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01.06.14
 簗川ダムの建設中止にむけ、8月下旬までが大きな山場。
 中止を求める、意見や要望書を送ってください。
 6月13日岩手県で、公共事業評価委員会が開かれ、簗川ダムの再評価が議題に上っています。
 7月10日など部会で検討し、継続建設か、中止するかの結論を8月下旬までに出すとしています。
 評価委員会と知事に、簗川ダム建設中止を求める要望書や意見をたくさん出してください。
 事業再評価調書(PDF16k)



膨大な事業費の増加


 事業再評価調書によれば、事業費は当初の340億円に対して、約2倍の670億円にふくれあがっています。
しかも、水道施設費などは含まれていないため、さらに出費を覚悟しなければなりません。(国が約330億円、岩手県が約270億円、盛岡市は約70億円を負担しなければなりません)(当然ですが、これらの費用には維持管理費、補修そして撤去費用は含まれていません。)

 ここまでして、本当に簗川ダムは必要なのでしょうか。
 すでに世界的には、ダムは環境に対するダメージが大きく、つくられるどころか、撤去の方向に向かっています。




簗川ダムの事業目的は、根拠がない。


 調書は以下のように記載されています。

・洪水調節:
 ダム地点の計画高水580m3/sのうち470m3/sの洪水調節を行い、簗川沿川住民の生命や財産を洪水被害から守る。

・既得用水の安定化及び河川環境の保全:
 ダムからの流水の補給により、既得用水等の安定取水、漁業、流水の清潔の維持等を行い、河川が本来有している機能を維持と増進を図る。

・水道用水:
 盛岡市及び矢巾町に対し新たにそれぞれ日量、31,000m3及び5,000m3の水道用水を供給し、将来予測されている水不足の解消を図る。

・灌漑用水:
花巻市宮野目地区の農地(547ha)に対し最大1.037m3/sの農業用水を供給し、安定的な取水ができるようにする。

・発電:
ダムの流入量及びダムからの流水の補給を有効利用し、最大出力2,000kwの発電を行い、人々の生活や産業を支える。(年間発生電力量9,530MWH)



 
  • しかし1990年までの災害は、9億5000万円ほどと災害実績調書(北上川水系簗川総合開発事業計画書 簗川ダム 平成3年8月岩手県作成より)(PDF 4k)ではなっていますが、簗川の氾濫による被害なのか、詳しい内訳がかかれていないのでわからないことと、簗川の護岸工事以降の災害データを収集していないのです。
     民間での被害は報告されていないことを考えると、ダム建設がベストの方法かは、再検討すべきです。

  •  河川が本来有している機能は、ダムを造ることで、死んでしまいます。むしろどこも、その後の堆積物の処理に苦しんでいます。

  •  盛岡市の水道計画は目標を高くしているだけで、現実と乖離しているし、当分水不足は考えられない。しかもダムはほんの一時水をためておくことしかできないため、森や自然環境の保全での保水に力を入れるべきではないでしょうか。盛岡市水道資料(現況PDF 5k) 矢巾町水道資料PDF6k

    盛岡市の取水量(立方メートル/日)
    盛岡市水道部「水道事業概要」より
    取水量
    米内川取水門 34,560
    雫石川取水門 23,000
    雫石川取水井 10,000
    簗川取水門 32,400
    中津川取水門 35,200
    現状の合計 135,160
    御所ダム貯留水 54,800
    計画の合計  189,960

    盛岡市の水の需要(簡易水道を除く)(立方メートル/日)
    盛岡市水道部「水道事業概要」より
    年度 1日平均配水量 比較 最大配水量 比較
    1996年 88,705  100 105,672 100
    1997年 88,826 100 103,386 98
    1998年 89,034 100 103,129 98
    1999年 90,384 102 111,566 106
     2000年 91,353    103      109,608    104

    したがって御所ダム貯留水を水道に使えるようにすれば、今後50年間は水不足の心配はない。


  • 灌漑用水や発電は本来の目的ではなく、ついでにできることをあげているにすぎない。
    ちなみに、残念ながら次々と減反と都市化がすすめられる中、灌漑用水の必要性は低下している。
    多目的ダム、それはいいようによっては、本当につくらなければならない理由が見あたらないという、別の表現ではないでしょうか





残してほしい。簗川の自然環境


 調書でも次のように述べています。

 施工地区において自然や生活環境保全の観点で特記すべき事項
 ダム湖予定周辺区域は、盛岡市内でも有数な自然環境を有し、 猛禽類や貴重種の生息、生育が確認されており、工事にあたって自然環境に与える負荷を軽減するため、付替道路等のルートの変更や設計、計画の見直しを行っている。


この豊かな自然を残すため、一番いい方法はダム建設を中止することではないでしょうか。
簗川の自然とダムの概要



費用対効果も低下中


 調書では、事業採択時に比べて、事業対効果が下がっているとして、評価を下げています。




要望や意見を


 ぜひ、簗川や根田茂に行って、ご自分で確かめてください。
 そして、その自然を残したいと感じたら、知事や県、盛岡市、評価委員化など関係機関にあなたの声を伝えてください。
 署名運動にもご協力ください。(トップページお願い参照)


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