイトについてお聞きしたいと思います。

 一人暮らし、あるいは高齢者世帯の方々とお話をすると、心の底で不安を感じているとおっしゃる方が少なくありません。災害の時、あるいは病気の時大丈夫だろうかという不安です。以前に比べて地域での交流が少なくなっており、今後もその傾向が続くであろうと予測される事からこの様な不安を感じる方々はますます増えていくと思います。市でも高齢者を考慮した災害訓練を行うなど配慮なさっている事は充分に感じられますが災害時のみならず日常的に援助を行う仕組みを確認できれば、これらの不安はかなり軽くなるのではないでしょうか。
 シルバーメイトが行っていることはそのようなことかと思いますが、その実践について教えていただきたいと思います。


次に、オムニバスタウン整備事業についてです。

 本年2月、推進地域に指定され来年6月から松園地区での実験運行が計画されると聞いております。質問と同時に若干の提案を致しますので、それについての率直なご意見も合わせましてお聞かせいただきたく思います。
「盛岡市におけるオムニバスタウン計画の概要」によりますと、都心集中型の都市構造や市内を流れる3本の河川による地理的条件から朝夕の通勤時に交通渋滞が発生し、それによってバスの定時運行が困難となり、バス離れと自動車依存の増大による渋滞の激化という悪循環を生じていることが計画策定の背景となっている、とあります。この渋滞を道路の改善のみで解消する為には、莫大な資金をかけて盛岡市を大改修せねばならず、現時点では不可能だと思われます。現実的な解決方法は、街を走る自動車の絶対量を減らしていくことしかないと私は考えます。ですから公共交通を拡大・発展させるというオムニバスタウン事業計画に私は大変期待しています。
まず、始めに教えていただきたいのは11月15日、29日の2日間に行われた、「マイカー自粛デ社会実験」の結果です。現時点での分析を教えてください。今後の交通規制などの案がございましたら、合わせましてお願いいたします。また、15日の一般公募参加者は一人もいなかったと報道されました。結果として何人いらっしゃいましたか。もし、振るわなかったとすれば、なぜだとお考えでしょうか。
98年度の市内のバス利用者は94年度に比べて10パーセントも減ったと新聞紙上で読みました。これは通勤時の「渋滞によるバスの遅れ」だけが原因でしょうか。休日にも大手百貨店やスーパー、量販店周辺は交通渋滞が起きています。時間帯別のバス利用者の増減について調査結果がありましたら教えていただきたいと思います。


 急速なモータリゼーションの発達に伴い、2~30年前から盛岡市の公共交通は衰退し続けてきたのではないかと思います。そして今、バスを使い慣れていないが故にバスを使わない、もしくは使えない人が増えているのではないでしょうか。
今年の夏、休日の夜8時頃、私は盛岡駅から青山町線のバスを利用して帰宅しようとしておりました。程なくバスが来て停留所に止まろうとしている時、私の後ろで待っていた家族連れと思われる方々が「このバスは滝沢営業所行きではないが家のそばのバス停に止まるのかどうか良く解らない」という内容のお話をし始めたのです。どこで降りたいのかうかがうと、前九年だとおっしゃる。そのバスは、行き先は忘れましたが、県営体育館経由でしたので前九年の3つある全ての停留所に止まります。その時気付いたのですが、私も県営体育館以降はこのバスが一体どこを走るのか良く解らなかったのです。乗車口が中央にあるバスの場合、運転手さんに聞くこともはばかられます。「だからバスって面倒くさい」となってしまうことが往々にしてあるのではないでしょうか。


 この経験以降、私は「なぜバスを利用しないのか」身近な人達に聞いてみました。回答を分類してまとめると以下のようになります。

1.時間に関すること。
・ 時間通りに来ない、着かない。
・ 運転時刻がまちまちで覚えにくい。

2.バスの車体に関すること。
・ ステップが高く乗り降りが不便である。

3.路線や行き先表示に関すること。
・ 路線の案内がない。目的地に行けるかどうか解らない。
・ 行先表示が解りづらい。

4.料金に関すること。
・ 料金が高い、あるいは料金が高いのではないかと思っている。
・ 乗り換えのたびに料金を支払うのが面倒だ。

 この他にも様々な要因が考えられますが、これらの声から導き出されるのは「利用者に対する情報が不足している」ということです。バス利用促進のためにはこれらの声に対して答えて行かねばなりません。一つずつうかがっていきたいと思います。
まず、時間に関することから質問したいと思います。

 定時運行の確保はすぐに出来ることではありません。前述の「概要」やパンフレットなどで指摘されている様にバス専用レーンなどの交通規制を行わなければならないと思います。バス専用レーンは32キロメートル予定していらっしゃるようですが、どこの場所をご検討なさっているのか教えてください。

 定時運行に直接はつながらないのですが、利用者にとって不便と感じることに、バスの発車時刻を知らないという事があります。バス停まで行ったら、あと数十分待たないとバスが来ない時間帯だった、などということは往々にしてあることです。

 電車に乗る時、私たちは時刻表を確かめてから駅に出かけます。しかしバスの時刻表を持っている家庭はほとんどありません。もちろんバスにも時刻表はあります。営業所や案内所で貰うことが出来ますが、若干PR不足を感じます。年間どのくらいの冊数が市民に配布されているのか教えてください。私の調査ではバスの時刻表がある事を知らない人が圧倒的でした。市民に知らせるべきではないでしょうか。現行の冊子式の時刻表は持ち歩きに便利なので、路線案内をもう少し丁寧にした上で駅前やバスセンターに常備しておけば、盛岡市民のみならず、観光客にも利用しやすくなると思いますがいかがでしょうか。また、もっと手軽な物として壁張りの1枚物の時刻表もあります。これならば新聞の折り込み広告と一緒に配布することが可能です。地域単位で細かく編集してあれば、より利用しやすくなります。本宮方面では新聞折り込みで配布されました。これです。見ての通り新聞社営業所がサービスで発行している物ですが、事業者あるいは行政の責任で全地域に配布するのは難しいでしょうか。仙台市交通局では普段バスを利用しない方々でも、普段利用しない時間帯や路線でも、出来る限りバスを利用して貰うために、市営バスの時刻を通知するFAXサービスを行っています。利用するバス停、行き先、平日か土日かなど必要事項を伝えればFAXで教えてくれるというものです。郵便でも同様のサービスを受けられます。ここまで必要かどうかは解りませんが、少なくとも、もっと時刻表の配布に力を入れるべきだと思いますがいかがお考えでしょうか。

 現行ではバスの発車時間が大変解りづらい状況です。その理由としてバス停の表記方法が複雑なことがあげられると思います。市街地方面に向かう場合、各停留所で表示されているバスの発車時刻は同じ経由・行き先であるにもかかわらず始発地単位でまとめられている為、直後に来るバスがいつなのか一目でわからないのです。この写真は舘坂橋停留所の表記ですが、この様に行き先が同じバスセンターなのに5箇所に分けて表示してあります。行き先が同じなら一つにまとめられていた方が断然便利です。ご検討いただけないでしょうか。また発着時間を覚えてもらうためにダイヤ編成を解りやすくするというのも一つの手です。例えば1日に10本前後の路線ならば、7時10分、8時10分などというように発車時刻の「分」の単位をそろえる、頻発している路線ならば、10分おきなどというように間隔を均一化する方法です。盛岡のバス路線は複雑にからみ合っておりますが、この様なダイヤ編成が可能かどうかお教えいただきたいと思います。


 次にバスの車体に関することについてお聞きしたいと思います。
これについては3月定例会で守谷議員が質問なさいました。その後計画に変更がございましたら教えて下さい。また、東北では仙台市交通局、福島交通、常磐交通の3事業所がノンステップバスを、仙台市交通局がリフトバスを採用しています。低床バス20台導入という計画の中にノンステップバス、リフトバスは含まれておりますか。盛岡市内を現在走っているワンステップバスのスロープ引き出しは運転手による手動となっています。ヨーロッパなどでは車いすを利用されている方がワンステップバスに乗る際、乗客の手助けがかなりあるそうですが、そういった方面での啓蒙活動などお考えでしょうか。


 次に路線や行き先表示に関することです。
現在バス停に路線図が掲示されているのは盛岡駅など少数で、他の停留所にはありません。ほとんどの停留所で複数の系統が通過するため、路線図は各停留所に必要ではないでしょうか。この写真は仙台市交通局のバス停留所の表記ですが、この様に路線図がはられています。特にゾーンバスの導入以降は、シャトルバスや既存のバス路線を組み合わせて利用していく事になるわけですから路線図の掲示は必須と考えます。また、運賃の掲示も合わせて行えば大変親切だと思うのですが、いかがお考えでしょうか。

 行き先表示が解りづらいという声も多いです。県交通の場合、系統番号が採用されていますがこの系統番号でバスを識別している利用者はほとんどおりません。みなさん車体の行き先表示を見てバスに乗ります。しかしこの行き先表示ですが、途中経由地が異なる場合も表示形態が全て同じとなっています。上の図が県交通で現在使われている物ですが下のように、ちなみにこれは仙台市交通局が行っている表示方法で書き換えた物ですが、こういう形に変えれば視力の弱い方でも、慣れていない路線に乗る場合でも使いやすい表示となります。どう思われますか。


 次に料金体系についてです。
安いということは、特に通勤通学にバスを利用する大きな動機になるはずです。ゾーンバス構想を成功させるためには、乗り継ぎ割引やフリー乗車券の導入を進めるべきだと考えます。東北地方の事業所で発売されているフリータイプの乗車券は現在10種あり周遊券タイプや数日にまたがって使用できる物などそれぞれ工夫を凝らしております。現時点での盛岡のバス料金に関する計画を教えてください。また、バス間のみではなく鉄道との乗り継ぎ割引をお考えでしょうか。レールアンドバスライドを提唱していることからも検討すべき事と思うのですがいかがでしょうか。それと合わせまして、日中の買い物客のバス利用促進のために、バス利用者に対する買い物割引制度なども面白いと思いますが、どう思われますか。

 そして、パークアンドバスライド・サイクルアンドバスライドについてお聞きします。その為の駐車場、駐輪場を何カ所くらい整備する予定でしょうか。全体計画が決定していない場合、ゾーンバスの実験が迫っております松園地区に関してのみで結構ですので教えていただければと思います。

 以上、大変細かい部分の質問で恐れ入ります。しかし、利用者にとって必要なのはこういった細かい改革です。利用する立場に立つことが、バス利用促進につながっていくと私は考えます。東北のバス事業を調べていくと民間の事業者よりも、仙台市交通局の健闘が目につきました。予算や規模からいえば盛岡の事業はそれよりも小さなものかと思います。しかし、創意工夫をこらすことで、仙台に負けない、盛岡ならではの公共交通を発展させていただきたいと私は強く望んでおります。その為にも、社会実験や運行実験に対して、都心循環バスでんでん虫の実験運行の際に行ったよりも広範な、感想や意見の集約を行うべきだと思いますが、その点についてご意見をうかがいまして、この項の質問を終わらせていただきます。


最後に障害のある子供の普通学級入学についてうかがいます。

 これからの時期は障害を持っている子供とその保護者にはつらい時期だと思います。現在では学校保健法に基づいて行われる就学時健康診断の結果で修学先を割り振る事になっています。10月頃に学校との話し合いを持ったのに最終的な結果が出たのは2月に入ってからになったという話を以前お聞きしました。多くの子供達が入学の希望に胸を躍らせている時、悶々として待っていなければならないのはあまりにも悲しいことだと思います。

 私は、以前介護保険の認定について質問した際にもお話しいたしましたが、障害の程度で線引きをすることは無理があると考えています。そしてやはり子供やその保護者が学区内の小学校に入学を希望するならばその気持ちを大事にせねばならないと思います。
新聞報道によりますと、文部省の調査研究協力者会議では11月6日に中間報告をまとめ、子供の修学先を指導する際の基準を40年ぶりに見直すと共に「合理的な理由がある場合には」重い障害があっても普通学級に通えるように手続きを見直すよう提言したとの事です。

 盛岡市は統合教育の実践をさらに拡大する方向であるとは思います。それぞれの小学校の現状によって設備や教員配置など若干の違いはあるかとは思いますが、今年度は地域の小学校に入学できるのかどうか解らずに待たされる子供がないように、全ての子供が祝福されて入学式を迎えられるようにしていただきたいと思います。教育長のお考えをお聞かせ下さい。



  市長答弁

 ただ今のご質問にお答えいたします。

 まず最初に、介護保険についてでございます。所得の低い方の保険料・利用料の軽減策についてでございますが、介護保険制度は、市町村が保険者となって実施することとなっておりますものの、本来、全国で統一された基準により、同一の水準の下に実施されるべき制度であり、それに向けて各保険者とも努力すべきものと考えております。

 したがいまして、軽減策につきましても、国が示した基準により全国統一で実施されるべきものと存じますので、市町村が独自に基準を変更して実施するべきものではないと考えております。

 しかしながら、所得の低い方々が保険料や利用料の負担を重く感じていることは事実であり、主としてもこれまでも全国市長会を通じて低所得者対策を国に強く求めてきておりますが、去る11月9日の全国市長会におきまして、特に、低所得者対策について、強い要望したところでございます。今後におきましても、速やかに解決するよう、さらにことについて要望を続けてまいりたいと存じております。

 次に、教育委員の任命についてでございますが、教育委員はご案内の通り、「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」第4条に基づき、人格が高潔で、教育に関し識見を有する者のうちから、地方公共団体の長が、議会の同意を得て、任命することとなっております

 本市におきましては、従前からこの規定に基づき、女性委員を含め登用を行っております。

 今後につきましても、法律の趣旨に基づき対応してまいりたいと存じます。

 次に、福祉施設等をある程度機能を集中した箇所を作るということについてでございます。

 当市の場合、これまで保険福祉施設としてもコミュニティ施設にしても、ある程度市の区域全体のバランスを考えながら施設を配置してまいりました。ただ人口が集中している地区ほどこうした施設の設置要望が強く、反面、そういう地区ほど用地の確保が難しいという実態がございます。

 秋田の御所野地区の場合、広大な土地を一気に開発したことに伴い、商業ゾーン、工業ゾーン、住宅ゾーンとともに大規模な福祉ゾーンが確保され、県・市および社会福祉法人の手によって、ご案内のような施設が建設されたものでありますが、当市の場合においては、保健福祉ゾーンとしてあれだけの面積を確保することが不可能であると同時に、仮にそれが可能であるとしても大規模施設を1カ所に集中させることが、市民全体の利便性という点からは、果たして好ましいことなのかどうかという問題も生じてまいります。

 ある程度の機能集積が、効率的であるということはご案内の通りでございまして、当市におきましても、これまでも複合施設を建設したり、盛南開発の区域におきましては、福祉ゾーン等も設置しておりますが、いずれ今後の施設建設におきましても、それぞれの地域の要望もうかがいながら、同時に市全体のバランスということも考えて施設を配置してまいりたいと存じております。

 次に、シルバーメイトの実践についてのお尋ねでございます。

 シルバーメイトは、高齢者を中心とする概ね20人以上の地域住民で組織する団体でございまして、1世帯に対して地域の実情に応じて3人から5人でチームを組み、概ね65歳以上の独り暮らし高齢者等で見守りの必要な世帯を対象に1日1回以上、訪問を行っているものでございます。

 現在約176人のこうした方々に対し、市内すべての地区福祉推進会でこの活動が行われており、簡易な生活上の手伝い、緊急時における関係機関等への通報、懇談等がその訪問の内容でございますが、こうしたことを通じて、孤独感や不安の解消に努めるということを大きな狙いとしているものでございます。

 次にマイカー自粛社会実験についてでございますが、実験日の11月15日は舘坂交差点と高松二丁目交差点で最大渋滞長が短くなるなどの効果があらわれましたし、29日は南大橋北たもと交差点や明治橋南たもと交差点、舘坂交差点で効果が表れておりますが実験日によって効果の現れた交差点が異なっておりますし、効果が現れなかった交差点もございました。今後、参加者に対するアンケートの分析や交通総量の検証などによりまして明らかになってくるものと存じますし、交通規制につきましても、実験結果分析を踏まえまして検討されることとなろうかと存じます。

 また一般の参加者につきましては、いわゆる公募の参加者は残念ながらおりませんでしたが、盛岡市快適通勤連絡会議を構成する団体以外の民間企業にも呼びかけまして多数の方々に参加していたきましたので、実質的には一般の方々も含めて実験が行われたものと存じております。

 次に時間帯別のバス利用者の増減についてございますが、バス事業所に紹介いたしましたが、そのような調査は行っていないとのことでございますのでご了承いただきたいと存じます。

 次に、バス専用レーンにつきましては、ゾーンバスシステム導入後に基幹バスが走行する予定の国道4号や、県道盛岡滝沢線、主要地方道盛岡和賀線、都市計画道路上田深沢線などを検討しているところでございます。

 次に、バス時刻表についてでございますが、岩手県交通では盛岡地区バス時刻表として毎年50,000部を作成し、市や公共施設の窓口、駅、各バスターミナルに常時備えておりますし、バスの日フェスティバルなどのバス啓発イベントの際に参加者に配布しているところでございます。

 しかし、ご指摘のとおりまだ周知が不足している部分もございまし、路線案内の充実や一枚物の時刻表の全地域配布などのご要望もございますので、配布方法などについて検討していただきますようバス事業者にお願いしてまいりたいと存じます。

 次にバス停留所の発車時刻の表記方法についてでございますが、行き先単位ではなくて発車地単位でまとめてあり、分かりにくいとのご指摘でございますが、現行の発車地方式を採用した経緯などを確認のうえ、わかりやすい表記方法を検討していただくようバス事業者にお願いしてまいりたいと存じます。

 また発車時刻の「分」の単位をそろえたダイヤ編成についてでございますが、始発での区切りのよいダイヤ編成は可能かと存じますが、路線途中のバス停留所では、朝と昼の所要時間の違いなどもございまして、必ずしも区切りのよい時間単位をそろえたダイヤとなるかは難しい問題と存じております。

 次にオムニバスタウン計画におけるバスの車体についてでございますが、現在のところ計画期間内に20台の低床バスの導入を予定してございまして、計画期間終了後も、車両更新時には順次導入する予定であるとバス事業者からうかがっているところでございます。

 また、ノンステップバスにつきましては、特に冬季の運航時の課題がございますので、バス事業者は、現在検討を進めているとうかがっております。

 なおリフトバスにつきましては、オムニバスタウン計画では導入の計画はございませんのでご了承いただきたいと存じます。

 次に、車いすを利用する方に対する乗客の手助けについてでございますが、まず事業者では乗務員が車いす利用者の手助けを行うことになっているとうかがっておりますし、お困りの方に対する乗客の手助けはお互いに支え合う地域社会の形成の上からも必要なことであると存じますので、バス啓発イベントなどを通じまして啓発活動に取り組んでまいりたいと存じております。

 次に、バス停留所におけるバス路線や運賃の掲示についてでございますが、バスの接近情報や運賃などのバス情報の提供の充実を図るため、現在岩手県バス協会などとともにバスロケーションシステムの導入を計画中でございます。

 次にバスの行き先表示についてでございますが多くの利用者から表示が不親切、見にくいなどの改善要望をいただいております。ご提案の方法も含めましてどのような表示が利用者にわかりやすいか、バス事業者などとともに研究してまいりたいと存じます。

 次に、料金についてでございますが、現在計画しておりますゾーンシステムは乗り継ぎが前提でございますので、バス事業者では、バスを乗り継ぐ場合に現行料金を上回らないように料金を設定するシステムを開発中でございます。

 またバスと鉄道との乗り継ぎ割引につきましては、レールアンドバスガイドを促進するためにも有効と存じますので、バス事業者及びJRに対しまして検討していただくよう要望してまいりたいと存じます。

 次に、日中の買い物客に対する割引制度につきましては、1000円で1200円分を午前10時から午後4時までの間使用できる買い物バスカードが平成9年から導入されているところでございます。

 次に、駐輪場、駐車場の整備についてでございますが、オムニバスタウン計画におきましてはミニターミナルに隣接して駐車場及び駐輪場を整備するほか、住宅地に隣接のバス停留所などに駐輪場を整備する予定となっておりますが、整備のための用地の確保など解決しなければならない課題がございます。

 来年度実験を予定しております松園地区におきましては終末処理場の1部をミニターミナルとして使用し、あわせて駐輪場を整備する方向で検討しておりますが、駐車場の整備につきましては、今後の課題となっております。

 次に、実験に対する感想や意見集約についてでございますが、来年の実験にむけまして、地元松園や緑が丘地区で計画の説明会を開催し、多くのご意見をいただきながら、より利用しやすいシステム作りに取り組んでいるところでございます。

 また、地域や団体からの要請を頂きまして手前講座を開催したり、市のホームページに計画を掲載しご意見をいただくなど、今後とも、広く意見や感想をいただくための仕組みをさらに充実させてまいりたいと存じます。

 以上私に対する質問にお答えいたしました。


 教育長答弁

 私に対する質問にお答えいたします。

 障害のあるお子さんも修学する学校を決める際には、医者や有識者などの専門家で構成されている就学指導委員会の答申をもとに、本人にとってどのような教育が望ましいのか、また、子供の将来にとってどのような教育が幸せなのか、保護者と十分協議し、保護者の意向を配慮しながら決定しております。

 修学すべき学校指定の中心についてございますが、保護者との相談が継続しているなど、必要最低限やむを得ない場合を除いて、ほとんどのお子さんには、健常児の子供と同じく、1月末に通知しております。また、すべての子が祝福されて入学式を迎えていると捉えておるところでありますのでご理解を賜りたいと存じます。


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