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2001年3月報告
やった。千葉に堂本知事誕生
長野、東京、栃木、千葉へと「市民が変えた」政治の流れ。
つくろう!!市民の党

千葉知事選結果(確定得票)

当 堂本 暁子 無新               491,205
   岩瀬 良三 無新 (自・保・自連 推薦)     472,325
   若井 康彦 無新 (民・社)             428,153
   河野   泉 無新 (共)                240,271
   門田 正則 無新                   53,865

投票率 36.9パーセント(前回28.7パーセント)


 3月25日、千葉県知事選において、無所属の堂本あき子さんが、自民、民主の候補に競り勝ち当選しました。昨年末の長野・栃木に続いての無党派知事の誕生です。
 首長選という大きな選挙で「一切の既成政党や業界団体、組合などとは関係せず、完全なカンパとボランティアの選挙を行い、そして勝つ」という今回の結果は、以前ではあり得ないことでした。この間の選挙における脱既成政党の流れの根底には、バブル崩壊以降の「市民の生活危機」があると思います。今回の選挙も「市民の明確な政治選択」でした。以下、堂本選挙がどのように行われたのかを報告します。 


堂本選挙の裏舞台。

 千葉知事選において私たちが堂本候補を応援していたことは、このホームページをごらんになっていた方はご存じだと思います。(ご協力頂いた皆様には、この場をお借りして御礼申し上げます)先日東京に行った際に、選挙中の堂本さんの演説と選挙後の対談のテープおこし作業を手伝いました。また、市民会議のメンバーで期間中にボランティアで千葉に行った人もおります。これらの情報を総合して、どのような選挙だったのか解るところでご報告したいと思います。

 最初「県民の会」から知事選への出馬要請があった時には、堂本さんも「当選するはずがない」と躊躇したそうです。県民の会が60名位、選挙資金はゼロ。おまけに場所が「保守王国」と呼ばれたあの千葉県です。しかし、はっきりと断ることが出来なかったのは、長野・栃木と続いてきた無党派市民による「新しい流れ」をここで止めたくない、止めてはいけない、という思いがあったからとのこと。結局その思いが12年間やってきた参議院議員のキャリアを捨てて、立候補を決断させることになりました。

 それから状況は急展開します。千葉県内のみならず、全国からボランティアとカンパが続々と集まり始めました。今までの組織でやる選挙とは全く違って、堂本選挙に協力した人達は全て自分の考えで協力をした人達です。あっという間に千葉県各地でも堂本候補を応援する勝手連があちこちで誕生し、最終的にはその数は230を超えました。また、カンパも最終的には2000万円を超えたそうです。選挙の終盤には、駅頭でのスポット演説をするたびに、一カ所で10万円位のカンパがあったのだとか。(すごい!)

 堂本さんは今回の選挙において演説をする際に「宣伝カーの上から演説をしない、自分の考えを一通り話した後は演説を聞いていた人達にマイクを向けて話してもらう」という姿勢を貫きました。まさに「対話式」の演説です。また、公約も「全市町村で年に一回ずつ対話集会を開く」ことでした。県民中心で県政を進めるという考え方で、いわゆる「私に任せてくれればこれこれのことをやります」といった今までの街頭演説とは全く違ったものでした。

 候補者だけではありません。選挙事務所も今までの「選挙」という概念からは全くかけ離れたものだったようです。なんと「選対会議」が一回も開かれなかったとのこと。これは「選対が既成の組織ではなかったので、開くことが出来なかった」ということではなく「勝手連的に集まってきたボランティアがそれぞれ自分のやるべき事を自分で見つけ出し、自主的に責任者が生まれ、それが見事にかみ合っていた」という感じであったらしいです。そのせいか「連日の徹夜続きだったのにみんながよく働き、なおかつとても生き生きしていた」という感想を多くの人に聞きました。

 「ひょっとしたらこれはいけるんじゃないか」と思ったのは、投票日の3日前位からだったそうです。マスコミも当初は堂本さんのことを泡沫扱いするところもあったとか。これが長野の知事選と圧倒的に違うところの一つです。堂本さんによれば「最初は、この人は何なんだろう、とじっと見ている感じ。それが最終版は、私たちの候補、という風に爆発した」。この爆発はかなり激しかった模様です。終盤では演説を聞きながらじっと手を合わせて(拝んでいる?)年輩のご婦人がいたり、ギャルに囲まれて抱きつかれたりもしたそう。選挙後のテレビ出演などで「千葉には風は吹かなかった。渦がうねりを作った」という発言をしていたのはそういう意味なんです。外から吹いてきた風ではなく、そこの場所から強い力の渦がおきたという意味で。

 開票の結果をざっと分析すれば堂本さんが強かったのは都市部。これは予測通りですがしかし、女性と若者に関して言えば全県的に強かったそうです。若者は堂本さんの選挙に「未来」を見、女性は今までの政治を動かしてきた「しがらみ」からの決別を、男性よりも早めにつけれたということなのでしょう。

 開票日に行われた対談を聞くと、堂本さんは今回の選挙を「日本における本当の意味での民主主義の始まりを創りだしたものではないか」と語っています。自分が立候補を決断したことが、そのような結果を引き起こしたことに「時代の要請」を感じたとも。「千葉知事選であったことを、政治を変えたいと考えている全国の人達と共有し、来る東京都議選、参院選の中でもこの力をもっと大きなものにしていきたい。そしてそれが出来れば日本の政治は必ず変わる」という確信は堂本さんのみではなく、この選挙に関わった多くの人達の想いのようです。


市民の党を創ろう

 千葉知事選の結果が示すものは明白です。自民党を初めとする、特定の利益を代表する政党では、バブル崩壊以降続く経済危機を解決できないということを市民は見抜いているのです。そして、一人一人の意志とそれに伴う行動があれば政治は変えられるということを端的に示しました。今、政治を変えることのできのは「どこかのお偉いさん」ではなく「一市民」なのです。
 機は熟しつつあります。今がチャンスです。
 私は今年度の前半、この力をさらに大きなものにするために、国政をも占うと言われる東京都議選そして参院選を全力で取り組みたいと考えています。
 より多くの皆さんが一緒に知恵を出し、力を集めてくださることを願ってやみません。
 ぜひ皆さんのご意見も教えてください。

ついにマリオスへの補助金の大幅削減を実現

盛岡市が貸しているお金 6億9030万円 (資本金)
盛岡市がくれてたお金 2億4000万円(補助金)


借地料相当額 建物固定資産税相当額 合計 補助金
97年度決算額 1,471,401 0 1,471,401 1,471,401
98年度決算額 3,823,628 76,756,700 80,580,328 80,000,000
99年度決算額 4,110,379 75,710,600 79,820,979 79,000,000
00年度決算額 4,418,644 69,343,400 73,762,044 73,700,000
合計 13,824,052 221,810,700 235,634,752 234,171,401


 98年からの10年間「税相当補助金」という名目で続けられる予定だった地域交流センター(マリオス)への補助金が、ついに2001年度から中止になることになりました。約5億6000万円削減されたことになります。市議になってからずっと「補助金は中止すべき」という立場で発言をしてきた私としては大変嬉しい限りです。これは第三セクターへの援助のあり方を考え直すという点でも大変大きな成果だと思っています。


マリオスへの補助金は中止。でも…

 2月21日に行われた全員協議会(行政が議員に対して行う説明会の様なもの)で「来年度からマリオスへの補助金は止める」と聞いた時、正直なところ、私は大変驚きました。というのは、99年12月の本会議において以下のような市長とのやりとりがあり、補助金の打ち切りまではまだまだ時間がかかると感じていたからです。
 「地域交流センターは黒字計上しているのだから支援金は即時廃止すべき」
市長「事業実施の初期段階においては収支の均衡を図ることがきわめて困難であるので、その管理運営安定するまでの間、固定資産税及び市有地賃借料相当額を公的に支援を行う事としている。」
 「では、地域交流センターへの補助を打ち切る目安、基準は何か」
市長「明年(2000年)から約3億円近い借金の返済が始まる。そういったものを収支計画に乗せて推計をして大体いつの時点で黒字になるかとなった場合、2006年ごろとなった。が、若干予想を上回っているので、その時期は早まるかもしれない」
 予想より早い補助金の中止は喜ぶべき事です。財政危機が深まる中で税金の使い方に対する市民の関心の高まりが生んだ成果だと思います。
 しかし残念なことに、以前よりももっと「?」と首をかしげざるを得ない支援策が、抱き合わせで提案されたのです。


マリオス展望室へ1,100万円の税金投入は認められない
展望室の入場料無料化。その分1,100万円を市が負担する。


 新しい支援策とは「2001年度からマリオス20階の展望室は入場料金を無料とし、市民等の憩いの場として解放する。そのため展望室の運営管理費用(光熱水費、空調費、清掃費、受付などの委託費など)の一部として1,100万円を市が負担する。負担金については毎年協定を結び決定する」というものです。
 補助金と違って支援終了時期の約束はありません。
 ここで断っておきたいのは「マリオス展望室」というのはあくまでも地域交流センターの事業だったという事です。以前の業績を検討してみると以下のようになります。
  入場者(人)   入場料収入(円)
97年度  70,447 23,722,000
98年度 142,863 47,281,000
99年度 87,326 28,638,000 注)97年度は12月からの営業
 入場者・入場料とも激減しています。昨年11月から入場料の値下げ、小学生の無料化を行いましたので、2000年度は入場者数が増えても入場料は伸びないだろう事が予測されます。
 今回、市はマリオス展望室の運営を、地域交流センターとの共同事業とし「共同事業だから負担金を払う」という方針を打ち出したのです。


国の指導にも反する「負担金」

 財政危機と不況を理由に住民サービス予算は削減が続けられています。マリオスの展望台に負担金を払うよりも、もっと先にやるべきことがあると思います。
 資料を調べていたら、1999年の5月に自治省が出した、「第三セクターの運営に関する指針」というものを見つけました。その内容は、
○事前に事業内容、行政としての支援策の取り決めをし、それをみだりに変更しない。
○産業振興型(公民協調型)の第三セクターの場合は、行政負担の出資金は少なく抑える。
○事業内容や会計を市民に情報公開していく。…などです。
 ならば今回決定した「負担金」は住民感情にも、国の方針にも反するものではないかと思い、予算委員会で質問をしました。
 それに対して開発部次長は「その指針は経営難の第三セクターについて出されたもので、地域交流センターはこれには当たらない」と答弁。
 しかし「指針」は全ての第三セクターに対して出されたものです。(それが証拠に「一般的留意事項」という章から始まり、経営が思わしくない場合、破綻しそうな場合、という風に進んでいきます)
 その点も訴えたのですが、私の質問と答弁は最後までかみ合わぬままでした。


「あの金で何が買えたか」
 −−1,100万円あればこんな事ができる


○介護保険で考えてみると
 今、150を越える自治体が第一号被保険者(65歳以上)の介護保険料の減免を行っていますが、これらの多くが「第二段階」で所得の少ない方々を減免の対象にしています。もし、地域交流センターへの負担金1,100万円があれば、この方々約403人分の年間介護保険料を免除する事ができます。

○高齢者介護で見てみると
 介護保険の「自立」と認定された方を対象に市が行っているデイサービスの予算が2000万円です。1,100万円でこのデイサービスを1.5倍に増やせます。

○子育て支援事業で見ると
 子育てについての相談を電話や来訪で受け付ける保育園をあと二つ(頑張れば三つ。2001年度の予算では13,443,000円なので)増やせます。(現在は杜陵、厨川、津志田の三園のみ)

○学校に関わることで見ると
 スクールヘルパーを二倍に増やせます。

 これらを考えると展望室への負担金支出は私には納得がいきません。結局、地域交流センターへの税金支出についての取り組みは、まだまだ終えるわけにはいかない状況です。

介護保険導入後、市独自の高齢者福祉予算が極端に減少

福祉に回るカネが減った
9億6,000万円はどこに行った?


 介護保険制度の一番の問題点は、一言で言えば「所得にあわせてしか使えない」事だと思います。これは制度が始まる前から言われていた事。
 99年の教育・福祉常任委員会で福祉部長は「福祉の水準は後退させない」と発言し、また「市単独の福祉予算9億6,000万円分が、市民から支払ってもらう保険料・利用料でまかなえる」という主旨の答弁をしました。そこから考えると、市は9億6,000万円分の高齢者介護施策を単独で行う力があるということです。
 ところが新年度予算では介護関連の独自事業(社会福祉費の中の老人福祉費)は軒並み減額。これでは約束が違います。



保険料・利用料の減免と自立支援施策の充実にもっと予算を!

 以上の旨を質問すると「介護保険以前の福祉の水準を落とさないという考え方を変更はしていないが9億6,000万円という枠を作ってその中で考えるつもりはない」との返事。しかし、これは明らかに詭弁ではないのでしょうか。現実に高齢者福祉全体にかかる費用全体で見ると、以前より2億6,000万円のマイナスになっているのです。
 「介護予防・自立支援」と声高に叫びながら、自立者のためのデイサービス(生きがいデイサービス)は介護保険導入以前から通っていた人しか利用できません。おまけに回数も以前の半分に減らされています。自立者の為のホームヘルパーも二人から一人に減らされました。
 また、介護保険事業の中でも利用計画に対する達成率は県内最下位。「満ち足りているから使わない」のではないはずです。
 利用料・保険料の減免を決断するべきです。安心して暮らせる保障をすれば、実際に減免される人ばかりではなく、もっと広範な盛岡市民に好影響を与え、個人消費も上向くのではないでしょうか。

デフレなのに授業料値上げ!?

 盛岡市立高校と幼稚園の授業料(保育料)・入学金(入園料)が値上げになります。授業料は月額300円と確かに払えない額ではないとは思います。でも、このデフレの時期に値上げは変です。保護者のリストラ等で退学を余儀なくされる子供達も増えている現状を考えれば、市立の教育機関は今、値上げをすべきではないと思います。経済的事情で教育の機会均等が奪われているような気がしてなりません。
 果たして私の子供達の時代は一体どうなってしまうのでしょうか。

公務員再任用制度に異議あり

 定年等で退職した職員を、65歳まで再び雇用できる制度が今議会で決まりました。年金の支給開始が遅くなった事から出てきた制度と思いますが、若干の疑問があります。明らかに若年層の雇用が減ってしまいます。この就職難の時代に「それはないんじゃないの」と思うのです。行革の観点から見ても職員給与が相対的に上がることになるような気がします。(全体に対する再任用職員の割合が高くなれば一概にそうは言えないかもしれないけれど、今度はまた別な点で問題)また、給与表を見れば次長・部長クラスの再任用給与が書いてあるのですが「一年未満契約の部長」というのも無責任では…?どうも変な制度だと思います。 

行政でも、議会でも、もっと情報公開を進めよう

 このホームページを作成したのは、出来るだけ沢山の情報を皆さんにお伝えするためです。残念ながら盛岡市の行政も議会も市民にとって身近なものとは言い切れない状況があると思います。
 しかし、街づくりの主役は本来市民のはずです。
 車椅子用スロープがついていないプラザおでっての正面玄関の様に、もしもっと多くの市民に情報が伝わっていたら回避できた失敗もあります。市の方針、各議員の考え方など、色々な立場の情報を公開することによって、市民の間に議論が深まっていくでしょうし、行政も議会も活性化していくのではないでしょうか。

例えば、議会では
 1.テレビ・ラジオでの議会中継
 2.インターネットの活用(県では議会中継を実施)
 3.議会の夜間・休日開催

など。

私たちは、
 1.ホームページで行政・議会の情報をどんどん公開する。
 2.チラシ配布、街頭宣伝。
 3.地域座談会など、できるだけ皆さんのところにも出かけていって、お話を聞く。


 この3つを今後も続けていくよう頑張ります。
 また、これは私のみではなく、行政や議会にも求められていることだと思います。市や議会の取り組みの中でもこの様な動きをできるだけ拡大していくように、発言していきたいと思います。
 皆さんの意見をぜひ聞きたいです。掲示板に書き込んでいただいても結構ですし、伺ってお話しさせていただいてもかまいません。お気軽に声をおかけ下さい。


公開停止中
インターネットに関する懇話会についてはおたずね下さい。


おすすめの書籍

 ダムと日本 天野礼子著 岩波新書
 筆者は長良川河口堰の建設反対運動の代表。ダム建設の非合理性についても知ることが出来ますが、一人のアウトドアライターが川を守るために立ち上がり、運動を広げていく物語として読んでも感動的でした。「川の街」に住む私たちには必読の書かと思います。(簗川ダムの「馬鹿臭さ」がさらに良く解りました)


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