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2009年6月定例会 一般質問

2009.6.16 発言者 いせ志穂
  • まちづくりについて
    1. 基本的な考え方
    2. 施設などの配置
    3. 地域住民との合意形成
  • 交通について           
  • 市民参画について
    1. パブリックコメントのあり方
    2. 市職員のボランティア
  • 新型インフルエンザ対策について
  • 定額給付金について
音声

 最初にまちづくりについて質問いたします。

もりおかのまちづくりの基本的な考え方についてお聞きします。
都市計画マスタープランを読み直してみると、そこに掲げられているまちづくりの目標は
@山並みと河川に育まれ、歴史が息づくまち
A賑わいと活力があるまち
B個性ある都市の芸術文化が香るまち
C人と環境にやさしい機能的なまち、
の4つです。

ここから導き出される将来都市構想は、土地利用を山林・農地及び市街地の3つに分け、更に山林を2つに区分。以下の5つのゾーンに区分しているものです。
その5つのゾーンは
@山林として維持保全する自然保護ゾーン
A自然の公共公益的利用を図る都市環境調和ゾーン
B市街地と農地としての利用を図る田園・樹園ゾーン
C市街地ゾーン
D中心市街地の都市ゾーン
であり、既存の市街地を有効に活用するとともに「長期的に市街地の拡大が必要な場合に」東西の山林や丘陵地帯を守りながら計画的に市街地を形成するとしています。

ここから「周辺の自然を守りながら集落の活性化を図る」・「山並みの眺望を確保し歴史的景観や河川と調和した建築物を誘導する」・「都市圏の拡大を抑制しその効率性を拡大、中心市街地の魅力を高める」など、11のまちづくりの方針を導き出しています。

盛岡市が人口の拡大を前提とした20世紀型のまちづくりからの転換を図っていることについては、賛同し敬意を表したいと思います。特に、地域の機能を分割して、それぞれの役割を担わせることは、今までの社会的投資を活かしていくという点から、人口減少と財政規模縮小が容易く予測できるこれからの時代において優れている考え方だと思います。この考え方を貫徹するためには、地域別構想においてその地域が盛岡市全体に対してどのような役割であるのかということを明確にする必要があります。

さて、それではお聞きしたいのですが、盛岡を15の地域に分け地域別構想を策定しておりますが、それぞれの地域をその特徴から5つのゾーンに分類すると、それぞれがどのゾーンの特徴が強いのでしょうか。一つ一つお教えいただきたく思います。

また、地域別構想は住民ワークショップによって作った処が多いと思いますが、その役割分担について住民合意が取れているのかどうかについてお聞きします。

次に、今までお聞きしてきたことを前提として、各地域にどのような役割分担を担っていただくか、つまりどういう施設を建設し、どの程度の居住を見込んでいくのかについてお聞きします。

都市計画マスタープランでは、盛岡市を15の地域に分けておりますが、その中で特殊なのは中心地域です。
中心市街地活性化基本計画において「交流人口の増加を図り、回遊性を向上し中心市街地の活性化を図る」とされ、都市マスにおいても都市整備の方針に「中心市街地の魅力を高めていく」と記されているこの地域は、盛岡のいわゆるハレの部分です。

公的施設や娯楽施設は出来る限りこの中心地域に集中させ、それ以外のいわゆる居住区は、日常生活をおくる上で必要な施設、例えば支所・警察署・消防署・病院・銀行・日用品を購入できる商店などを保証していくことがコンパクトシティを形作る上で必要なことであると私は考えてきました。そのためには、この15の地域に住む人たちが現在の地域の状況をどのように考えているのか、何が不足していてそれをどのように補っていこうとしているのかを認識しておく必要があります。

私の認識に間違いがなければ、盛南・見前・渋民・好摩地区は地区別計画策定のためのワークショップを行っていないと思いましたが、これらの地域でのワークショップ実施について計画をお教えください。

さて、盛岡全体から見て盛南地区をどういう位置づけにするのかはとても大きな問題です。都市再生機構が区画整理を行っている部分を中心にして、盛南地区では宅地のみならず小売店や娯楽施設もどんどん増えています。

都市計画マスタープランには「長期的に市街地の拡大が必要な場合」という記載がありますが、私は今後、盛岡市の人口が急増することはないと考えます。で、あれば盛南地区の世帯数が増えるたびに、他地区の世帯数は減っていくことになるのではないでしょうか。
2000年からの世帯数の推移と、盛南地区の住宅建設予定数をお示しいただいた上で、盛岡市におけるこの地区の役割についてご見解をお聞かせください。

商店や娯楽施設が増えていき盛南地区の性格が中心地域と似通ったものになってしまった場合、盛岡市が進めてきた中心市街地の活性化に対する施策を根本的に突き崩すことにも繋がります。それは都市マスの基本的な考え方自体が崩れてしまうことです。

具体的な話を致します。今年度の初めに盛南地区へシネマコンプレックスの出店が取りざたされました。盛岡市は中心市街地活性化施策の一つとして大通り界隈で「映画のまち」施策を進めてきましたが、盛南地区にシネコンが出来てしまえばその施策を続けるのは困難だと思われます。私は先に述べましたように、中心地区はハレの役割を持ち続けるべきだと考えています。現在では、人口30万人の地方都市にこれだけの数の映画館が隣接してあること自体が珍しいという事ばかりではなく、その様な珍しい条件が長年守られてきたことによって、多くの盛岡市民は映画と映画館に対して深い思い入れを持っています。だからこそ、大通り界隈以外への映画館の新設を規制するべきではないかと考えるものです。

この様な規制をすることは可能でしょうか。可能であればどのような方法で行えるのかお知らせください。そして、中心地区以外へのシネコン建設に対する市のご見解をお聞かせください。
さて、先日の自分の経験からまちづくりについて考えたことがありますので、この場をお借りして提案差し上げます。
ご存じのことと思いますが、旧日本新薬盛岡工場の跡地に(仮称)盛岡市青山商業施設が作られる予定です。私は盛岡市所有の、あるいは日本新薬が所有していた旧覆練兵場の保存運動に関わった経緯もありまして、作られる商業施設の外観を隣接する覆馬場の景観を損なわない様配慮して欲しい旨を大規模小売店舗立地法に基づく届け出に関する意見書として盛岡地方振興局に提出しようと思ったのですが、その際、どうせなら地域の方々の意見も聞こうと考えまして、チラシやHPなどで意見を募集したところ、交通安全や防犯、環境問題、企業の社会貢献などに関する様々な声が集まりました。

私はこれを基にして意見書をつくり提出させていただいたわけですが、意見書の提出という形式の他に、地域住民と建設主体がそれぞれの意見を話し合う場が保証されていれば良いのにな、と何度か思いました。大型店は10年単位で土地の賃貸契約を結んでいるケースが多いと聞きましたが、その長さから考えれば住民側から建設的な意見が出てくることもじゅうぶん考えられます。

大規模小売店舗立地法とは別に、市が主導してこの様な話し合いの場を作る仕組みを作ることは出来ないでしょうか。法体系上可能かどうかも含めて市のご見解をお示しください。

市長答弁
次に、大規模小売店舗立地法とは別に,市が主導して話し合いの場の仕組みをつくることは出来ないかについてですが、店舗面積が千平方メートルを超える大規模な小売店舗の新たな出店につきましては、大規模小売店舗立地法に定める手続きに従い。出店者は県に対し、その周辺地域の生活環境の保持のため施設の配置や運営方法について届け出を行い、地元で届け出内容の周知を図る説明会を開催し、その後、県の意見を受け、その対応を行うものとされております。
併せて、届出は県により4ヶ月間、縦覧手続きが取られ、その期間中、生活環境の保持に関する意見のある者は、県に意見書を提出することができるとされているところでございます。
このような一連の法定の手続きにより、現在においても周辺住民の方々からの意見提出の機会は十分に確保されていると存じておりますし、出店者が自主的に話し合いの場を設ける場合は別として、出店者に法律上の義務に加えて、新たな責務を負わせることは、大規模小売店舗立地法の趣旨から困難であると認識しております。

都市整備部長答弁
都市計画マスタープランにおいて地域別構想を策定した15の地域は、都市的土地利用を図る地域として、基本的に市街化区域を主体とする地域であり、都心ゾーンまたは市街化ゾーンに該当するものであります。
「中心地域」は都心ゾーン、「上田地域」「松園地域」「山岸・加賀野地域」「中野地域」「青山地域」「みたけ・厨川地域」「仙北地域」「盛南地域」「見前地域」「乙部地域」「飯岡・湯沢地域」「つなぎ地域」「渋民地域」「好摩地域」は市街地ゾーンに該当しています。
各地域における地域別構想の策定は、平成13年度から18年度において、各地域ごとに、市民協働によるワークショップを開催し、地域の良いところや課題を整理し、まちづくりの方向性を話し合い、まちづくりの目標と基本方針を定めたものであり、住民の皆さんはワークショップによる成果としてとりまとめたものであります。
これらの各地域におけるまちづくりの目標と基本方針が、それぞれの地域のもつ役割を示すにはものであり、具体的な施設整備や居住について記述している地域もあります。
各地域でのワークショップの開催については、平成13年度に見前地域において、18年度に渋民地域、好摩地域において開催しております。
なお、盛南地域に着きましては、盛岡南地区開発による都市基盤整備が行われる中で、地元の方々をはじめ学識経験者など広くご意見をいただきながら、まちづくりを進めているものであり、都市計画マスタープランにおいても、その考え方を示しているものであります。
また、盛南地域の世帯数の推移につきましては、平成13年3月の1.357世帯が、21年3月には3.433世帯になっており、増加が著しいところであります。また、土地区画整理事業区域内の建築件数は、平成6年度から20年度までの合計で、2.037件となっており、今後の住宅建設予定数については把握しておりませんが、事業計画における計画戸数は、約5.900戸とされております。
次に、本市における盛南地域の役割につきましては、都市計画マスタープラン地域別構想においては、盛南地域のまちづくりの目標を「盛岡の新都市にふさわしいゆとりとうるおいのある魅力的なまち」とし、基本方針を「新たな活力を生み出す新都心づくり」「ゆとりある魅力的なまちづくり」「緑あふれる周辺環境と調和したうるおいのあるまちづくり」としております。
次に、映画館の規制につきましては、一般的には都市計画法及び建築基準法に基づき、用途地域によって規制されておりますが、さらに個別の地域において規制する場合には、特別用途地域及び地区計画により可能であると考えます。なお、規制に際しては、映画館や劇場、演芸場、観覧場などの類似用途施設について同様の規制になるものであり、映画館単一の規制はできないこととされております。また、制度適用については、地権者等の同意が必要であることから、慎重な対応が求められるものであります。
また、中心地区以外へのシネコン建設につきましては、中心市街地活性化基本計画の推進に大きな影響を与えるものであり、今後中心地区以外へのシネコン建設の情報を得た場合には、事業者等に対して、本市は「映画館通り」を中心に、盛岡に残る映画文化の維持・発展を中心市街地活性化策として進めていることなどを説明してまいりたいと考えております。

 次に交通について、もりおか交通戦略(案)の内容を中心にお聞きします。
6月15日までパブリックコメントを実施していた「もりおか交通戦略(案)」を読ませていただきました。盛岡市のまちづくりの変更に合わせてここ数年間、取り組んできた様々な交通調査や実験的試みについて総合的に検証しようとしている姿勢に対して大変好感を持ちました。取り組まれた方々に敬意を表します。

さて、内容についてお聞きします。
もりおか交通戦略の案の大きな柱は、マイカー利用の抑制であると言えるでしょう。それを行う上で「経済性」という観点が弱い様な気がします。
統計を採ったわけではないのであくまで私の感覚でしかないのですが、一昨年末から始まった異常な原油高騰以降、自転車、あるいはオートバイの通勤が増えているような気がします。これはガソリン価格が以前の水準に戻ってからも昨シーズンの暖冬の影響もあってか引き続き続いています。その背景には世界的恐慌による可処分所得の減少があると私は考えています。と、すればこの傾向は暫く続くものであり、今後の交通関連施策に大きな影響を与えるものではないでしょうか。
一言で言ってしまえば、交通手段をマイカーから公共交通あるいは自転車や徒歩に切りかえて貰うためには、個人が負担する金銭的コストを下げた方が有効ではないか、ということです。
まず、自転車についてお話ししたいと思います。
もりおか交通戦略の案における自転車は主にシティサイクルと呼ばれる軽快車を想定していると思われます。この種の自転車ならば、2〜5q程度も走れば疲れてしまいます。しかし、以前も一般質問等でお話ししましたように、自転車の種類は多様であり、もっと少ない力で長く、速く走ることが可能な自転車もあります。ちなみに私は脚力に乏しく、運動も得意ではありませんが、今乗っているロードバイクであれば青山三丁目の私の事務所から市役所まで、車道を走れば25分かからずに来ることが出来ます。また、今人気の電動自転車なら、体力がなくても、かなり長い距離を走れるでしょう。この様なタイプの自転車がもっと普及すれば、自転車の行動範囲は10q以上も可能となり自家用車の抑制に更に大きな貢献をすると考えます。

私が自転車の利用促進に力を入れるべきだと考える根拠は、自転車が安価な交通手段であるからです。自動車とスポーツバイクなどを維持するコストを比較した場合、スポーツバイクや電動自転車の価格は、安価なシティサイクルと比べると8倍以上するものが殆どですが、それでも、購入代金の他に、税金・車検代・ガソリン代などがかかる自動車の方が圧倒的にコスト高です。ただ残念ながらそれがポピュラーな知識になっていない、その事が、シティサイクル以外の自転車が普及しない理由の一つになっています。

私は盛岡市が策定した自転車の利用促進に関する条例を高く評価するものですが、自転車走行空間ネットワークの形成や交通ルールの啓蒙に係る施策を推し進めるとともに、自転車の多様性を市民に知らせ普及に勤めることを盛岡市が先頭に立って行うべきだと思います。
「こんなタイプの自転車があって、それはこういう用途に向いていますよ」という紹介を様々な機会に行っていただけないでしょうか。今までお話ししてきたことについてのご見解をお聞かせください。

それと合わせまして、自転車の利用促進のためには、中心市街地の駐輪場が少ないと思います。整備の計画はあるのでしょうか。
新潟市には、民間の駐車場と契約しその一部を駐輪場として使っている例もあります。積極的な整備が必要だと思いますがいかがでしょうか。

バス交通についてお聞きします。
県立大学の宇佐美誠史先生が代表を務めるいわてコミュニティ交通研究会が2005年12月に行った「盛岡都市巡回バス、でんでんむしの利用者像に関する意識調査」によれば、バス利用時のコスト感に関して、5割以上の人が時間に関するコスト高感を抱き、4割以上の人が金銭的なコスト高感を感じており、加えて、公共交通を利用している人より、マイカー利用者の方が「バスを使うと時間もお金もかかると考えている傾向がみられる」ということです。

ここから考えると、バスの定時制を確保しようとする方向性は正しいものだと考えます。しかし、その具体的な方針はバスレーン設置のために4車線道路を建設することではない、道路拡幅をすればするほど、バスの利便性は落ちるのではないかという疑念を持たざるを得ません。

4車線道路の新規整備について伺います。
もりおか交通戦略の案では新規整備が必要な4車線道路道路の事業費を400億円、今後30年間で整備と見積もっています。30年間という長きに渡って道路整備が行われるとすれば、その間は断続的に工事が行われることとなり、その期間のバス交通に大きな支障を来すのではないでしょうか。これについてお答えください。
また、単純計算で年間13億円以上の事業費がかかることとなります。先程ご紹介いたしました「でんでんむしの利用者像に関する意識調査の結果」からすれば、この13億円なにがしを使ってバス乗車運賃の値引きを行った方がバスの利用促進に直接的な効果をもたらすと私は考えますがいかがでしょうか。

整備中の路線について伺います。
「新規整備について」でお話しいたしましたように、道路工事が長引けば長引くほど、バスの利便性は後退いたします。現在、整備途中の道路であっても、時間指定の進入禁止であるとか、一方通行化、バスベイなどの設置というその他の手段で対応できる場所は、そちらを積極的に進めた方が良いと思います。ご見解をお聞かせください。

以前から主張しておりますが、私は道路拡幅によってもたらされるものは、マイカーの増加に他ならないと考えています。道路は、自動車・二輪車・軽車両・歩行者が分け合って利用するものです。しかし現実は、道路の王様はあくまでも自動車だけになってしまっている、このことが、現在の交通諸問題を作り出していると思います。だからこそ、もりおか交通戦略にとって必要なことは、とてもとても便利なマイカー利用の皆さんにその便利さをほんの少しだけ、バスや自転車に譲っていただく、という考え方ではないでしょうか。マイカー利用の利便性をこれ以上高めてどうするんだ、と思うのですが、いかがでしょうか。

 交通についての最後の質問です。
 以上のことから早急に行わなければならないことは、まず、道路交通法の遵守を徹底させることです。改正道路交通法では自転車は原則車道を走ると規定されましたし、バスレーンは時間帯でバス以外の自動車の走行が制限されている場所も多くあります。しかし、それが守られているかと言えば決してそうは言えない状況です。道路における秩序を守るのは警察の仕事ですが、私が見る限りにおいて、それが徹底されているとは思えません。
これは悲しむべき事であり、私は更なる県警の努力を期待します。道交法がきちんと守られ、先に述べましたように適切な時間帯進入禁止や一方通行を導入することで、道路の拡幅なしにマイカーを減らしていくことは可能だと思います。

 ですから、もう少しばかり目標を高く持つべきだと思います。中心市街地に向かう交通分担率はバスと自転車をそれぞれ25%まで上げ、自動車を20%まで押さえる目標にするべきではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

 
市長答弁
次に、交通についての質問でありますが、はじめに市が先頭に立って自転車の多様性を市民に知らせることについてでありますが、ご提案につきましては、現在、市民団体において自転車の小売店の方々の協力も得ながら、イベント開催などをとおして取り組んでいただいているところであり、市といたしましては、この市民起点の活動の支援をとおして協働によるPR活動に取り組んでまいりたいと存じます。
次に、中心市街地における駐輪場の整備についてでありますが、平成20年度は大通において3箇所の整備を行ったものの、今後も確保が必要と存じております。
一方、整備に当たっては、用地確保などの課題もありますことから、設置に対する工夫や関係する商店街、事業所、関係機関の協力もいただきながら、設置可能な箇所において積極的な整備に取り組んでまいります。また、中心市街地全体の整備計画の立案につきましても、状況を踏まえながら検討してまいりたいと存じます。

建設部長答弁
交通についてのご質問でありますが、4車線道路整備とバスの利便性の関係につきましては、もりおか交通戦略における公共交通軸は,4車線道路内においてバスの走行性向上のためのバス専用レーンを確保しようとするもので、自動車に対するサービスは現在と同様の2車線を基本とするものであります。
このことから、4車線道路整備がバスの利便性低下に結びつくとは存じておらないところでございます。
次に、30年間の断続的な工事によるバス交通への支障につきましては、本年度策定予定の道路整備プログラムにおいて、早期の効果発現が図られるよう路線の選択と集中を行うとともに、工事におきましてもバス走行性が確保されるよう工夫をしながら取り組んでまいります。
次に、道路整備の事業費によるバスの乗車運賃の値引きにつきましては、平成17年の市民意識調査によると、マイカーから公共交通へ転換するために望む施策は、「バスや列車の便数が増える」が約48.7%、「運賃が安くなる」が約31.5%、「バスが時間どおりに来る」が約30.3%で、運賃の低下と定時性確保を望む割合が、ほぼ同じとなっておりますことから、道路整備も必要な施策と存じております。
次に、整備途中の道路における交通規制やバスベイ整備についてでありますが、「もりおか交通戦略」における菜園地区の道路空間の再配分につきましては、同地区を囲む都市計画道路の片側の拡幅整備を先行させ、整備途中において盛岡駅南大橋線の一方通行解除や明治橋大沢川原線の3車線が可能となった段階で,市道岩手公園開運橋線の歩道の拡幅や自転車走行空間の確保を図ろうとするものであります。また、他の路線においても同様に暫定的な運用の工夫を図りながら取り組んでまいりたいと存じます。
次に、マイカーの便利さをバスや自転車に譲ることについてでありますが,もりおか交通戦略は、市総合交通計画の基本方針である「マイカーの抑制と公共交通や自転車の利用促進」を受けて策定に取り組んだものであり、ハード施策やソフト施策の組み合わせにより、公共交通や自転車・歩行者を中心とした戦略施策を位置づけたものでございます。
次に、交通手段分担率の目標値についてでありますが、本戦略の目標値である中心市街地への自家用車利用者数の3割削減は、施策を実施した場合の転換意向に基づき設定したもので、当初の目標としては転換意向のある市民を実際の転換に結びつけたいとするものであります。
このため、目標値の変更につきましては、本戦略に位置づけた施策の展開による達成状況を踏まえながら検討してまいりたいと存じます。
以上であります。

次に市民参画について伺います。
まず、パブリックコメントのあり方について伺います。
旧県立図書館を利用した歴史文化施設の建設が進んでいますが、先日これに伴う工事のために、ヒマラヤシーダ15本が伐採されました。この伐採に関しては新聞などによれば随分異論が多かったように感じますが、市民への周知あるいは説明などがどのように行われたのかご説明ください。

6月3日に現地説明会を開催し、参加された方々から賛否両論のご意見が出たとのことですが、その二日後に伐採に踏み切ったことについて、どのように評価なさっていますか。伐採の是非そのものについてではなく、市民への説明責任という点でどうお考えなのかお聞かせいただきたいと思います。

2005年の3月、2007年の9月定例会において、私は市民参加条例の制定を求める趣旨の質問を致しました。それは、官民協働を進める際のルールが明文化されていないことによって、市政への参画が担保されていないことに対しての不安から行った質問でした。
これに対して谷藤市長は、2005年の3月には、
盛岡市基本構想におけるまちづくりの基本理念に
「市民みずからがまちづくりの主体となる市民起点のまちづくりを掲げていること」
「目標達成に向けた行政経営の理念として、市民が主体的に市政にかかわることを保障し、積極的に市民参画による開かれた行政を実現するとうたっていること」
を理由に、「意思形成過程での市民参加については、市政の主体である市民に保障される」と答弁され、2007年には「市では協働の環境を醸成しながら実践を推し進めており、その中で盛岡に合った手法やシステムが見えてくる」と答弁されています。

さて、この答弁から普通に発想いたしますと、歴史博物館周辺整備に関するパブリックコメントの実施が伐採の日程よりも後に設定されているのは大変おかしな事だと私は考えます。それは何故ですか。

今回のいきさつで私は確信いたしました。それを保証する明文化された条例が無ければ、本来の意味での市民参画の実施は出来ません。

改めて市民参加条例と市民参画条例制定を要求するものですが、市長のお考えをお聞かせください。

市長答弁
次に、市民参加条例と市民参画条例の制定についてでありますが、この条例で想定されるまちづくりへの市民参画や、公正で透明性の高い開かれた市政運営などにつきましては、議会の議決をいただいております盛岡市総合計画の基本構想において行政経営の理念としております。市政への市民参画の手法としましては、「盛岡市パブリックコメント実施要綱」と「盛岡市パブリック・インボルブメント実施要綱」を定め、明文化しており、制度的に確立していると考えておりますが、条例として制定することの意義を含め、引き続き研究してまいりたいと存じます。

教育長答弁
ご質問にお答えします。
初めに、ヒマラヤシーダ15本の伐採について、市民への周知や説明などがどのように行われたのか、についてでありますが、ヒマラヤシーダ伐採については、広報もりおかやホームページ、工事囲いへの掲示でお知らせしたほか、5月11日に記者会見を通じ、より多くの方々への説明、浸透を図ったものであります。その後、市民等から多くのご意見がありました。それらを参考に方針を取りまとめ、29日に開催された全員協議会で説明するとともに、記者発表したところであります。また、可能な限りの広報手段を講ずるべきとの判断で、急遽ではありましたが、現地説明会を今月3日に開催いたしました。
次に、現地説明会の2日後に、伐採に踏み切ったことについての評価と、説明責任という点での考えについてでありますが、市教育委員会といたしましっては、施設整備にあたって大型バスを入れることについては、ユニバーサルデザインの観点から必要なことと存じており、また、工事工程上のことから、15本の伐採については、やむを得ないものと考えております。
説明責任についてでありますが、情報提供や説明会の時期については、考慮すべき点があったと捉えており、今後におきましては、時期や方法について、適切に進めてまいりたいと存じます。
次に、歴史文化施設周辺整備に関するパブリックコメントの実施が、伐採の日程よりも後に設定されていることについてでありますが、バス進入の必要性、工事工程上のことから、過日、伐採作業を行ったものでありますが、残りの公園部分の44本については、市民からの意見もありましたことから、都市整備部が7月に予定している「お城を中心としたまちづくり計画」のパブリックコメントにあわせて、公園の植栽計画についてもご意見を頂戴することとしたものであります。
以上、ご質問にお答えしました。

市職員のボランティアについて伺います。
阪神・淡路大震災におけるボランティアの役割が広く認知されたことから、国家公務員にも「ボランティア休暇」が導入されることになり、その後、自治体の多くも「ボランティア休暇」を設けるようになっておりますが、盛岡市にもこの制度がありますか。
あれば具体的にその内容をお知らせください。また、昨年度この制度を利用した職員の人数をお知らせください。
今月に入ってから、雇用保険の給付を受けている方がボランティア活動に参加した日はたとえ無償であっても給付金が受給できなくなるというお話を地域の方からお聞きしました。片方ではボランティアの推進をうたいながら、もう片方ではこの様な仕打ちを行うのは言語道断な話だと思います。
この場合、ボランティア活動のはっきりとした定義が無く、その都度確認をしなくてはならないそうです。私は、その活動がPTAでもスポーツ少年団の指導でも営利を伴わない社会貢献のための活動はボランティア活動だと考えておりますが、福祉や災害救助など以外の活動は、非常に軽く見られている、というお話を小耳に挟みました。盛岡市は市職員が行うボランティアをどのように定義しておられますか。お聞かせください。
総務部長答弁
「市職員のボランティア」についてでありますが、市では平成9年度から、職員が自発的に、かつ報酬を得ないで社会に貢献する被災地での被災者への活動や障がい者支援施設等における介護等の活動を行う場合に、年5日の範囲内で休暇を取得できるいわゆるボランティア休暇制度を設けておりますが、昨年度の利用実績は無いものでございます。
また、市職員が行うボランティアをどのように定義しているかについてでございますが、報酬等の対価を得ることのない、地域における様々な自発的な活動につきましても、重要なボランティア活動として認識しております。

次に新型インフルエンザ対策について伺います。
5月9日、厚生労働省が日本初のA型インフルエンザウィルスH1N1亜型に属する 新型インフルエンザ感染者が3人出たと発表しました。その後、感染者数の累計は18日に130人、21日に291人、26日に364人拡大し、新型インフルエンザの感染力の強さを示すことになりました。

この様な状態の中、5月20日前後から、新型インフルエンザの治療に対応する病院が不足するという事態が起きました。今回のH1N1亜型は当初心配されていた強毒性のH5N1亜型と異なり弱毒性であったため、看てもらえる病院を増やすことで対応し、事なきを得ましたが、今後、ウィルスが変異を繰り返し毒性が強くなった場合、また、H5N1亜型が人から人へ感染するように変異した場合などは、どのように対応されるのでしょうか。
沢山の方が不安に感じている事だと思いますので、具体的にお答えいただきたいと思います。
保健福祉部長答弁
新型インフルエンザ対策についてお答え申し上げます。
強毒性の新型インフルエンザが発生した場合どのように対応するのか、とのことについてでありますが、そもそも国の行動計画やガイドラインは強毒性を想定し、定められたものであり、その指針に沿って対応することとなるものと認識しています。
市といたしましては、必要に応じ、盛岡保健所健康危機対策本部や盛岡市健康危機対策本部を立ち上げ、感染の拡大を可能な限り抑制し、健康被害を最小限にとどめるため、万全の体制をとることとしております。
このため、今年1月に「盛岡市新型インフルエンザ対策ガイドライン」を定め,更に6月には、まん延時における市の業務の優先順位づけ、いわゆる業務継続計画を策定したところであり、現在、ガイドラインに基づく職員の具体的な行動マニュアルの作成に向け取り組んでいるところであります。
また、盛岡医療圏域においては、県央保健所や地域医師会等と調整し、発熱外来を併設した入院医療機関が盛岡市立病院、県立中央病院、盛岡赤十字病院の3病院を公表しておりますが、これらの病院以外にも、患者の状況により、協力いただける病院が数箇所確保できているところであります。
なお、感染拡大期には、盛岡医療圏域内の医師会の協力を得て、一般開業医療機関での発熱患者の診察をいただける体制を構築しているところであります。これらの対応は、毒性にかかわらず同様の体制が確保されるものと認識しております。
更には、市民に対して、正確な情報の提供に努めるとともに、家庭で出来るうがいや手洗いの励行などの対策の周知に努めてまいります。
いずれにいたしましても、症状が現れた場合には、医療機関に直接受信することなく、必ず市保健所内の発熱相談センターに相談のうえ、紹介のあった医療機関を受診するよう周知に努めてまいります。
今後とも新型インフルエンザの医療体制を含めて市民の安全安心のため万全な体制をとって参りますので、市民の皆さんにおかれても、正確な情報に基づき、冷静に対応いただきたいと思っているところであります。
最後に定額給付金について伺います。
DV被害者への定額給付金支給を決定いただきまして、大変ありがとうございました。
3月定例会で随分沢山の議員がこの問題について発言いたしましたが、その要望に応えていただけたものと思っています。
さて、その際にもう一つ問題となったことがあります。ホームレスの方々への定額給付金の支給についてです。
定額給付金支給の基準日現在で住所を持たない人たちにも支給の機会を与えるべきだと私は考えますが、それについてどのようなお考えなのかお聞かせください。
また、新聞などによれば、盛岡市は独自の調査を行った様ですがその結果についてお知らせいただきたいと思います
保健福祉部長答弁
次に、ホームレスの方々へ定額給付金の支給の機会を与えるべきではないか、とのことについてでありますが、今回の定額給付金は、基準日時点における住民基本台帳の記録をベースに給付を行うこととされておりますが、基準日以前に住民登録を削除された方が、基準日の翌日以降に住民登録をした場合で、今年の10月20日までに申請した場合においては、定額給付金が受け取れることとなっております。
市といたしましては、ホームレスの方々への定期的な巡回訪問により、定額給付金についてのチラシを配布し周知に努め、定額給付金の支給が受けられるよう働きかけているところであります。
また、市が独自に行った調査の結果についてでありますが、5月28日に市内一円について目視による調査を行った結果、7名のホームレスの方が確認されております。
今後も、巡回訪問を行いながら、定額給付金の受給や生活保護制度などの活用による居宅生活への移行について働きかけてまいりたいと存じます。


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