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いわて銀河鉄道線青山新駅について

平成15年9月5日  企   画   部
1 並行在来線新駅設置可能性調査報告書について
  ○ 本報告書は.東北新幹線の八戸延伸に伴い,岩手県及び並行在来線の沿線市町村で組織する岩手県並行在来線経営準備協議会が作成した「並行在来線経営計画概要」において.利用促進方策として位置付けられている新駅の設置について,その可能性を調査したものです。
なお,昨年8月において本報告書の中間報告をいたしましたが.このたび,地質調査や測量調査等の全ての基礎調査を完了したことに伴い,最終報告書として提出されたものです。


○ 新駅の設置については,これまで市町村が建設費用を負担することとされ,岩手県に対し設置市町村に補助金を交付するよう要望を行ってきましたが,本年7月,県が「いわて銀河鉄道新駅設置事業補助金交付要領」■を制定し,IGRいわて銀河鉄道鰍ェ新駅の設置を行い,県が必要な経費の1/2を負担し.残りは駅所在市町村が負担することとなっています。
 これに伴い,新駅設置に向けた具体的な計画策定は,IGRいわて銀河鉄道鰍ェ.本報告書を基礎資料として県及び本市と協議をしながら行うことになります。


資料1
調査計画報告書        (概 要 版)
                      平成15年7月
 いわて銀河鉄道利用促進協議会

 第1章 調査の概要

 1.調査目的
 東北新幹線盛岡〜八戸間の開業(2002年末)に伴い、並行在来線(旧東北本線盛岡〜八戸間)は、東日本旅客鉄道株式会社(以下、「JR東日本」という。)から経営分離され、IGRいわて銀河鉄道株式会社及び青い森鉄道株式会社が県境を挟んで経営を引継いだ。
 これにより、当該区間は、旅客輸送の面では従来の幹線鉄道から地域密着型の鉄道へと様変したが、現在も寝台特急(北斗星・カシオペア)及び貨物列車が存置されているため、依然として幹線鉄道の機能性は残っている。
 こうした中で、IGRいわて銀河鉄道株式会社の経営安定化に向けた新たな経営資源の整備、とりわけ、新駅設置による鉄道利用者の増加策検討が必要不可欠である。

 本調査は、これらを踏まえて、IGRいわて銀河鉄道における新駅候補地について、分析評価および新駅設置に係る技術的な可能性検討を行い、将来の具体的な計画策定に向けた基礎資料に資するものである。

 2.調査の基本条件
(1)調査対象箇所
     調査対象箇所は、下表に示す箇所とする。
l駅   名     位置(キロ程)   駅     間       関係市町村
(仮称)青 山   538k450m付近  盛 岡〜厨 川間     盛岡市

(2)前提とする駅形式
 *複線区間における相対式(2面2線)

(3)作業項目
@現況調査 … 地形、鉄道施設、周辺市街地の状況等の概略整理
A施設規模及び位置の検討(貸与資料を含めた収集可能な資料の範囲内で)
B計画図作成 …・選定位置における駅施設の計画概要・計画図作成(平面図、縦断略 図、構造図)・概算事業費の算出
C課題の整理 … 具体化に向けた駅及び駅周辺整備に係る技術的課題等整理

(4)その他前提条件
@鉄道関係法令の基準に抵触しない範囲内での安価な手法の採用
A交通バリアフリー法の基準適用による設備構造

第2章 新駅候補地の位置決定
  1.候補地比較に当たっての前提条件
   1−1新駅候補地域の選定
 候補地域の選定に当たっては、基本的に@需要が見込まれるA既存駅との距離関係、B新駅までのアクセス道路C工事費の低廉化等を考慮しD候補地域の決定をすることが重要である。
    (1)青山地区
      「青山地区」とは、盛岡方「南青山町」から八戸方「青山四丁目」までの間と理解するのが一般的であり、(仮称)青山新駅候補地について、想定される最大の範囲は、大新町「ふれあい橋」立体交差地点から市道上堂二丁目青山四丁目線立体交差地点までの間と考えられる。
 このことから、(仮称)青山新駅については、
@需要が見込まれる
  青山周辺は既成市街地であり、住宅等の需要が張り付きも完了しており、特に問題はない。
A既存駅との距離関係
  盛岡駅と厨川駅との中間地点は、県道盛岡滝沢緑青山町踏切から50m盛岡方の地点である。
B駅までのアクセス道路
  想定される最大の範囲(「ふれあい橋」立体交差地点から市道上堂二丁目青山四丁線立体交差地点までの間)において、東西道路と南北道路とが交差する在来線近接の主要交差点は2か所であり、県道盛岡滝沢線青山一丁目交差点(厨川中学校付近)、及び県道盛岡滝沢線と市道上堂一丁目青山二丁目線の連続地点(青山二丁目森永乳業付近)である。
C工事費の低廉化
 踏切に隣接して駅を設置した場合、上下線ホームへのアクセスに踏切を活用することが可能となるメリットがある。遮断機を移設して、歩道と車道とを分離する等の簡易な踏切改良(例えば、元滝沢踏切)により、こ線橋設置経費を抑制できる。
D候補地域の決定
 これらの要素を加味した場合、本調査としては、盛岡方が青山町踏切付近から、八戸方が馬頭踏切付近までの間に絞り込むことが妥当といえる。
 したがって、(仮称)青山新駅の候補地については、両踏切に隣接した付近に限られ、本調査においては、この観点から4案を中間報告において提示し、候補位置を確定する事とした。
 ただし、青山踏切寄りの場合には、在来線と東北新幹線とが立体交差している区間に入り、新幹線高架下にホームを設置することは技術面、JR東日本との調整面、経費面で困難が予測される。

1−2 新駅候補地
   538k100m(青山踏切)から538k800m間で4箇所選定
1−3 地形及び線路状況
   候補地の現状は既存資料(線路平面図 S=1/2,500 線路縦断面図 縦S=1/400横S=l/2,500)から判断する。
  そのため、位置確定後に行われる測量作業及び地質調査結果によっては、施設について変更もありうる。
1−4 他覚状況
   地質は直接基礎に耐えうるものとして行う。
1−5 施設計画
(1)プラットホーム
@有効長‥最長旅客車の長さ+余裕長(5m)「土木構造物に関する実施細目第22粂」    L=20.Om/両×6両+5m=125.Omとする
A幅員:片側使用で中央部を2m以上、端部を1.5m以上「土木施設実施基準第24粂(2)」    幅員は、まだ乗降人員が確定していないため、最低限の2mとして計画する
(2)こ線穂幅見
 通路幅:1・8m以上の幅を確保することがなお望ましい「移動円滑化基準:通路」こ線橋は、上記より有効幅員を1.8m(全幅貞2.5m)として計画
(3)ホーム上喪
 ホーム上家は1両分を考慮する
(4)交通広場計画
 交通広場計画は行わないが、新駅候補地の現状地盤高を計画地盤高と仮定し、以下のとおりとする。なお、階段及び傾斜路はこの計画高に取り付ける
  ・第1案:142.2m・第2案:144.3m・第3案:145.1m・第4案:145.7m
(5)階段: 移動円滑化基準により以下のとおり計画する
@有効幅員を1.8m(全幅貞2.5m)として計画する
Aこう配は1/2で計画
B踊り場は高さ3m以内毎に1.5mを考える
(6)傾斜路:移動円滑化基準により以下のとおり計画する
@有効幅員を1.8m(全幅員2.5m)として計画する
Aこう配は1/2で計画
B踊り場は高さ0.6m以内毎に1.5mを考える
(7)上下線間の連絡
 既設の踏切を利用することで計画する
 第1案〜第3案ついては、既設の踏切を利用することで計画する
第4案は、既設の踏切利用orこ線橋の設置で計画する


2.新駅候補地の位置比較 -略−
第3章現地調査結果の整理

現地調査結果整理表
駅名(仮称)青山St 位置、盛岡〜厨川間(538k450m付近)
調 査 の 主 眼 点 現 地 調 査 結 果 ( コ メ ン ト )
@現有鉄道施設と駅設置による支障移転の有無 ・上り閉そく信号機及び馬頭踏切の鳴動制御子がある。・JR東北新幹線高架橋の中をいわて銀河鉄道の線路が通っている。上記によりホーム位置について詳細な検討が必要である。
A地形上の制約の有無 丁鉄道施設建設には、特に制約を受ける地形ではない。ただし、駅前広場を計画する場合、都市計画道路新道大坊線が計画されている事もあり、新幹線高架下を含めた計画を行う必要がある。
B駅前広場確保と入出方法の可否 ・相対式ホームとし」本線西側に駅前広場の整備を行う。この場合線路横断は、馬頭踏切を一般歩行者として利用する。・また、平面専用旅客通路(上り線横断)を設けることも考えられるが、列車密度、高速貨物列車の運行により、利用者の安全確保上問題があり、東北運輸局の許可はおりないと思われる。
C周辺市街地&集落等との整合性 ・盛岡市の中心地域の北西部に位置し,県営体育館に徒歩5分、県営総合運動公園まで約1kmと立地に優れ、周辺は第・一・ニ種住居地域、第一・ニ種低層・中高層住居専用地域が大部分を占める市街地である。・徒歩圏内に江南義塾盛岡高校、駅勢圏内に盛岡三高がある。
Dその他特記事項 ・JR東北新幹線高架橋内に山部ホームが入ることの協議が必要。・駅前広場計画に当り、JR東日本と新幹線高架下の利用方について協議が必要である。・隣接駅(盛岡駅・厨川駅及びJR山田線上盛岡駅)と駅勢圏が重複して競合する。

第4章各駅の設置位置と駅計画

新駅計画概要
新 駅 名 称 (仮称)青山St
新駅計画位置 盛 岡〜厨 川問
538k460mOO
市町村名 岩手県盛岡市
駅の取扱範囲 族     客
営 業 期 間 通     年
駅 形 態 未     定
停 車 列 車 旅客普通列車
線路の現状 勾     配 (上り線)4.5‰(下り線)10.0−4.5‰
線     形 (上り線)直線  (下り線)直線
新設設備
(旅客設備)
プラットホーム 幅=3.5m
延長=125.Om 2面(EC6両対応‘・相対式)
凍 客 上 家 上下ホーム共1両相当分(20m)暗3.5m(全音い)
駅舎・待合室
こ  線  橋
エレベーター設備
エスカレーター設常
そ  の  他 ・ホーム階段・傾斜路(上下線ホーム別)
・運行情報長供設備(自動放送・列車妾近表示)
・休憩設備(各ホームへベンチ2基)
概算工事費 旅 客 設 備 (337百万円)
計画地の
立地特性等
@上位計画
・第三次盛岡市総合計画(H7.3)
都市内における円滑な交通の確保を図るため、既存の鉄道を主体とした公共交通横閑の有効な活用について検討する。
・盛岡市都市計画マスタープラン(H14.3)
全体構想一都市活動を支えるやさしい交通体系づくり一より公共交通を利用しやすいようにする。
A計画地周辺の現況(駅勢圏内)
・盛岡市中心地域の北西部に位置し、東側は住居系土地利用区域、西側は住居及び工業系の土地利用区域となっている。
・県営体育館や総合運動公園が周辺にある。
B宅地開発等→周辺は既存の住宅地となっている。
課 題 ・下り列車停車時は、馬頭踏切は速断されたままとなる。
・起点方ホームが一部東北新幹線高架橋内に入る。
・駅勢圏(駅中心から2.0血)が盛岡・厨川駅とJR山田線の上盛岡駅と競合。
計画位置平面図−略
主要設備概要図−略
(1)検討結果の整理
  @検討結果からの課貰
 駅の課題(要点)については計画概要書に示したが、その中で掛こ問題のある点は、次のとおりである。

■(仮称)青山S t
ア)ソフト面
・計画位置は、いわて銀河鉄道線の盛岡駅〜厨川駅間(5.4k皿)のやや中間となっているが駅勢圏(駅中心から2km)は両駅と競合する。
 さらに、JR束日本の山田線上盛岡駅とも駅勢圏が重なり、複雑に競合する。
 そこで、新規需要の掘り起こしが重要となり、そのためにもバス&ライドやパーク&ライドの利用が可能になるような交通広場による利便性向上策を図る必要がある。
・計画位置は、地元対策や対外協議・事業費の面から、地元対策を優先させ、かつ、2案併記を回避するため,詳細検討のB案の位置で計画した。
 したがって、最終案については、詳細設計までに地元及びユーザーであるIGRいわて銀河鉄道との調整により確定する必要がある。
・本位置は、青山踏切〜馬頭踏切間(約400m)の馬頭踏切寄りに設置することになるため、下り列車停車時には馬頭踏切が、上り列車停車時には青山踏切が遮断されたままとなる。
・交通広場の計画は、東側に設置すると用地買収等で事業費が多大となるため、多少レイアウト計画に制約があるが、西側のJR東北新幹線高架橋下を含めた範囲が適当と思われる。ただし、この場合JR東日本と協議が必要となる。
・ホーム間の移動は、既設の馬頭踏切を利用する事で計画したが、もし、鉄道施設(移動円滑化基準に適合)としての立体交差方式(バリアフリー法適用)が必要となれば、こ線橋(約1.5億円)の検討が別途必要となる。また、地下道の場合は事例から概算6億円程度となり、事業費低廉化の観点から検討をしていない。

イ)ハード面
・プラットホームの構造は、FCB(軽量モルタル)による盛土式ホーム(直接基礎)でホーム前面にホームウォールを併用した、けた式に準じた構造とした。ただし、地質状況が著しく変動しており、概略設計の段階で構造変更が必要になるかもしれない。
・ホーム階段及び傾斜路延長等の高さは、交通広場計画高を実測に基づく地盤平均高144・8mと仮定、位置はプラットホーム北端としたが、自治体による交通広場計画が深度化した段階で歩行動線を考慮した位置及び高さを考慮した設計に変更する必要がある。

(2)概算工事費の井出
 駅の概算工事費の算出結果(総括)を次項概算工事費は、以下のように考えて算出した。
 なお、附帯電気工事に係る算出の考え方については、別途、後述した。

■青山駅及び巣子駅の共通事項
@用地単価は、公示価格から査定した。
A工事単価は、過去の実績工事からの類推または積上げ査定をした。
B旅客設備の中に保安費を計上したが、基本要員(工事管理者l名、列車見張貞及び交通生理員各2名)を、想定工期から準備・後片付期間を除いた期間分に張付けるものとした。
C工事附帯費(設計・財産整理等‥6〜10%)及び管理費(事務費等7〜10%)は総工事費で左右されるが、本調査では、工事付帯については7.5%を計上したが、工事発注・監督等に伴う管理費については、貴協議会とIGRいわて銀河鉄道との協議になるので計上していない。
D工事種類に係る特記事項
*ホーム構造:除雪区間であるため、FCB(軽量モルタル)による盛土式ホーム(直接基礎)と線路側のホーム前面にホームウォールを併用した、けた式に準じた構造とした。
  →概略設計時には、工法を見直しする必要があるかもしれないので、留意されたい。
*傾斜路&旅客通路:ロードヒーティング及び手摺の設置を考慮した。
*軌道整備:ホーム造成に伴う軌道狂い等について2回程度考慮した。

■(仮称)青山Stに係る特記事項

工事種類に係る特記事項
*ホーム新設A:
 ・新幹線高架橋内及び小谷塚Bにかかる部分はけた式構造とした。
*傾斜路構造:FCB(軽量モルタル)による盛土式とした。
*傾斜路:ロードヒーティング及び手摺の設置を考慮した。


青山新駅の概算工事費(総括)
(単位:千円)
エ 事 種 別 金  額 記          事
【旅 客 設 備】
用        地 261
路       盤 9,535
停 車 場 工 作 物 83,449
建   物 機   械 16,100
軌       道 6,960
保   安   費 22,000
小 計@ 138,305
付 帯 電 盲 175,300
小 計A 313,605
テレコムケーブル支障
中 計@ 313,605
エ 事  付 帯 23,520 概算収支見積書作成を除く
中 計A 337,125
管 理 費   0
合計 337,125
 注−1)上記概算工事費は現時点での施工を想定し、平成15度単価で算定しています。
 注−2)今後の経済変動、施工時期、施工方法等の条件が変わる場合、見直しを要します。
 注−3)概算工事費内訳は、次ページ以降に編集・整理している。
     旅客設備は、いわて銀河鉄道の財産になるものとして区分した。
 注−4)テレコムケーブル支障は日本テレコム鰍フ財産であるが、本調査では、便宜上、旅客設備に合算して計上することとした。
 注−5)管理費については、貴協議会とIGRいわて銀河鉄道との協議により決定されるため、計上していない。

(仮称)青山St:新駅設置概算工事費内訳表
(単位:千円)
エ事種別     l
エ 事 種 類
単位 数量l 単価 金 額 エ 法・材 質 等



用  地 用地借地 m2 0 駅前広場工事等で処理することで割愛
用地買収 m2 3 87 261 上堂2丁目単価適用
小計 261
路  盤 U型こう布設(線路側溝) m 310 16 4,960 左125+20m、右125+40m、0.36×0.36
工事用通路 1 3,000 3,000 上下線側とも幅6mX160m間を厚さ30cmの路盤砕石
立入防止柵新設 h=1.8m m 105 15 1,575 L=15+16+6+2.5+10+26+2.5+10.2+16.2=104.4m
小計 9,535
停工 ホーム新設 b=3.5m m2 793 65 51,552 (125mX2−3.4−1か−10)×3.5m:FCB(軽量モルタル)による盛土式ホーム(上面:アスファルト舗装)、ホーム前面にホームウォール使用
ホーム新設Ab=3.5m m2 82 130 10,647 (3.4+10+10)×3.5m:けた式ホーム(上面:アスフアルト舗装)
ホーム階段新設
2 800 1,600
斜路新設b=2.5m m 64.7 300 19,410 下り線側32.05m、上り線側32.65m計64.7m
ベンチ 4 60 240
  小計
83.449
建  物 ホーム上家 m2 140 115 16,100 1両相当分(20m)、幅3.5m(全覆い)
小計 16.100
軌  道 軌道整備 m 580 12 6,960 (125+20)×2線×2回=580m
小計 6,960
保安費 1 22,000 22,000 列車見張負・東通整理員は工事期間中常駐。線閉
責任者・誘導員は必要分。線路防護工。列車接近響
報装置2基。
小計 22,000
138,305
付帯電気 電車線路 1 45,000 45,000 き電線新設430m、き電線改修450m、き電線撤去420m、支持物撤去・新設
電灯電力 1 50,000 50,000 高圧配電線仮設てっ去1式、高圧配電線新設てっ去1式、ホーム照明は水銀灯ポールライト、ロードヒーテイング制御盤設置
信号設備 1  55,300 55,300 PRC(プログラム進路制御装置)改修、信号ケーブル撤去・新設(1900mX2)、踏切保安装置改良、閉そく信号機新設撤去、倍号所設備改良、軌道回路改良
通信設備 1 25,000 25,000 通信ケーブル撤去・新設(計2700m)、ホーム設備:自動放送設備2組・発車ベル2個、連絡設備:沿線電話
小計 175,300
合  計 313,605

第5章 まとめとその他の課題
 現地調査の結果等に基づき、本調査の対象駅について、計画位置及び駅計画の見直し検討を行い、バリアフリーを考慮した技術的な面から、新駅設置の可能性調査を実施した。
 この結果、省令等・技術的には可能であると判断できた。
 また、旅客設備に係る概算工事費については、本調査では一元化して算出しているが、工事費の決算段階で建設工事費と修繕・てっ去工事費(損益)に区分し、固定資産の得喪行為を行うことになるため、詳細設計の段階で予め区分しておくことが肝要と考える。
 なお、駅前広場と本線用地に関する将来の境界線については、関係自治体とIGRいわて銀河鉄道との協議に委ねることとし、本調査では、特に検討していないので留意されたい。
 最後に、本調査を通して第4章(1)検討結果の整理のほかに、下記のような課題が考えられるので列記し、本調査の報告を終えることとする。

(1)旅客設備と広場等との一体化検討の必要性
 本調査においては、各新駅に係る旅客設備と広場等の必要性について検討し、その可能性を調査したが、各駅とも、新駅設置に向けた概略設計・詳細設計においては、設備及び施工基面の高さ・位置(離れ)・近接部構造物・施工計画等の調整が必要である。特に(仮称)青山駅については、広場等の計画が未定のため、馬頭踏切側にホーム階段及び傾斜路を配置計画したが、最終的には広場計画と位置の調盤が必要となる。
 また、施工時においては、工事用進入路・工事用ヤード・近接部施工等の関係から、作業・工程調整が必要になるため、旅客設備と広野等とを一体として検討する必要がある。

(2)エレベーター設置に伴う監視休制
 移動円滑化基準等から、エレベーター設置、が必要になった(仮称)巣子Stにおいては、エレベーター設置に伴う監視盤の設置費用を見込んでいるが、監視盤の設置位置及び異常時体制・防犯体制の検討が必要不可欠である。

(3)利用者増加策検討の必要性
 駅利用人員に占める徒歩駅勢圏(1km圏)の利用者割合は、前述した地方都市圏における鉄道利用者の駅端末分担率からも分かるように、概ね70〜90%程度と言われているため、徒歩駅勢圏内において、より多くの新規利用者を掘り起すとともに、地球環境保全のため、他の交通機関と比べて地球温暖化の原因といわれるCO2の排出量が最も少ないという特性をもつ鉄道を、より利用しやすくするため、環境広告などの社会活動を推進するとともに、パーク&ライド、キス&ライド等により利用者促進策のため、(1)でも述べた広場等(バス結節機能、駐車場、駐輪場、タクシー乗降場等を考慮)との一体整備の検討が必要である。
 なお、地球環境保全については後段で参考として述べる。

(4)将来の新駅利用人員と増加経費等
 本調査におけるホーム等の規模設定に当たっては、作業中間における打合せでの委託者提供資料の各駅想定利用人員により検討した。
 一方、経費については新駅設置により、法人税法第45条の「工事負担金の圧縮記帳」を適用した場合でも、保守費、停車費(動力費+制蛤子費)、管理要等については増加経費となる。
 これらから割り出される各駅毎の収支割合は、新駅設置の可否判断及び会社経営を左右する重要な事項であるため、新駅設置に関する「事業基本計画変更」に際しては、事業収支見積書を資料として添付することになっている。
 こうしたことから、将来の新駅利用人員精査と増加経費等の検討は、慎重に行う必要がある。

(5)列車ダイヤへの影響
 新たな経営資源の整備として新駅を設置し、利便性向上による鉄道利用者の増加を図ることは経営上重要な施策であるが、線区内への新駅設置の過多は、列車蓑定速度(ダイヤ上の実走行速度)の低下を引き起こし、運行する列車ダイヤへの影響もあり得る。
 したがって、新駅の設置に当た・つては、列車ダイヤへの影響の有無を検討することも必要である。

(6)概算工事費
 概算工事費については、現時点で考えられる施工方法を考慮して算出したため、施工方法等が変更になれば当然見直しが必要となる。また、IGRいわて銀河鉄道株式会社の、工事発注・監督等にかかる管理費(事務費)については計上していないので、事業費としては算出し、合算する必要がある。



資料2
            いわて銀河鉄道新駅設置費補助(県単独)
                                    岩 手 県
1 補助先
 IGRいわて銀河鉄道株式会社
2 補助対象
 プラットホーム(旅客上屋を含む。)、こ線橋(構内通路を含む。)、エレベーター、軌道(改良)、電車線(架線柱移設等)、電灯電力(照明新設、ケーブル改良)、信通(信号ケーブル改良)、その他附帯施設・設備
 【参考】補助対象外     一
 用地取得費、駅舎、駅前広場、駐車場、駐輪場、公衆トイレ、取付道路
3 年度計画
 平成15年度  上記補助対象施設・設備の詳細設計費(管理費、消費税を含む。)
 平成16年度〜 上記補助対象施設・設備の工事費(")
4、補助率
 定 額(JR紫波中央駅の事業費等を基礎にして算出した補助対象経費のおおむね50%相当額)
5 補助条件
(1)補助対象経費の県の補助残については、当該駅設置所在市町村が補助又は負担をすること。
(2)駅の開業時期については、県、当該駅設置所在市町村及びIGRの3者間で十分な協議のうえ決定すること。
         いわて銀河鉄道新駅設置事業補助金交付要領
 (目的)
 第1IGRいわて銀河鉄道株式会社による鉄道事業の経営の安定化を図るため、IGRいわて銀河鉄道株式会社が行う新駅の設置に要する経費に対し、予算の範囲内で、この要領により補助金を交付する。

 (対象経費及び補助額)
 第2 補助金の補助対象経費及びこれに対する補助額は、次のとおりとする。
補助対象経費 補助額
IGRいわて銀河鉄道株式会社が行う新駅の設置に要する経費(本工事費、附帯工事費、工事雑費及び詳細設計費)であって、次に掲げるもの 定額
(1)プラットホーム(旅客上屋を含む。)
(2)こ線橋
(3)エレベーター   、
(4)電灯電力二・電車線・保安通借設備・
(5)その他新駅の設備として必要最小限度のもので知事が必要と認めるもの

 (補助金交付契約の締結)
 第3 知事は、いわて銀河鉄道新駅設置事業補助金交付申請書(別紙様式)により補助金の交付の申韓があった場合は、当飯書類を審査し、これを適当と認めるとき臥・申請者と補助金交付契約を締結するものとする。


    附 則
  この要領は、平成15年7月17日から施行する。

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